ウクライナ問題理解のための必読記事: ノーム・チョムスキーとジェレミー・スケイヒルとの対話(The Intercept 2022/4/15)

題: ウクライナ問題理解のための必読記事: ノーム・チョムスキーとジェレミー・スケイヒルとの対話(The Intercept 2022/4/15)
  ☆本稿は note に掲載⇒ https://note.com/sawataishi/n/n043fb2cac95d

私は The Intercept というネットジャーナルを信頼してます。これは2022/4/15に掲載された貴重な記事です。4/17頃に読みまして、《米国こそこの地球で最大・最悪のならず者国》だとの認識を再確認しました。このようにな認識に関しては、The Intercept を読んでいたり、Edward Snowden/ジュリアン・アサンジ/オリバー・ストーンなどのアメリカ国の国家についての彼らの当たり前の評価に親しんでいる私のような者からすると、当たり前のことですが、大多数の人々にとっては目から鱗が取れるような``発見''になると思います。
 もちろん、この対談記事において、アメリカこそ世界最悪・最大のならずもの国だということの論証が最重要点ではなく、ウクライナ・ロシア両国民の死傷者増加と両国のインフラ破壊進行を一日でも早く停止させるための知恵・提案・方策こそが読むに価するのであります。
 プーチン政権(千年余りにわたる国民奴隷化国家)の悪を認識つつも、アメリカの悪はそれほどではないと思っている方には特におすすめであります。

■2022/4/15 The Intercept の記事 AND 長周新聞による翻訳
題: NOAM CHOMSKY AND JEREMY SCAHILL ON THE RUSSIA-UKRAINE WAR, THE MEDIA, PROPAGANDA, AND ACCOUNTABILITY
Noam Chomsky spoke with The Intercept’s Jeremy Scahill in a wide-ranging discussion on Russia’s invasion of Ukraine.
Jeremy ScahillJeremy Scahill April 15 2022, 6:16 a.m.
⇒ https://theintercept.com/2022/04/14/russia-ukraine-noam-chomsky-jeremy-scahill/
 ↑は動画とその文字起こしです。私は未だに英語が聴き取れないです。
なんと長周新聞の翻訳がその後に掲載(日本語訳が出たので本日メールしてます)
⇒ https://www.chosyu-journal.jp/kokusai/23459
 ※ちなみに、長周新聞には4/29と5/2の二回に分割して掲載。ネットには5/4掲載

以下、長周新聞より
▼前文
"アメリカのオンライン雑誌『The Intercept』(インターセプト)は4月15日、同紙の編集者であるジェレミー・スケイヒル氏が、ウクライナ問題をめぐってマサチューセッツ工科大学の名誉教授で世界的な哲学者でもあるノーム・チョムスキー氏におこなったインタビュービデオを公開した。このインタビューでは、ウクライナ危機に対して交渉による事態の沈静化を図るのではなく、武器供与をはじめ攻撃的な言動で対立を煽り続けて戦闘を長期化させてきた米バイデン政府の姿を浮き彫りにするとともに、戦争終結のための最善策についても言及している。
 さらに両者は論議のなかで、アメリカをはじめ欧州など西側の情報を流布しプロパガンダに加担するメディアの欺瞞性についても鋭く切り込んでいる。そして、これまでにアメリカが公然とおこなってきた数々の戦争犯罪について暴きながら、現在対ロ政策をめぐっても国際的な支持が乏しく孤立している現状を映し出している。インタビューをおこなったスケイヒル氏は、インターセプトの編集者。同氏は“殺しのライセンス”を持つアメリカの“影の軍隊”と呼ばれる傭兵企業の実態に迫る『ブラックウォーター 世界最強の傭兵企業』の著者であり、さらに米国政府が戦闘を続ける理由と米軍による戦闘活動の実態を追ったドキュメンタリー『ダーティー・ウォー』でプロデューサーを務めている。今回のインタビューは、スケイヒル氏がウクライナ問題をめぐって米国内外で起きている問題について提起・質問し、チョムスキー氏が詳しく応えていく形で約1時間にわたって進行していく。インタビューの内容を紹介する。"

