見出し画像

誰もが通る道『更年期』を快適に過ごすには?①

今回からはシリーズで女性の方が誰もが通る道『更年期』について取り上げたいと思います。

どんな不調でも同じですが

どんな仕組みでその病気や不調が起こるのか?

それを知っておくことが僕はとっても大切だと思っています。

『なるほど、だからこういう症状がでるんだ』

と原因がわかれば治すための道筋

僕はよく

『治すためのストーリー』

と相談に来てくださる患者さんには伝えるようにしていますが

『こうしていけば治るんだな、こうすれば楽になるんだな』

という道筋があると気分的にも楽になりますよね。

そのためには、ちょっと回りくどいかもしれませんが、まずは

『更年期ってこんな時期、状態なんだよ』

ということをまずはお伝えしてから

漢方的な更年期障害の予防&対策法や体の仕組み、生理学的な見方からの更年期障害の予防法や対処法についてお届けしていきたいと思います。

☆これからの方も・経験者の方も・知っておきたい更年期の仕組み

更年期障害は男性にも、女性にもおこる不調ですが

今回は女性の更年期にスポットを当ててその症状がおこる仕組み、対策をお伝えしたいと思います。

なかには

「私はもう更年期は通り過ぎたから関係ない」

とお考えの方もいらっしゃるかもしれませんが、そんな方にもぜひご覧いただきたい内容になっていると思います。

なぜなら更年期の仕組みを知るということは、女性のカラダの仕組みを知ることとに繋がります。

いつまでも生き生きと元気に美しく過ごすためにもぜひ更年期について知っていただけたらと思います。

☆女性は7の倍数で変化する

僕が専門の漢方、中医学の世界では

【女性は7の倍数】

の年齢でカラダに変化が起こると考えられています。

これは西暦1年に書かれたと言われている中国最古の医学書

「黄帝内経(素問ー上古天真論)」

にかかれている内容です。

(以下、黄帝内経素問上古天真論より)

岐伯曰く、女子七歳、腎氣盛にて齒生え替わり髮のびる(7歳で乳歯から永久歯に生え変わる)

二七(14歳)天癸に至りて、任脈が通り、太衝脈が盛んにし、月の事に以って時に下し故に子有りせる。
(14歳で月経が始まる)

三七(21歳)、腎氣平均し、故に真牙(親知らず)が生え成長極る。
(21歳で親知らずが生えて心身が整う)

四七(28歳), 筋骨堅く、髮長く極まりて、身體(=体)盛んにして充実す。
(28歳で腎精のピークで筋骨や髪が豊かになる)

五七(35歳)、陽明脈衰えて、顔やつれ始め、髮墮ち始める。
(35歳で髪が抜け始める)

六七(42歳)、三陽の脈衰えて上に於いて、顔皆やつれ、白髪が始まる。
(42歳でシワ、白髪が増えてくる)

七七(49歳)、任脈虚して、太衝脈衰えて少なくし、天癸つきて、地(血/形質)の道通わずして、故に形壊れて子うめ無くす也。
(49歳で閉経を迎える)

漢方の世界ではこのように言われております。

現在でもあながち外れていないですよね。

そもそも漢方の様々な理論は今で言うところの統計学に近いものがあるんじゃないかと思います。

様々な漢方理論や、生薬に関する効能などは中国全土の様々な症例を昔の人が集めて考えた理論でもあるので、あながち適当でもありません。

この『女性が7の倍数で成長し衰えていく』

というのも統計学的にきっとそれぐらいでカラダが変化することが多かったのでしょう。
いまだに女性の身体の変化は7の倍数、と言われる所以です。

☆更年期障害の定義とは?

さて「更年期」とよく耳にしますが、更年期とは一体女性のカラダがどうなっている状態を指すのでしょうか?

国際産婦人科連盟の定義では

「更年期とは性的熟成状態から、卵巣機能が完全に消失するまでの期間」
とされています。

具体的には正常な月経周期が乱れ始め、閉経を挟んでその後数年たってから卵巣からエストロゲン(卵胞ホルモン)が分泌されなくなるまでの時期のことを言い、45歳以上の女性で1年間以上月経を認めなければ閉経と判断をします。

また、40歳未満での閉経は早発閉経と言われますが、裏返すと40歳以降であれば閉経してもおかしくない、ある意味自然なこととも言えます。

☆更年期障害が起こる理由とは?

それではここからは更年期がおこる理由をもう少し詳しく見ていきたいと思います。

エストロゲンは卵巣で作られますが、その量は脳が視床下部の性ホルモン中枢というところで管理されています。

エストロゲンが足りなくなると、視床下部から女性ホルモンを作る司令が出て、それを受けて卵巣はエストロゲンを作り、血液中に分泌します。

逆に血液中のエストロゲンの量が多くなりすぎると、視床下部からの司令が止まります。

更年期になり、卵巣の機能が低下してくると、視床下部がいくら指令をだしても十分なエストロゲンを作ることができませんので、視床下部は

『早く出せ〜!』『もっとだせ〜!』

っと興奮し続けることになります。

これがある程度で

『あ、もうエストロゲンはあまり出ないんだね』

と脳が理解してくれると良いのですが、その時の体調

ストレス疲労や肉体疲労

自律神経の乱れ

ホルモンバランスの乱れ

などが普段からある方はなかなかこの興奮が収まらず更年期障害となってしまいます。

エストロゲンが出ないことで興奮する視床下部には自律神経の中枢があり、性ホルモン中枢の興奮が自律神経にも影響しバランスが崩れてしまうので、様々な症状が起こるのです。

これが簡単に説明すると更年期障害が起こる理由です。

今回は漢方っぽい話は出てきませんでしたが、次回はもう少し漢方っぽい内容になるかもしれませんのでお楽しみに。

次回も更年期についてお届けいたします。

☆漢方相談の申込み&Podcast番組『コータの漢方RADIO』・Twitter&Instagram・漢方専科さわたや薬房HP・講演、執筆、番組出演依頼などお仕事の依頼もこちらから


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?