最新映画
先日の土曜日の心療内科の診察で色々一週間の調子について話をしたあと、医師が、話変わるけどブルーさん、ジブリの新しい映画観ました?と聞いてきた。
ぼくはあまり、というかほとんど映画を観る習慣がなくて、でもその映画の話題は耳にしていた。前宣伝では内容が全くわからない、ということだけ。
そう話すと医師は、ぜひ観てみるといいよ、たぶん今のブルーさんの境遇とかに合うんじゃないかな、観ながらそう思って。
先生、早いですね、まだ一週間前に公開されたばかりじゃ?
そう、精神科医としてジブリの作品は宗教性とかスピリチュアルな内容のものが多いし、日本人って宗教性がやや乏しいし、ジブリ作品はそこを埋める部分もあると思ってほとんど欠かさず観てますよ。
あ、そういえばもののけ姫とか千と千尋とか、そういう要素盛りだくさんですよね。
ということでその日は帰宅してから岡山駅近くのショッピングモールの映画館の席をネット予約した。
で、
今日観てきたところ、というかさっきビルを出て電車に乗る前にいつものカフェチェーンで気持ちを落ち着かせているところ。
内容はもちろん書かない。
ただ先生の言うとおりだな、とは感じた。
そして医師という仕事の一環だとわかってはいるけれど、その映画とぼくの物語を結びつけて考えてくれたことが嬉しい。
初診が昨年の4月、その時から悪い印象ではないけれど、彼はどちらかというとクールな印象で、それは最近まで続いていたのだけど、この数回、やっと少しずつ打ち解けてきた感じがしてきていたところだ。
そうやって、ぼくのことを
もちろん彼もそれが職業だから、患者の治療が役目であり、クリニックの経営でもあり、自分とスタッフの生活にも関わっているわけで、
とは思うのだけど、
やっぱりぼくのことを考えてくれていたのが純粋に嬉しい。
少なくともぼくの精神状態そのものが医師の利益になるのではない。
ぼくがどんなに落ちこぼれようとも、それはぼくだけのことだから。ぼくがどんなに落ちこぼれようとも納期が遅れるとかではないから。
そう思うことにする。
観てよかったと今は思う。
ゆっくり日暮れの景色を眺めながら帰ろうと思う。
なぜだか、三年半前、小さな箱に入ってしまった母を膝に抱えてマイクロバスの窓から眺めた夕陽を思い出す。
涙の意味なんてあれこれ決めつけなくてもいいと思えるくらいにはこの一年で成長したと思う。
ありがとうございます。そう言える相手がいることが嬉しい。
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