表参道のアリスより
1971年刊行。
私が購入したのは、1987か1988年。高校2年か3年生の時でした。
確かお正月で暇つぶしに駅前の古本屋さんでブラブラ物色していた時に偶然見つけた本が、この高橋靖子さんの初めてのエッセイ、
『表参道のアリスより』でした。
もしかしたら、人生で初めて買った古本だったかもしれません。
表参道か、と思いながらパラパラページをめくってみると、子供の時に中へ入ってみた事のあるセントラルアパートや、住人だったという写真家のユージンスミスさんの話しも載っていました。
セントラルアパートと言えば、エレベーターホールの壁が鏡張り!!で、当時小学生だった私には鏡張りというだけでもう楽しくて!昔遊園地にあった『ミラーハウス』で遊んでる様な気分を味わいました。
当時初めて母が連れてっ行ってくれた写真展がユージンスミス写真展だったこともあり、この本は自分とリンク出来る事が多く書いてあるかも知れない!という直感で直ぐにレジに持って行き、あっという間に読んでしまったことを今でも良く覚えています。
60年代半ば日本で初めてスタイリストという肩書きを自ら名乗り、音楽の話やラッキーな出会いをどんどん仕事に結びつけている姿を読んで、私自身自分の未来を高校生なりに考えてみたものでした。
自身のことを振り返ってみれば、今まで組織に属さずに、そのとき自分がこれだ!と感じるものに真っ直ぐ取り組んで来られたことは、この本に良いタイミングで出会えたおかげなのではと、思います。
この本には未来を思いっきり生きようと決心させる何かが、私には感じられました。
既に30年近く持ち続け、引っ越しの度に断捨離で生き残って来ているのですが、手放すのは悩むところ。
高校生の時に500円で買った本は、世間では驚くほど高値に上昇していました。
2006年に表参道のヤッコさんとして再版されているのに、古い初版本は強いですね。
( 再販の方は読んでいないので、内容は少し違うのかもしれませんが...
手放すかどうか、迷いながらも本棚へ戻してしまう。しばらく保留しておこう。は、いつまで続くのか分からないけれど。
もし私が70歳くらいになって、もう一度読んでみた時に、思いっきり生きよう。
と、決心させる何かが、その時もあるようにと願って。やはり本棚へ戻しておく。
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