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韓日ウェブ小説翻訳者交流会を行いました!

28日21時~ 当初は2時間の予定が、気付けば約3時間半!(笑)
ウェブ小説の翻訳者をあまり見かけないので、どうなるかなぁと不安でしたが(私はお喋りも苦手ですし^^;;)、若干人生相談もしつつ(?)とても有意義な会になりました!

そこで気付いたことや、韓日ウェブ小説翻訳の現状について少し共有したいと思います。
もちろん内容のすべてはお伝えできませんが、ウェブ小説翻訳を始めたばかりの方、これからやろうと考えている方、今後の方向性に悩んでいる方などに少しでも助けになればと思います。


結論から言うと…

正直、ウェブ小説翻訳業界もなかなか厳しいのでは、と思いました。一時期、Xでもウェブトゥーンの依頼が全然なくなった!という書き込みが増えていましたが、やはりそもそも絵(マンガ)に比べると活字(小説)の需要が、時代と共に減ってきているからです。
ですがどちらにしても質が高く、面白い原作はまだまだ存在するので、いい方向に発展していけば、今よりももっと良くなるのではないかと思います。
そのためにはウェブトゥーン翻訳者を含め、業界をよくしていこうという団結が不可欠だと感じました。

現状

・労力、お金、やりがいが揃わない
 →ものによっては世に出ないものもあり、どこまで労力を注ぐか(クオリティー)、またそれに対するお金とやりがいが伴わない場合も多い

・単価は需要からして必然的に低くなる(ただし初心者でも1円/文字以下はありえない。そこからどんどん上げていくのが理想)

・文字数は物語によって幅広い(1話4~8000字)が、月の最低納品数を考えると、副業では結構キツい。

・急な打ち切りがあったりするため、収入(将来)の保障がない(これは小説にかかわらず)

・会社との関わりが少ないので、孤独になりがち(流れ作業のよう)

・このままいい方向に進んでいかないと「優秀なAI→修正」で、"読めればいい"化が進んでいくかも?

課題

・Web小説業界はどうすれば盛り上がるのか
→ウェブ小説、ウェブトゥーンは無料で読めるものが多く(ジャンルによるが)、なかなか翻訳者に還元されないのが現状

・翻訳者が面白いWeb小説の翻訳を提案できるのか?(文芸翻訳みたいに)
→出版社と違って、企画書を吟味したりする会社側の体制がないかも??

・せめて履歴書にだけでも、担当作品を言及できるようにしてほしい

・「翻訳」以外の作業(マンガで言うと絵に関わる作業とか)は「翻訳者」の仕事ではない。もしするなら、それに見合った作業代をもらう必要がある。

結局のところ

・いい会社に出会うには運も大きいし、いい会社は体制も保障も待遇もいい場合が多い

・言われるがままにやっていてはダメ

・全体的な悩みや課題はウェブトゥーンと似たような感じ(おそらく業界全体が似たような感じなのかも)


感想と気付き

交流会の中では「暗い話しかないね」という言葉も出たほどで、私も話している最中は少し不安にもなりましたが、でもそれと同時に新たな気付きもありました。

言われたこと(用意されたもの)だけをこなすのは、フリーランスとは言わない

もちろん副業やお小遣い稼ぎの人もたくさんいると思います。需要が減っていく中で、「作品愛」を重視するために、どこまで人間の頭と手を使うのか、あるいは「効率」を重視して下訳を機械にやらせるのか(もしくは人間の手であっても直訳調)、これはすごく難しい問題だと思います。

特に小説やマンガはいくら手軽に読めるものでもぎこちない文章は嫌だと思う反面、生きていくために、豊かな人生を実現するためにはボランティアでは成り立たないのが現状です。

なんとなく「業務委託」って副業とかお小遣い稼ぎの人にはいいかもしれないけど、フリーランスはもっと自ら作り上げていく(働きかけていく)働き方なんだと思いました。
だから副業でやっている方も含め、この業界がもっとよくなるため(これからも自分たちが働きやすくするため)には、もっと声をあげていかなければ何も変わらないのだと思います。
今目の前の仕事がなくなるかもという恐怖で何も言えないのは、結局本末転倒だよなぁと(自戒)。

少し話がそれましたが、ウェブ小説翻訳にしろウェブトゥーン翻訳にしろ、もっといい方向に進んでほしいなぁというのが、一翻訳者としての願いです。


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