バイクで食べある記 3
離島まで伝わる噂がある。
佐賀のこのお店のカツ丼のことだ。
島内で困るのは飲食店はあれど、メニューが限定されていることで。
例えばブロッコリーやアスパラガスとかトマトとか、旬の時期でないと食べられない。今の端境期ではどの店も置いていない。
塩鮭なんて高級品だ。そのくせスズキやヒラマサが簡単に入手できる。
カツ丼を置いている飲食店の一つが、立ち飲み屋さんにジョブチェンジして。
本当に困っている。
私は料理を趣味にしているが、カツ丼は作らない。そもそも自炊だとカツ揚げてそのまま食べる。もう一工程なんて加えたくない。
佐賀鍋島藩時代より続く名湯が武雄温泉街にある。
ここには藩主が浸かった殿様湯がある。かのシーボルトも訪れたらしい。
この湯には様々な想い出がある。
先日に逢った彼女との想い出も含まれる。経験値は物書きの肥やしとして、無軌道に走っていた時期のことでもう時効になっている・・・と思いたいなあ。
時間配分があるので聖岳という山を登った。
「風花の舞姫」という雪女の話を書き続けて。
こうした廟には並々ならない興味を持つようになった。綺麗に整備された800段を蜘蛛の巣に絡められながら登って参拝をした。
大きな女郎蜘蛛の巣を見つけて、写真を撮る。次のエピソードがその女郎蜘蛛なのでこれも縁だと思った。
下山して武雄の銘店、かみやに向かう。
地元民に愛されているこのお店、恐るべし。
広めの駐車場にどんどん車が入っていく。11時37分には満車で満席で、行列ができている。よかった、後暫く遅れていたらあの中にいたはずだ。
ここのカツ丼は、ご飯に揚げたてのカツを乗せて、卵とじを被せるタイプで、サクサクの歯応えが嬉しい。しかもカツが厚くて敷き詰められている。
決して汁だくではないけど。
好みのカツ丼だったので、再訪して今度は大盛りに挑戦したいと思う。
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