以下、日本語訳より重要なところいくつか引用(⇒のところは私の所感)
▼ウクライナ侵略について
 "チョムスキー教授は、これは国家がおこなった侵略行為であり、2003年のアメリカのイラク侵攻や1939年のソ連とナチスドイツの両方によるポーランド侵攻と並んで歴史に刻まれると指摘している"
⇒ 普通の人から見て、1)明々白々な侵略戦争 であるのみではなく、2)残虐行為[被侵略国民の死傷とインフラ破壊]の程度がすさまじく、3)攻撃開始の口実に正当性が完全に欠如している。この3点を満たす侵略戦争は20世紀以後にこの3つが代表であろう。(ベトナム戦争とアフガン戦争もこれら3つに近いが、それら3つよりは少しマシか?)

▼ウクライナ戦争の終結には二つのケースしかないという単純明白なこと
"ウクライナの厳しい運命と、さらなる破壊から救うために、何をするのが最善なのか。それはまさに、交渉による解決に向かうことだ。ほぼ議論の余地のない、単純な事実がある。それは、この戦争が終わるには二つのケースしかないということだ。
 一つは、基本的にどちらか一方が破壊される場合だ。この場合、ロシアが破壊されることはないだろう。つまり、ウクライナが破壊される場合だ。もう一つのケースは、何らかの交渉による解決だ。第三のケースがあるとしても、まだ誰もそれを見つけ出してはいない。だから、私たちが今後すべきことを整理するなら、あなたがおっしゃったようなことすべてをつぎ込むことだ。"

⇒ 欧米と日本のマスコミやそれら諸国民の圧倒的多数派は悪逆非道のロシアとの交渉は否定してます。論外だと思います。軍事的解決しか考えて無い。つまり、ウクライナ軍がロシア軍を国境外に追い出すという「解決」だけを求めている。ウクライナとロシアの人口・兵力を比較すると、そのような「解決」となる公算は極めて小さいわけです、どれほど西側が武器援助しても兵隊の数が圧倒的に足りないから。公算が小さいとは言え、そうなることはありえましょうが、それまでの両国民の死傷者とインフラ破壊は交渉による解決と比較すると遙かに莫大になることは自明でしょう。念のために言えば、経済制裁が停戦とその後の戦争終結をもたらす公算はほとんどゼロだと思います。ロシアは経済制裁にはもともと強い免疫を持ってますから。ロシアからの天然ガスや石油の輸入禁止で苦しむ程度は西側がはるかに大きいことも自明。交渉による停戦こそ日本/中国/インド/イスラエル/トルコ/ブラジル等が追求すべきことだと考えます。

▼アメリカ国の交渉による解決拒否政策
"アメリカの方針とは、「いかなる形の交渉も拒否する」ということだ。少し前に遡るが、この明確な方針は、2021年9月1日の共同方針声明で決定的な形となり、その後11月10日の合意憲章でくり返され、強化された。その内容を見ると、「基本的に(ロシアとは)交渉はしない」と書いてある。そして、「NATO加盟のための強化プログラム」と呼ばれるものに移行するようウクライナに要求している。これは、バイデンによる侵略の予告の前だが、ウクライナに交渉の余地をなくすことだった。つまりウクライナへの最新兵器の供与の増加、軍事訓練の強化、合同軍事演習、国境配備の武器の供与を指している。
 断言はできないが、このアメリカ政府の強硬な発言が、プーチンとその周辺への警告から、直接の侵攻へと導く要因になった可能性があると思う。しかし、バイデンのアメリカがその方針を貫く限り、チャス・フリーマン元サウジアラビア大使の言葉を借りれば、「最後の一人になるまで、ウクライナ人は戦え」といっているのと基本的には同じだ。"

