uruのプロローグの感想文をハチャメチャに感情移入して書く
中学聖日記の主題歌、uruの「プロローグ」。
中学生の黒岩くんと担任の聖ちゃんの痛々しいくらいピュアな恋愛物語。
ドラマを見たことはなかったんだけれど、高2の秋冬は毎日これを聴きながら駅から学校まで歩いていた。
空気の透明度が上がったのか?と錯覚するくらい透き通った歌声。
受験が終わったら見ようと思って約半年放置してドラマを観て、さらに半年かけてその時していて引きずった恋を何とかして、感想文を書きます。
ちなみに私も先生という人種を好きだった人間なので感情移入めちゃくちゃにするし解釈多分ねじ曲げてる。
目にかかる髪の毛と かきわけた指 壊れそうでどこか寂しげな背中
頼りない太陽を滲ませながら 微笑んだその横顔見つめていた
好きな人がいるんだなぁそんで多分片思いなんだなぁってこれだけで伝わってくるのすごいよね??
好きな人ってさ、真正面から見つめた思い出あんまりなくない?だって、真っ直ぐ見つめられる関係なら片思いしてない。思い出すのって横顔だったり、手だったり、背中だったり。
そんでもって淡い。全ての感覚が少し淡い。実在するのかしないのかあやふや、とまではいかないけれど、自分のものじゃない不確かさをもって輪郭が滲んでいる。
本当はもっと幸せそうに、しっかりと微笑んだのかもしれないけど私には頼りなくあやふやに見えるんだよ……。私にとって貴方との関係が絶対じゃないから……。
いつの間にかその全て 視界に入ってくるの
心が波打つ痛みに どうして気づいてしまったの
これは全人類そうなんだと思うけど、好きな人って、見ちゃうよね……。何してるか、どこにいるか逐一把握したくなっちゃうよね……。
コーヒー飲んでる。タバコ吸いに行ってる。隣のデスクの後輩と楽しそうに喋ってる。次の授業の準備してる。
他の人なら全然気にもとめてないことを自分の中に当たり前かのように落とし込んで、目に焼き付けてる。
そんな自分と、周りより眩しく見える貴方。この気持ちに気づいたらそりゃあ痛いよね……。気づかなければ良かったと思うほどに。
あなたを探してる 隠した瞳の奥で
誰にも見えぬように 行き場もなくて彷徨いながら
いつだって人を好きになったら密かに目で追う。けれど、それが本人以外にも決して見えてはいけないような想いなら多分もっと切なくなる。
他の子ならキャッキャと周りに応援されながら好きな人を見守れるのに。自分はこの想いに気づいてしまったばっかりに応援されることもなく、ただ密かに、その人を見かけても少しだけ視線と気持ちを置いていくことしか出来ない。周りに悟られぬように口元には馬鹿笑いを貼り付けたまま。
切な…………………………。黒岩くん世代なら絶対「おいお前○○さんのこと好きなんだろ!ほらいるぞ!○○さーん!!こいつさー!!」とか茶化す友達においやめろってってヘッドロックかけてワイワイする恋愛でしょうよ……。周り巻き込んで応援されてなんぼでしょうが……。
それが、誰にも見えぬように、だよ??何かもうそれだけで苦しい。
あなたと見る世界は いつでも綺麗だった
空には一つだけ 淡く光る 小さな星が残ってる
綺麗だったって過去形なのやめてほしい。それだけで胸の苦しさが増す。綺麗だよ、今でも。あなたがどこかにいてくれるだけで。けどキラキラした日々が伝わってくる。その人だけ明らかに目に止まって、スローモーションみたいで。そんなあなたを包む世界ごと美しくて。
ドラマでは聖ちゃんが国語教師っていうのもこのフレーズに一役買ってる。聖ちゃんは、この世界がどれほど美しく見えるようになったか伝える言葉を与えてくれる。そしてその世界の美しさを最初に見せた人。素敵だ。
求めては 突き放す 読めない心
見つめられるほどに 嘘が付けない
これはドラマのくっついたり離れたりを思い出しますね〜!!
