観劇感想vol.13 PARCO劇場開場50周年記念シリーズ「笑の大学」

親の代から推している今や国民的脚本家、三谷幸喜さんの「笑の大学」を見てきました!やったね!
ちなみに向坂役の内野さんもめちゃ大好きです。
なんか最近歳のせいか、若手〜同年代よりは渋めのおじさんにキュンとしがちになってきました。

個人の感想なので本来の演出意図と乖離した発言しているかもしれませんがご了承を。
あと一応、今回も感想にはめちゃくちゃにネタバレを含みます。

笑の大学
(公式サイト)

日時/場所
2023/2/8(水)〜3/5(日)
東京 PARCO劇場
(会場サイト内アクセスページ)

3/10(金)〜12(日)
新潟 りゅーとぴあ新潟市民芸術文化会館劇場
(会場サイト内アクセスページ)

3/17(金)〜19(日)
長野 まつもと市民芸術館 主ホール
(会場サイト内アクセスページ)

3/23(木)〜26(日)
大阪 サンケイホールブリーゼ
(会場サイト内アクセスページ)

3/30(木)〜4/2(日)
福岡 キャナルシティ劇場
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4/6(木)〜4/9(日)
宮城 電力ホール
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4/13(木)〜4/16(日)
兵庫 兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール
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4/20〜4/21
沖縄 那覇文化芸術劇場なはーと 大劇場
(会場サイト内アクセスページ)

キャスト
内野聖陽
瀬戸康史

あらすじ
時は戦時色濃厚な昭和15年。
登場人物は、警視庁検閲係・向坂睦男(さきさかむつお)と劇団「笑の大学」座付脚本家・椿一(つばきはじめ)。
非常時に喜劇など断じて許さないとする向坂は、上演中止に追い込もうと執拗なまでの注文を繰り返す。しかしなんとか上演許可をもらいたい椿は、向坂が要求する無理難題を逆手に取りながら、あくまで真正面からの書き直しに挑戦する。
警視庁の取調室を舞台に、相対する男二人のドラマが始まる。
公式サイトより引用

めっっちゃくちゃ笑いました~~~!!!
映画は見たことあったので話の大枠は知ってたんですが、やっぱり会話劇なので
このお話の面白さの真髄である、演者さん達の台詞の言い回し、呼吸、会話のテンポや表情を
劇場で生で目の当たりにして余すことなく堪能してきました。
面白いことなにか言う時()喋ってる側の人も勿論ですが
聞いてる側の人の表情とか動きとかリアクションで以て、場面の面白さが完成するので
喜劇は、各々の様子を違和感なく同じ視野に入れられる舞台演劇で見るのがやっぱり向いてますね。

ストーリー上当然登場人物の性質は正反対なはずなんですが
冒頭は高圧的且つやや機械的な向坂が、椿に巻き込まれて徐々に砕けていくのが最高でした。
どんどん修正作業が激しくなっていくのも勿論楽しいんですが、椿が自身の矜恃を語った時ちゃんと我に返るのも、単純になかよくなってチャンチャンな話にならなくていいですね。
検閲を舞台にして、喜劇というものの必要性に始まり
脚本を書かれる/舞台を演出するにあたっての喜び哀しさ愚痴等々、三谷さんの思いが込められたお話になっているんでしょう。多分。

因みに今回、上手側ですがかなり前の方の席でした!やった!
舞台真ん中の机に向き合う形で上手下手に各々椅子があるセットだったから、どちらかの演者さんはあんまり顔が見えないかと思ったらそんなことにはならず。
後半になって台本修正が大詰めを迎える頃には2人ともどんどん台本の役になりきって部屋中行ったり来たりの熱の入った作業になってめっちゃ楽しかったです。向坂にやらせる気満々でウィッグも衣装も持ってきたのか椿。向坂がタバコ吸ったり椿が勝手にお茶飲んだり、相当関係が深まった感じがしてましたね。
検閲の言いなりなところを劇団内で糾弾されてたみたいですが、言うほど劇団内でも自身の笑いのこだわりに真摯な台本を追求できてる感じじゃなさそうでしたね……
向坂との修正の時間が心から楽しかったんだろうな。最終的に何故か机の上乗って台本書き直してたからね。

あとやっぱり劇場での観劇の醍醐味はなんといってもお客さんの笑い声です!!
漏れるクスクス声やドッと湧く爆笑が、演者さんの作るお芝居の世界観を一層強固に補完して彩を添えて
私も普通に一観客の立場なので烏滸がましいことを言いますが、喜劇はこれを以てして真に完成すると言っても過言ではありません。
個人的に、舞台作品の完成に必要な最後の装置は「観客」だと思ってるのですが
こと喜劇に於いては如実にそれが現れるかんじがしますね。
映画も勿論普通に最高なんですが、舞台版見に来れて本当によかった。


開演前に、三谷さんによる諸注意のアナウンスが流されて
本編始まる前から既にウケてました。
笑いを取りつつではあるものの、コロナが落ち着きつつある情勢に対して「やっと返ってきます」と仰っていたのは
舞台演劇に第一線で携わる方の声として胸に来るものがありますね。そんな意図で仰ったかはわかりませんが。


※ PARCO劇場開場50周年記念シリーズ「笑の大学」
(サイト内タブからチケット情報へ飛べます)

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