⇒NATO諸国の交渉拒否/経済制裁エスカレーション/武器援助拡大の方針は、ウクライナ国民・軍が戦闘でロシア軍を追い出すしか解決はないので玉砕覚悟で闘えと強要していることに等しいと私も思います。普通の戦争では現地司令官には局所で条件付きで降伏する権限が与えられてますが、ウクライナ政府は既に軍事的には敗北しているマリウポリにおける降伏は選択肢にないと堂々と宣言しており、その宣言は撤回されてません。旧日本軍のごとき玉砕を自国の軍隊に強要しているのであり、ウクライナ政府そのものがこの点では野蛮です。しかも、ウクライナ大統領は「製鉄所の地下に籠もった軍をロシアが殲滅したらば、交渉は中止する」と信じがたいことを堂々と公言し、撤回してません。一国の指導者として正気を疑います。ゼレンスキー大統領のこのような姿勢は米国が断固として維持している「交渉による解決は許さない」方針からきていると考えられます。ゼレンスキー大統領は経済制裁と軍事援助のエスカレーションが今後も続いくことが確実で、必ずや the Point of No Return に至ると確信しているかもしれません。後戻りできない点とは、すなわちNATOの直接軍事介入であり、ウクライナ・NATO連合軍対ロシアの宣戦布告ありあるいは宣戦布告無しの戦争です。国連憲章は集団的自衛権を認めてますが、ウクライナとNATOには軍事同盟がないので、NATOが参戦するとは国連憲章に明白に違反しますが、米国は国連憲章違反の侵略戦争を幾度もしてきたので、違反事態はなんとも思わないでしょう。ただし、米国とその他のNATO諸国は、参戦する意図は最初からなく、エスカレーションして賛成しないと格好がつかなくなっても、参戦はしないでしょう。ただしのただし、ロシアがNATO諸国が武器送るルートをこれまでとは比較にならない程に広範囲で攻撃するようになることは確実だと思います。その範囲が、例えばポーランド国内の軍事基地に広がった時点で別の種類の the Point of No Return 超えとなります。そうなった時、NATOは武器を送ることを停止するか、正式に参戦するのか、あるいは決断しないままなりゆきに任せるかの三択を強いられます。武器援助停止はありえないでしょう。おそらく、宣戦布告はしないまま、ウクライナ領空に関しては NATO がイラクに対してしたようにロシア空軍の飛行禁止区域とするでしょう。これは明確な戦争行為ですが、直ちにロシアは宣戦布告しないかも知れませんが、エスカレーションは不可避なので、結局は全面戦争に突入するでしょう。もちろん、アメリカとNATO諸国は全面戦争する意図は最初からなく、それは避けるつもりでしょうが、狂騒にかられているマスコミとNATO諸国民の感情が諸国政府の「戦争参加」を求めるため、破局的な全面戦争となる危険は極めて大きいと思います。
⇒ 2022/5/2の長周新聞に《憂慮する日本の歴史家の会》による『再論: ウクライナ戦争を一日でも早くとめるために - 憂慮する歴史家があらためて訴える』と題するシンポジウム(2022/4/29に開催)について掲載されました。これはまだネットに公開されてません。
⇒羽場久美子青山学院大学名誉教授の講演より引用します。初めて知ったことでした
"2008年4月、ブカレストサミット(NATO首脳会議)宣言で、ウクライナ、ジョージアへの拡大が承認"!! 14年前に既にウクライナのNATO加盟は承認されてたのでした。長周新聞の記事おける羽場先生の講演内容については、ネットに掲載された後に別途、私なりにコメント加えつつ、紹介することとします。お待ちください。

▼バイデン大統領がプーチンを戦争犯罪人だと非難したことの馬鹿らしさ
"2002年にジョージ・W・ブッシュ(息子)は、後に「ハーグ侵攻法」として知られるようになった超党派の法案に署名した。ちなみに、誰でもオンラインでその法案を読むことができる。そしてこれは未だアメリカ合衆国の国内法だ。
 しかし、その法律の条項の一つにはこう書かれている。「米軍は、戦争犯罪の容疑、あるいは戦争犯罪の捜査のために国際刑事裁判所のあるオランダのハーグに連行された米軍兵士を解放する目的として、オランダで軍事行動をとることが許可される」。そのため、多くの活動家や市民的自由主義者は「ハーグ侵攻法」と呼んでいる。しかしおかしなことに、バイデンはプーチンは戦争犯罪人であると公言し、戦争犯罪裁判を要求している。これは明らかに矛盾した発言だ。アメリカは、ユーゴスラビアやルワンダを被告とした国際刑事裁判だけは支持したが、実はロシアと同様、アメリカは国際刑事裁判所の設立に関する条約の批准をいまだに「拒否」している。"

