観劇感想vol.11 ミュージカル「チェーザレ 破壊の創造者」

前回のどうな・る家康から約3週間でまた明治座にて観劇です。いい劇場に何回も来れる機会あるの嬉しいですね。

今回観劇したお芝居、実は2020年に公演予定且つ私も観劇予定だったんですが、コロナの煽りで中止と相成ってしまい
約3年の時を経て改めて開幕となったお芝居なのです。
私にとっては、観劇予定がコロナで中止になった最初のお芝居で、すごく楽しみにしてたから本当に残念だったので今回観劇できて本当に嬉しい……
まだまだどうなるかわからない状況ですが、この経緯故に個人的には、世界がなんとなく全体的に善い方へ向かっている象徴のように感じられる観劇でした。本当にそうであればいいですね。

劇場内も、前回のどうな・る家康の時は全館食事禁止だったのですが
今回は解禁されまして、売店で軽食やお弁当も売っておりました。
当然黙食のお願いは出されてましたが、少しずつ着実に以前の賑わいを取り戻してる感があります。
公演自体が徐々に再開された後も、こういう物販とか食事とかから劇場が利益を得られる機会も少しずつ復活できて
最終的に、前と変わりない劇場の賑やかさと、そこにコロナ禍で得た配信等々の知見も併せることで
舞台演劇界隈全体が、コロナのせいで被った打撃を乗り越える以上の活性化が今後見込めたらうれしいですね。
もちろんそうなるためには、コロナの完全なる根絶をめざして
引き続き警戒と予防に努めないといけませんが……

そんなわけで感想です。
因みに漫画原作のお芝居ですが漫画のほうは一切読んでません。
個人的に、知らない作品が舞台化された際は原作は知らないままで舞台に臨む方が好きなんです。観劇後に、この舞台の元となった原作もぜひ読んでみたいと感じられるお芝居だったら原作もチェックするスタイルです。
なので原作読んでれば普通にわかることも思ったままに感想書いております。

個人の感想なので本来の演出意図と乖離した発言しているかもしれませんがご了承を。
あと一応、今回も感想にはめちゃくちゃにネタバレを含みます。

チェーザレ 破壊の創造者
(公式サイト)

日時/会場
2023/1/7(土)〜2/5(日)
明治座
(会場サイト内アクセスページ)

キャスト
中川晃教
橘ケンチ
別所哲也
藤岡正明
今拓哉
丘山晴己
横山だいすけ
岡幸二郎
武岡淳一
【スクアドラ ヴェルデ】
山崎大輝
風間由次郎
近藤頌利
木戸邑弥
山沖勇輝
【スクアドラ ロッサ】
赤澤遼太郎
鍵本輝
本田礼生
健人
稲垣成弥
ほか

あらすじ(冒頭部分抜粋)
1475年、ローマ。ボルジア家の領袖ロドリーゴは、結婚を許されないヴァチカンの枢機卿という身分でありながら、一人の男児を授かる。
その子の名はチェーザレ・ボルジア。「罪の子」と呼ばれながら煌めく才智と美貌を備え、政争渦巻くヨーロッパの統一を夢見て歴史にその名を残した男の誕生であった。
公式サイトより引用

今まであんまり見る機会なかった世界観のお芝居だったのですが、
教皇が堕ちつつある中で空いた座を狙う人々って軸で
現在この世界が置かれてる状況を顧みて憂いて、新たな世界を創ることを目指す話ってのは
時代背景や国に関係なくどこにでもある話で
且つ、貴族とスラムはわかりやすいものの
同じ階級内でも各々置かれた立場で皆異なる苦悩があるっていうのも
これもまたどこにでもある話ですね。

原作は一切知らないのにこんなこと言うのも恐縮ですが、すごいミュージカル映えする作品ですね……!
全体的に艶やか且つ荘厳、人によっては時にみすぼらしい衣装で心境を唄われる様子は見応えも聴き応えもすごかったです!
授業の前とかお祭りみたいな賑やかなシーンもありつつ。ダンテであんなに盛り上がるとはね。
演者さんも皆素晴らしかったけど、個人的に気になった方を挙げると
主演のチェーザレ役の中川さん、ジョヴァンニ役の風間さんの、男性にしてはちょっと高めですごい通る声がめちゃくちゃ素敵でした! なんとなく世界観にも合ってますね。
ロドリーゴ役の別所さんは流石観客を惹き付けるエネルギーがすごい。あと山沖さんのアンリも好きです。頭が固くて粗野な役どころみたいに描かれてるけど、実際ああいう人の方が多いんだろうな。

チェーザレが授業の中でちょっと暴君感のある意見を言ってましたが、本当に苦しんでる人達を知っていて、国やこの人達を導かないといけないっていう重責あっての言葉ってことですね。
そんなチェーザレが、しがらみの無さ故純朴というか純粋なアンジェロを新鮮に感じて関係を築くのもほっこりしました。
相反する個性の2人として今後も善い関係でいるのかと思ったら最後はお別れしてしまった……
アンジェロ、キービジュアル撮影からウィッグ変わったんでしょうか。フライヤーの写真より天使に寄せられた髪型になっていた。

ジョヴァンニが卒業?するところで終わったので肝心のどっちが教皇になるって結論は出なかったのでビックリしたんですが(出てないよね?)
原作自体はここを主軸にこれからも続いてるんですかね。
原作も読んでみたいし、先述の通りミュージカルって形がすごい映える作品だって感じたので、舞台の続編としてのこの話の今後も追っていきたい……続編やらないかな……

舞台セットもかっこよかったです!
明治座は舞台上に盆がありますので
映像投影用のスクリーンも兼ねる大きい階段を一面、通路や可動式の階段を取り付けたセットをもう一面に据えて
適宜盆を回して場面転換する形を取っておられました。
観客の想像力に委ねるシンプルなセットも好きなんですが、盆でサッと転換できるからこそ大掛かりなものも設置できてこれもまたいいですね。やっぱりセットがかっこいいと没入感が違います。
階段もそうですが、別途適宜スクリーンも降ろして
思いのほか映像が入ってなんか映画みたいで面白かったです。
屋外のシーンでその場所を映すのはまあわかりますが、開演前に話の前提背景になるモノローグをぜんぶ文字で映すとは思いませんでした。わかりやすいけどね。


※ ミュージカル「チェーザレ 破壊の創造者」
明治座150周年を彩る舞台に相応しいお芝居でした。
2月まで続くのでもう1回見ようかしら。
(チケット案内ページ)

※すみませんキャストスタッフ全員書いたらえらいことになるので抜粋表記、タグ付けは公演名のみで失礼します……

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