パラパル 感想文
石田拓実という作家がいる。
再び少女漫画を読み始めるきっかけとなった。
世代だろうかなと思うけど、一冊で気になった作家は処女作まで追っていって読み込んでしまう。
ほぼ初期作品ですが、このパラパルは名作だと思う。
脳内にある生物が「寄生」してしまう。
そうなると感覚器のひとつが異常にその能力を高めてしまう。嗅覚であったり聴覚であったり、触覚であったり。
女性が嗅覚と触覚で色々と感知していることを実感する。
そして彼女は逃げない。
集団強姦という厳しい表現からも逃げない。
そしてラストは逃さない。
私の実感として女性作家の作風は、ラストをキチンと決めていてそこへの着地を緻密に進めている気がする。残念ながら男性作家の、しかも人気作は「終わらせない編集」の縛りでどんどんと風呂敷が拡がっていき、収拾のつかないラストを迎えてしまう作品に溢れている気がする。
この作品もラストのカタルシスがある。
寄生獣では破滅的な展開の中の、希望の種を掴むようなラストである。
パラパルでは創造的な展開の中で、華が開く。それが女性作家は母胎性を持つからだと、読後に実感した。
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