⇒アメリカが国際刑事裁判所(ICC)に関係する条約を批准してないことは、二十年前から幾度か報道されており、私ですら知ってました。このことについて、ウクライナ侵略後に欧米や日本のマスコミに書かれたことを知りません。米国軍人がハーグのICCに連行されたら、米国軍が解放のために軍事行動できるとの米国議会が可決し大統領が署名した法律の存在は二週間前に知りまして、やっぱりと思ったものです。
⇒言うまでも無いことですが、ベトナム戦争、イラク戦争、アフガニスタン戦争にて米軍が民間人を意図的に殺害したケースは例外であり、敵軍への攻撃で副次的被害 collateral damege が民間人に生じたことはあり極めて希に米軍は認めてきました。米国の悪辣なことは、民間人殺傷の事実そのものを認めることが極めて希であり、認めた場合でも謝罪はしないし、補償もしないこと。西側のマスコミが米国軍が無人機で結婚式参集の人々を誤爆したことを報道したことがありました。死傷者は数十人。普通は米国政府に忖度して、報道しないのですが、そんな報道が希にはあるのです。こんなめったにないケースでは米軍は事実を認め謝罪はしました。補償したのかは知りません。謝罪や補償の有無にかかわらず、米軍による民間人殺傷に関しては、ジュネーブ諸条約を米国は批准しているので、米国軍人による戦争犯罪であることは明白。しかし、米国の軍人が戦争犯罪で裁かれた事例を私は知りません。

▼アメリカは国際法(条約)を批准するとしても、アメリカには適用されないと留保条件をつけるのが通常
"アメリカが何らかの条約を批准する場合、ほとんど「アメリカを除外する」という留保をつけている。
 実はアメリカは、「ジェノサイド条約」に対しても同じ態度をとった。アメリカは条約が採択されてから約40年後にようやく批准したが、この時も「アメリカには適用されない」という留保を付けた。つまり、なんと今も「アメリカだけは、大量殺戮をおこなう権利がある」ということだ。しかしその状態で国際裁判になり、問題になったことがある。ユーゴスラビア法廷だったか世界法廷だったか、セルビアへ大規模空爆をおこなったことは戦争犯罪であるとして、ユーゴスラビアがNATOを告発したことがあった。NATO列強は、裁判所が開廷に踏み切ることに合意したが、アメリカは拒否した。結局のところ、アメリカはこの自己免責留保を主張し「ジェノサイド」の罪から「免責」されたのだ。つまり、裁判所はアメリカの主張を受け入れざるを得なかった。「国家は裁判所の裁判権を受け入れた場合に限って、裁判の対象となる」という論理だった。
 これが「アメリカ」という国なのだ。アメリカだけは、例外的な特権を持ち続けることができる。実はアメリカこそが「ならず者国家」なのだ。しかも、巨大な規模の「世界一のならず者国家」であり、誰もその足元にも及ばないのだ。それなのに、他人の戦争犯罪裁判は平気で要求することができる。有名なコラムニストでさえ「戦争犯罪人をどう扱えばいいのだろう?」などという呆れたコラムを掲載することができる。世界でもより文明的とみなされる一部の人間が、この手のすべての出来事への反応を見るのは、実に興味深いことだ。でも、アメリカ一般世論の基本的な反応はこうだ。「これが何か悪いとでもいうのか?」「いまさら、何を騒ぐ必要があるんだ?」。"
⇒↑については解説不要なのでコメントしません。

▼明瞭な事実: アメリカは中南米の残虐な軍事独裁政権が米国企業の利益増進に協力し、米国の言う通りするならば、喜んで支援。自由と民主主義とか法の支配が実施されているか否かは関係なく、米国企業と米政府の命令に従うなら支援してきた。

