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『こころ』から血の巡りまで・五臓の中心『心』について〜中医学的五臓〜①〜

※今回は一人でも多くの方に中医学の素晴らしさを知ってほしいという熱くほとばしる思いから無料記事となっっております。

どうも!

中医学の基礎を学び始めた時に講師の先生から

カラダの潤いが不足して血液の流れが悪くなった状態『陰虚瘀血』の例えで

『作ったばかりのカレーはサラサラしているけど3日目のカレーはドロっとするよね。陰虚はああいう感じですね。』と言われて

それ以来、陰虚=カレー3日目

と認知しています。

さわたや薬房の早川です。

#でも3日目ぐらいも美味しいよね

中医学って四文字熟語のような言葉がたくさん出てくるので最初は多くの方が『??』

ッとなると思います。そんな難しいイメージがある中医学をできるだけ簡単にお伝えすることってとても大切なことだと思っています。

一般的には『知識を知恵に変える』なんて風に言われますが、そんな大それたことでなくても、漢方相談に来てくださった方にご自分のカラダが今どんな感じなのか?漢方的な概念だけで説明してもなかなか伝わりません。

なので、先程のカレーのたとえ話のように、わかりやすく説明することで、じゃあい、煮詰まったカレーのような状態であれば、カラダに必要な事って何?というイメージも湧きますし、養生をするにしても『なぜ必要なのか?』ということがイメージできている状態だと続けやすいと思います。

学校の勉強でもこのあたりが大切なんでしょうね。

僕は中高生の頃、早々に理系の科目に関しては受験以外なぜこんなことを勉强しないといけないのか?ということがわからなかったのでほとんどやる気も起きなかったし、面白さがわかりませんでした。

今だと生物で動植物の仕組みを知ることは僕らが生活する上でどんなことに注意したら良いのか?環境を守っていく上で大切なことは何か?などを考える時に生物の基礎知識があるとすごく応用が効くと思いますし

数学などは様々な場面で数学の考え方が活かせると経営で数字のことを考える時に効率的にできたり、生きていく上で大切な時間やお金の管理が段違いにやりやすくなると思います。

歴史などはもともと好きで得意な科目でしたが、歴史は時代や自分物について学ぶことで、その時代全体のストーリー、歴史上の自分物のストーリーを学ぶことは物語を読むような感覚で勉強できますし、歴史を学ぶことで

『あ、だから後にこういう事が起きたんだ!』という風に人類が行ってきた失敗や成功を学ぶことで今の生活に活かせることがたくさんあると思います。

今回は中医学が持っている素晴らしい養生の知恵を少しでも理解していただき、中医学的な養生の楽しさを知っていただきたいと思い、中医学の基礎である『五臓』について改めて取り上げて見たいと思います。

今回は

『こころ』から血の巡りまで・五臓の中心『心』について〜中医学的五臓〜①〜

というテーマでお届けいたします。

☆中医学の五臓とは?

今回は知っていてほしい中医学の基礎ということで漢方、中医学の基礎となる概念である『五臓』というものについて取り上げてみたいと思います。

中医学で言うところの五臓とは

肝 心 脾 肺 腎

この5つのことを指します。すべて今の生理学的な、西洋医学的な臓器の役割も含んでいますが、それぞれの臓の機能に関わっているもの全てを指していますので『肝』であればイコールで肝臓というわけではありません。

まずはそこをご理解いただくことが大切です。

そうでないと

『え、心臓にそんな働きないでしょ?』という風に話が前に進みません。

簡単に言うと中医学の五臓とは西洋医学的な臓器の働きよりももっと多くの意味を含んでいると考えてください。

五臓はそれぞれに繋がりがあり、お互いの助け合ったり、抑制し合ったりしてカラダのバランスを保ってくれています。

そのあたりの仕組みまでお伝えすると長くなってしまうので、また別の機会におこなったり、僕のオンライン漢方的養生セミナーなどでお話できればと思います。

今回は五臓の働きをそれぞれご紹介していきます。

☆その1〜『心』の働きとは?

心臓の『心』です。

中医学では

『心は神をつかさどる。心は血脈をつかさどる。心は舌に開竅し、その華は面にあり、汗をつかさどる』

とあります。

ナンノコッチャ、ですよね。

神とか血脈とか舌とか面とか、宗教?スピリチュアル?怪しい?

そんなイメージを持つ方がいてもおかしくないと思いますが決してそっち系ではありません。

中医学では心とは全身の血の巡りをコントロールして、血液循環を制御する場所だと考えます。

心の状態は舌や血の流れの状態や脈に現れると考えます。

☆心には神様がいる??

