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スリランカに留学する意味はあるのか?


私は大学生4年生の時にスリランカの大学に1年間交換留学へ行きました。それは、私の中で大きな人生の転換期というくらい大きなチャレンジでした。留学を決意した時、私の両親は私にこのようなことを言いました。

・なんでスリランカなんだ?
・スリランカに留学をする意味なんてあるのか?
・何をしにスリランカへ行くんだ?

なぜスリランカ?という問いに対して、当時の私には特に理由なんてありませんでした。

直感的に、行きたい!と思ったからというのが私の答えです。唯一考えられるのは、途上国に留学して、現地の人と同じような生活をしながら、現地調査をして卒論をまとめることに漠然とした憧れがありました。現地調査をするなら、現地の暮らしと同じ生活水準に身を置くべきだ!という私の考えもありました。

先輩の卒論発表を聞いて、私も同じようにスリランカで農村調査ができたら、なんて素敵なことだろうと思っていました。

この世の中に意味がないことなどない

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私は、この世の中に意味がないことはないと思っています。不思議なもので、イギリスの大学院を修了すると、世間の人々は私のことを「すごい」と言います。しかし、私がスリランカへ行くと行ったときは、反応がない人が多かったです。

このような人々の反応の違いを感じ、私はイギリスの留学は意味があって、スリランカの留学は意味のないものなのか?疑問に感じました。

私にとって、スリランカの1年とイギリスの1年、中身は違えど私自身の幅を大きく広げてくれたことは確かです。

イギリスという国を初めて身近に感じたのもスリランカへ留学してからでした。

イギリス英語の綴りの看板を見たり、スリランカの歴史を深く知っていく中で、イギリスってどんな国なんだろうと漠然と思うようになっていました。

スリランカの1年がなければ、イギリスへいくことは絶対になかったと思います。

その時その時で、やりたいことを一生懸命にやって、その中で自分なりの学びがあるとしたら、その選択は全く無駄なことではないと感じます。

スリランカというインド洋に浮かぶ小さな島国

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スリランカ留学の学びとして最も大きかったのは人種や宗教の違いと多文化共生の難しさでした。私はそれまで、宗教や言語の違いについてそこまで深く考えることがなかったのですが、スリランカでの経験は私の考え方やものの見方を大きく変えました。

スリランカという国はインドのすぐ近くにある小さな島です。

その島には、大多数を占めるシンハラ人とマイノリティのタミル人、それからイスラム教徒が住んでいます。

シンハラ人は仏教徒、タミル人はヒンドゥー教徒、イスラム教徒はイスラム教です。それから、一部キリスト教徒の人もいます。スリランカでは、シンハラ語、タミル語、英語が公用語として使われていますが、北部の方はタミル人が多いので、北部にいくと国が全く違うのでは?と思うくらいタミル語一色となります。

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なぜ、スリランカは色々な民族の人が共存している状況なのでしょうか?

それはイギリスが関係しています。

タミル人はもともと、インドに住んでいた人々です。イギリス人が奴隷としてスリランカのティープランテーションに連れてきた人々なのです。

一方、イスラム教徒は、商人なので色々な国で小さなコミュニティーを形成する文化を持ち、その子孫がスリランカにも存在しているのです。

この小さな島国で、スリランカの人々は長期間に渡り民族同士で戦い続けていました。イギリスの統治が終わったあと、スリランカは一つの国家として独立を果たしたのですが、シンハラ人を中心とした国家の基盤が作られたため、タミル人が独立しようと政府に反発し、武装したわけなんです。

その争いは、終結し平和な国となって来ていますが、今もなお、スリランカには当時の地雷が埋まっています。戦争中の地雷を全て除去でいていないため、立ち居入り禁止区間があるのです。

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私は、そんな戦争の跡地まで足を運びこの目に焼き付けてきました。

・文化が違うこと
・言語が違うこと
・人種が違うこと
・宗教が違うこと

これらが、戦争という悲しい結果を生み出してしまう可能性があることを心から感じました。

留学そのものに意味がある!

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私は人生で二度留学をする経験をさせていただきました。それは、とても光栄なことだと感じます。

一つはスリランカという植民地時代の影響により多様化した島国。

もう一つは、イギリスという植民地支配を始めた北に浮かぶ島国。

でも、留学する前には、留学で何が得られるかなんて何も分かりませんでしたし、もちろん留学することへの不安もありました。ただ、私には必ず何かを得て帰ってくるぞ!という意気込みだけはありました。

きっと中には留学の目的が見つけられず、留学を尻込みしている人もいるかもしれません。しかし、留学では自分の想像を超える何かしらを得られるはずです

そして、この得られたことは、必ず自分自身のその後の人生や価値観、キャリア選択に大きく影響を及ぼします。

私はスリランカで民族対立という今の日本ではなかなか考えることのない世界の現実を目にすることになりました。そして、民族や人種の違い、自分自身の宗教的価値観の所属などを深く考えるようになりました。この時の学びが、私のイギリスで執筆した「多様性:Diversity」に関する修士論文への思いにもつながっていると思います。

留学で得られる経験は偉大です。ぜひ、多くの方々にその経験を得て欲しいと思っています。

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