"ちなみに中国の脅威とは何か? 実は「非常に残忍で手強い中国政府」ではない。アメリカは、そんなことなど気にしていない。それくらいのことなら、簡単に対処できてしまうからだ。中国の脅威については、オーストラリアの政治家で有名な国際政治家かつ元首相のポール・キーティングによる興味深い記事がある。彼は中国の脅威のさまざまな要素を検討し、最終的に「中国の脅威は、中国が存在していることにある」と結論づけている。私は彼は正しいと思っている。中国が存在すれば、アメリカの命令には従わない。しかしそれは許されないことだ、と考えているのだ。でももし従わなければ、困ったことになるぞ、といっている。実はヨーロッパもアメリカのキューバやイランに対する制裁を軽蔑し、強く反対しているのだが、ゴッドファーザーのつま先を踏んではいけないという理由から、米国の制裁を黙認しているのだ。
 しかし、中国は違う。中国はかつて国務省がアメリカの政策に対して「成功した反抗」と呼んだことに従事している。これは1960年代のことで、アメリカ国務省がなぜキューバを虐げ、核戦争になりそうなテロ戦争をおこない、非常に破壊的な制裁を課し、60年経っても全世界から敵視されるのかを説明していた時のことだ。国連総会での投票を振り返ると184対2。この2票は、米国とイスラエルだ。"

⇒私は中国共産党は人類の敵だと見做してます。中国は日本国にとって軍事的脅威では全くないことももちろん認識してます。同党による香港/ウイグル/チベットなどの民衆・文化抑圧・迫害について、日本国民の1人1人が非難し、日本国中央政府もそうする必要がありますが、日本が軍事費を2倍にしたり、核武装しても中華人民共和国による野蛮行為をいささかも抑止する効果無しは当たり前。中国とは日本による過去の罪について永久に謝罪しつつ、経済的な結びつき維持しつつ、いろいろな場面で中国に忠告・助言するにとどめるしかないと考えます。他国政府に規範を押しつけることは不可能であり、模範を示すことで他国政府が「これまでの弾圧政策よりも融和的な方法がよいかも。他国のやりかたを観察してそう思う。やってみようか」となるかも知れないのです。「米国は規範を押しつけるような政策をしてはならない。そんなことは無効だ。米国は諸国民に模範を示せ。規範ではなく模範こそ、諸国民・政府に影響力がある」というような言葉は私が大尊敬するケナンによるものです。

▼プーチンはアメリカに素晴らしい贈り物をしたということ
"プーチンは今回、アメリカにとびきりの贈り物を差し出した。ウクライナでの戦争は犯罪であるだけでなく、プーチンの視点から見れば、まったくもって愚かなことだった。彼はアメリカに願ってもない贈り物をした。欧州を金の皿に載せて、アメリカに差し出したのだ。冷戦の全期間を通じて、国際情勢における最大の問題のひとつは、ヨーロッパが国際情勢において独立した勢力になるかどうか、いわゆる第三勢力になるかどうかだった。おそらくド・ゴールや、ソ連崩壊時のゴルバチョフがまとめた線に沿って、軍事同盟のない「ヨーロッパ共通の家」や、ヨーロッパとロシア間の協力、経済的にも平和な世界を創り出せるかどうか、などが考えられただろう。"
⇒ バイデン大統領はロシアによる侵略を幾度も幾度も警告しました。侵略をさせないための交渉を全く拒否しつつ。米国政府はロシアの侵略戦争開始を望んでいたと私は確信してます。米国連邦政府のそのような「希望」が事実として存在していたことを証拠により確証することが今の時点ではできませんが、客観的にみてプーチンの侵略は、米国の政治指導層及び軍産複合体にとって大いなる利益になっている(となる)ことは明らかです。

  1. ウクライナ and/or ロシアからの小麦/石油/天然ガス/レアアース/カリウムなどの天然資源輸出が激減することで、米国は小麦/石油/天然ガス等をこれまでより高額で輸出することとなり企業・国民は莫大な利益を得ます。

  2. 米国はNATO諸国にGDPの2%くらいに軍事費増大を求めてきましたが、今回の事態をうけてそうすると宣言した国がなんと多いことか。米国の軍需産業の儲けが飛躍的に拡大します