心は『こころ』とも読むので昔の人も『心』が弱ると『こころ』も弱ると考えました。

心臓は人間にとってもっとも大切な臓器です。そこがしっかり働くために全てがあると言っても過言ではありません。他の臓器と違い、心臓が動きを止めた時が人間の死となります。

それぐらい重要な場所です。

また、心は神(しん)をつかさどる、と言われており、この『神』は神様ではなく『精神』などの神です。

中医学では神は心臓が送り届ける血液によって栄養されて働くを考えられているので、カラダの血の巡りが悪くなると『こころ』のバランスも乱れると考えます。

なので、心の弱りのサインで、不安や不眠などの心の症状が出ると考えるのです。

☆女性独特のメンタル不調は心の血液不足??

月経前や妊娠中、産後など、女性の方が血液がたくさん必要な時期に、もともと貧血気味だったり、血の不足がある方には月経前症候群からのメンタル不調、妊娠中ならマタニティブルー、産後なら産後鬱などが起きてしまうのは中医学では血の不足で『心』がしっかり働かないと考えて、血を補う漢方薬などをこのような症状に使ったりします。

◆はみ出しコラム〜陰陽五行説とは

『心の液は汗・・・・』こんな言葉がこれから出てくると??という方も多いと思うので、ここでちょっとご説明

これから『心は季節は夏、液体は汗、舌や面、味は苦味』など色々と五臓と〇〇がつながっている、という話が出てきますが、これは陰陽五行説という五臓と自然界にある物を五臓に分けて考える中医学の基礎の考えです。

心は味は苦味、季節は夏、感情は喜び、自然界では火

肝は味は酸味、季節は春、感情は怒り、自然界では木、など自然界やカラダの様々な働きとをつなげて考える理論なので、あまり難しく考えずに、最初のうちは

『まぁ、そういうものなんなんだぁ』

という感じでイメージしておいたほうが入りやすいと思います。

☆心は季節は夏・液体は汗

心は季節では夏にあたります。夏は汗をたくさんかきます。汗はもともと血液なので夏に汗をかきすぎると血液がどろどろして(冒頭の煮込んだカレーのような状態)流れにくくなったり、体力も低下して心機能が低下したりします。

また、心の液は『汗』と言われています。

このような潤いや体力消耗で元気がなくなった状態を中医学では『気陰両虚』といい、簡単に言うと

『元気と潤いが両方少なくなってカラダがちゃんと維持できない状態』

と言えます。このような時は元気を補う米や芋など気を補う食材と、水分はもちろんですが、カラダの潤いとなる甘酸っぱいもの、ミネラル豊富な海の物などをしっかり摂ることを薬膳ではすすめています。

夏に汗をかきすぎてミネラル不足になることとつながっていますね。

気陰両虚の場合は生脈散などと言われる漢方薬をよく使います。

☆心と舌・心と面(顔)

そして中医学では心は舌、そして面、面とは顔のことをイメージしてもらえたらわかりやすいとおもいますが、その面とつながっていると考えます。

舌は中医学では『舌診』と言って体調を見る際に非常に重要なポイントの一つです。舌は色を見たら分かる通り、血液の状態が非常にわかりやすいところで、舌の状態を見ると血脈の状態、血の巡りが良いどうかの判断の目安となると中医学では考えます。

また、心が弱ると舌の働きが正常に機能しないのでろれつが回らない、言葉がはっきり出ないなどの症状も出ると中医学では考えます。

☆五志は『喜』

心と繋がり深い精神活動は『喜』です。喜ぶ、なのでいいじゃないか!という方もいらっしゃるでしょう。その通りで心とカラダを生き生きさせるのに『喜び』の感情は非常に重要です。

しかし、心の機能が低下すると笑いがとまらなかったり、心(こころ)の状態が不安定になると『薄ら笑い』や気がおかしくなってしまったような笑い方をするなどコントロールが上手くいかなくなります。

(あまりにもショックなことがあると笑ってしまったり、気がおかしくなった人がヘラヘラ笑いだしたりするのをイメージすると心と喜びの感情のつながりがイメージできると思います)

また、心が弱っていると喜びの感情が出にくくなり、悲しみやすくなります。

今回は五臓の中の一つ『心』についてお伝えしました。

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☆漢方相談・健康相談のお申込みは『漢方専科・さわたや薬房』HPより



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