マイルス・コルトレーン・ロリンズ・ゲッツと「フォア」
流麗で疾走感あふれる「フォア(FOUR)」はマイルス・デイヴィスのオリジナルナンバーです。
🔵初録音は?
最初の録音は1954年3月にマイルス・デイヴィスのアルバム『ブルー・ヘイズ』(プレスティッジ)に収録されます。不安定な合奏でテーマが始まり曲の終わりに向かって調子を上げていきます。
後年のライブ録音アルバム『フォア・アンド・モア』(コロンビア)では、トニー・ウィリアムスのドラムが設定する高速シンバルに合わせてマイルスは音数のおおいソロを吹きます。切り裂くような演奏です。
🔵「フォア」はサックスによく合う?
ジョン・コルトレーン (テナー・サックス)はマイルスとともに「フォア」の録音を残しています。マラソン・セッションのアルバム『ワーキン』(プレスティッジ)で演奏します。
コルトレーンはきれいな音で細工なく素直にテナー・サックスを吹きます。誰が聴いてもシンプルに人のこころに響くサウンドです。
スタン・ゲッツ(テナー・サックス)も「フォア」を録音しています。アルバム『ウェスト・コースト・ジャズ』(MGN)です。
あらゆる技で聴く人を興奮へと導き「そこだ」というところで、また違うアプローチを選んで高揚感をつくります。爆発させずに寸止めし演奏が終わると、もう一度聴きたいという思いを誘うサウンドです。
ソニー・ロリンズ(テナー・サックス)にも「フォア」があります。動画で見ることができます。「フォア」と動画検索して聴くと「フォア」だとわかります。ライブ会場であれば演奏が始まったが何の曲だかわからない。演奏を通して曲が聴こえてくる楽しさがある。ロリンズは自由自在なサウンドです。
ジャズの巨人に限らず『フォア・アンド・モア』のマイルスのソロ演奏後、ジョージ・コールマン(テナー・サックス)の演奏も唸ります。
🔵おわりに
「フォア」はマイルスの手を離れても名曲で、オープニングのドラミングやリズムを定めるライドシンバルのカツカツ音はドラマー腕の見せどころ、テナー・サックスの演奏に良く合う一曲です。