個人的には好きな人の心って、わかりたいけど自分を嫌ってたりしたらしばらく立ち直れないからいいや…って思う時とえぇい殺せ!!いっそ好きでも嫌いでも解りたいんだよ!!全て吐け!!って時がある。
元々黒岩くんは真っ直ぐに聖ちゃんに想いを伝えてたけど、そんな黒岩くんの瞳を見つめているうちに聖ちゃんも自分に嘘をつけなくなってくる。
力無く点滅するあの街灯を
見つめてたその横顔は 優しかった
なんだか少しやるせない気持ちになるけど、美しい表現だなと思う。
そりゃ夜に一緒に見るなら本当は月とか星とかもっと綺麗なもの見たいけど、そんなもの一緒に見る関係性じゃなくて。綺麗だねとか頬寄せ合うことも無くて。横顔をしっかりと認識できるくらい、恋人や友人にしては少し離れた、何でもない距離の所から好きな人を見てるのが伝わってくる……。
その優しい表情を私に向けてくれよ…。近寄りすぎて横顔なんてフレームアウトしたいんだ…。
破れそうに膨らんだ 真っ赤に熟れた果実は
誰かの摘む手を 待ってる
ねぇそれは私だった
気持ちが溢れそうになってて、あとほんの少しの力で破れてしまう。そんな気持ちを果実の瑞々しさと危うさで表している。
破れそうなその薄い皮の奥に詰まってるのは私の場合は世界一ありふれた陳腐な言葉。皆そんなもんであって欲しい。
あなたが溢れていく 抑えた胸の数だけ
ただすれ違った時、目が合った時、名前を呼んでくれた時。他の子と私を別存在として扱ってくれた時。
あまりにもあなたが内からも外からも胸に迫ってきすぎて、思わず何かを抑えてしまう。それはきっと貴方への重たい思い。
あの胸から喉の奥までをぎゅっと絞られるような痛み。
あれは恋だからだよな……。いくら心理学者が心は頭にあるって言ったって私たちは好きな人のことを考えて頭を抑えない。逸る心を抑えて、恋を延命する。
隠せない 「始まり」を
次から次へ 手の平に伝えていくよ
ドラマでも何度も繰り返すシーンがある。
中学聖日記でいうところの、聖ちゃんに不安定な苛立ちをぶつける黒岩くんのシーン。
あれが恋の始まりだったんだ、と自覚する瞬間があるような恋って、あんまりないけどしちゃったらそりゃ何度もそのシーンを巻き戻してしまう。
繋ぐことの無い手の平を温めるように何度も繰り返し手の上にそっと乗せて見つめる。思い出は誰にも盗られないから。
風は冷たいのに 染まった心は赤いままで
あなたに触れたいと思ってしまった
どうして二人出会ったの
毎回ここら辺で泣いちゃうんだよね……。
中学聖日記は何となく春から夏にかけてのシーンが多かったドラマ。なのにあえて冬を思わせるような風の冷たさ。
季節が過ぎたことを示唆してるのか、周りの反応の暗喩なのか。どれであったとしても相手のことを諦めきれない。
好きになった人に触れたい。指輪の付いたその指先に、背中に。
絶対に叶わない恋なら、こんなに大勢の人間がひしめいているのに、どうして二人は出会ったんだろう。
痛くて苦しくて それなら見えないように
どこかへ飛んでいけ そう思うのに
両想いを確信して泳がせている期間が一番楽しいなら、この恋は絶対に未来がないと確信してその事実を見つめざるを得ない時の痛みは何に例えられるんだろう。
あなたと過ごした時間は、あまりにも短くて儚くて幸せだったのに、恐ろしいほどの痛みと苦しみが襲う。わかっている。私があなたを好きにならなかったらただの淡い思い出になっていたはずなのに、無闇矢鱈に手を伸ばしたからだ。自業自得。もういっそどこかへ飛んでいけ、と全てが捨て鉢。なのに。
あなたを探してる 何度も名前を呼んで
やっぱり好きなんだよねぇぇぇ。
ここまでこの歌、一度も好きとは言っておりません。なのに涙が出るほど好きなのが伝わってくる。
気持ちに応えられない立場の相手を思うからこそ、この気持ちを真っ直ぐに言い逃れできないほど純粋に表した言葉は使えないでいる。
姿を見るだけなら、名前を呼ぶだけなら。それだけなら迷惑にならないでしょうか。必死に好きな人の姿を探して、酸欠だけじゃない胸のつかえと共に走っている姿が目に浮かぶ。
内に秘めているのはもう「好き」の二文字だけ。そこに付随する感情が苦しいほど溢れ出している。
空には一つだけ 淡く光る小さな星を 浮かべて
あぁ、好きなんだな、ずっと。
そう思える最後の言葉。
淡いとももう言えないような恋心を、ずっとずっと星のように心に浮かべて、これからも生きていくんだなぁ。
想いを伝えたか、奇跡が起きて一緒の道を歩むことが出来たのか、わからないけれど、好きなんだ。
そんなの、泣いちゃうよuruさん………………。
好きになったらやっぱり全員が報われてよ…………………………。
高校時代から三年くらい引きずり回し続けて片思いから失恋になった恋に現役時代から刺さりまくってるのよ……………………。
嗚呼、全ての叶わない恋をする人へ。
この歌を縁に好きな人との始まり、プロローグを思い出して欲しい。たとえ叶わなくても、ここまで相手のことを思いきれたら悲しいくらい美しいじゃないか。
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