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エイリアンとパンプキン

今日、後輩と昼食をとっていた時、最近近所にできた油そば屋の話になった。そこから話は他の油そば屋の話に飛躍し、全国にチェーン展開されている『麒麟寺』という店名が後輩の口から出てきた。わたしは咄嗟に、親父ギャグで「エイリアンズ?」と言ってしまったのだが、後輩はきょとんとしていた。J-POP史上屈指の名曲だと思い込んでいたのだが、当然知らない人もいるわけだ。

それ自体に善悪はない。わたしはキリンジを聴く。後輩はキリンジを聴かない。それだけだ。ただ、エイリアンズを知っている人生と知らない人生とでは、大きくではなくても、意味合いが多少変わってくると思う。少なくともわたしにとっては、それくらい重要な曲だ。

愛しい人を表現する代名詞は、意外とバリエーションが多い。パートナーのことを「エイリアン」と呼ぶのは流石に憚れるかもしれないが、この曲を知っていればお茶目な表現として捉えられるかもしれない。

日本語にはあまりないが、英語にはいくつもパターンがある。「マイ・ラブ」なんて、とてもシンプルで、誠実な呼び方だと思う。

他にわたしが英語で気に入っているのが、「パンプキン」だ。日本語でも「カボチャちゃん」といえば可愛らしいイメージになるが、英語の意味もそのままで、可愛いパートナーを指して「パンプキン」と呼んだりする。

さらには、ハニー、ダーリン、スウィート、ベイビー、シュガー……これらはアメリカのシットコムで仕入れた知識だが、そんな程度でもこれだけ思いつく。男性に限定すればナイトやハンサム、女性に限定すればエンジェルやプリティなんてのもある。

わたしが知る限り、日本ではそのような代名詞がない。少なくとも、一般的ではない。あったとしても輸入品だ。その割には結婚すると、パートナーのことを「パパ」とか「お母さん」とか、子供を介さないと関係性がわからない代名詞で呼び合う夫婦は多い。根本的に、パートナーシップの概念が違うのだろう。

そういう意味でもやっぱり、僕らはエイリアンズなわけだ。

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