  3. これが最も重大な米国の利益増進: もともと、米国以外のNATO諸国/EU諸国は米国の僕という意識はなく、それら諸国は米国とは独立した欧州勢力として独自の路線を追求する姿勢を有してました。しかし、今回の悪逆非道なロシアに直面して、米国こそご主人であり、それら諸国は従僕でしかたないとの姿勢に決定的に転換してきてます。米国の軍事力・経済力による支援なしでは、ロシアから侵略されるかもしれない、当面は米国による政治的支配を容認するしかないとみなしてきている。プーチンは米国・米国の軍産複合体に巨大な貴重やプレゼントをしてしまったと言えます。もちろん、プーチンは頭脳優秀で冷徹な人物なので、ここまでの経過は予想範囲ではありましょう。プーチンからすると米国に大いなる利益を与えたことで、ロシアは北朝鮮のごとく米国にとって「永遠の脅威」として扱われる、言い換えると米国はロシアとは戦争する意図皆無と判明。すなわち、ロシアと米国の永遠なる対立は米国の軍産複合体の継続的な利益維持となることが確定したために、ロシアは米国による侵略から永遠に除外される -- ロシアとアメリカは give and take の共存関係に入ったと言えるのです。ロシアとアメリカが冷戦時代のソ連とアメリカのような不倶戴天の敵と確定することは両国がそれぞれの勢力圏において支配的となるという政治的メリットとなるばかりか、それぞれの経済圏が確立されることによる自給自足的な経済秩序構築というメリットにもなります。ウクライナとロシア国民の莫大な死傷者という犠牲により米国・ロシアの両国のみが利益を得ることが地球村にとってよいことだとは到底思えません。

▼アメリカは道徳的に世界最高だと自らをみなしていること
"1981年、カークパトリック国連大使は、「道徳的同等性」という概念を考案した。彼はこういった。「もしあなたが果敢にもアメリカを批判するなら、あなたは道徳的同等性という罪を犯していることになる」「(道徳的に世界でもっとも優れた)アメリカを批判する人間は、スターリンやヒトラーと同じ道徳レベルしか持ってない」との論理だ。だから「誰もアメリカを批判する権利はない」と"
⇒ この引用は不要かなと思いましたが、考えに考えて記しました。例えば、イラク戦争の開戦においての口実が虚偽と判明しても全く謝罪なし。アメリカ企業のユナイテッド・フルーツ社等の利益のために、米国連邦政府が海兵隊とCIAを使用して、中南米諸国を侵略したり、アメリカの奴隷となること拒否する民主的政権を転覆したりの事例(チリのアジェンデ政権転覆⇒ピノチョト軍事独裁政権樹立)は沢山ありました。ジョージ・オーウェルの代表的著作である「1984」を思いだします。二重思考の技術のことです。例えば、自分がしていることは悪だと知りつつ、言葉では善だと喧伝し、やましさを感じること無く、悪行継続するためのスキルのことです。例えば、信じてないのに信じるふりをする言動をすること。悪行実行のみだと心が苦しくて継続困難なので、善行だと虚偽宣伝することで、内心の痛みは緩和されるのです、実際に。しかし、虚偽を言っていると自覚はしてますので、あなたは嘘ついていると他者が非難するならば、直ちに気持ち悪くなる⇒だから、その人を投獄したり殺害したらいいだけのこと。貴方のしていることは嘘や犯罪だと非難する人については、公衆が見える有様で投獄や殺害をしたり、村八分にするならば、抑止力・みせしめとなるので、その後は堂々と批判する人は激減します。このようなことが、帝制ロシアとそれを継承したソ連、そして今のロシアの現実であり、中国や北朝鮮でももちろん。なんと、今のアメリカでもそんな事態が程度は小さいものの広まってます。日本やEU諸国でもそのような二重思考は広まっています。安倍晋三らは日本国による中国・朝鮮国民への野蛮行為を自覚しつつ、否定しているのです。二重思考は短期的には大変に有用な道具ですが、人間性に反しています。

▼おわりに
ウクライナ戦争の停戦を一日でも早く実現することこそが諸国民の目標とならねばなりません。交渉による停戦を拒否している米国に日本国政府が同調していることを嘆いてもなんともなりません。
 ウクライナとロシアの NATO 同時加盟を議題としての停戦交渉開始を両国に促すことを望みますが、日本国はしないでしょう。なので、これまでのように在日の諸国大使館に提案をしつこくしていく所存です。この線での停戦交渉開始に賛同する方は可能な方法で呼びかけてくださいますように。
両国のNATO同時加盟についての提案(3月2日)⇒ https://note.com/sawataishi/n/na6ac96618cf6

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