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【電子書籍】『コットンキャンディのネコと、幸せの1LDKについて』販売開始

以前にもご案内いたしましたが、ステキブンゲイ内で公開しておりました拙作『コットンキャンディのネコと、幸せの1LDKについて』が電子書籍発売となりました。

13年ぶりの商業新刊でテンションをあげています。ウェイウェイ。

購入はこちらから!(EPUB形式で電子書籍リーダーが必要です)

>>ステキブックス

大手電子書籍配信サイトでも配信予定ですが、そちらの方はもうちょっと先になります。

とりあえず中身が知りたいぞ!と言う方は、加筆修正前の本文をまるっと全話まだ読めるようにしておりますので、こちらからどうぞ。

>>『コットンキャンディのネコと、幸せの1LDKについて』(加筆前)

キャプションを読んでドン引きした方には無理におすすめしません!!!

我ながら人を選ぶ話を書いちまったなぁ!(何度目かの悟り)

電子配信後もあえての全文公開なのは、加筆修正部分が主に前半のまひるの章なので、まひるの章だけWEBで読んでから「続きだけ電子で読もう!」ってやると、知らない伏線がでてきて「え?そんなこと言ってましたっけ?」みたいなことになるからです!!!

ですので、電子版をご購入いただいた方はぜひまひるの章から!初めから読んでくださーーーい!!!


それはともかく、せっかくなので普段はあんまり語らないけど作品についてもちょっとだけ語ります。

ネタバレってほどじゃないけど、微妙に内容に触れているので一切の情報を得ずに読みたい!という方は読了後にお読みいただければと思います。Twitterでは丸出しで呟いちゃったけど!ごめんな!




元々、この話は新潮社のR18文学賞というのに送ったやつでして。

だからまぁ、こんなキャプションにSEXなんて言葉が飛び出すようなトンチキストーリーになってしまったわけなんですね。

最初は長編で書こうとしていて、途中まで完全に長編のつもちで書いてて。

でもよく見たら募集規定が短編で、慌てて短くまとめたんですけど、そりゃ一次選考で落ちるわ!(当然すぎてむしろよく送ろうと思ったなレベル)

で、ネタ的にラノベにもならないし、キャラ文芸としてもちょっとネタ的に……と思っていたところに、ステキブンゲイを見つけて「もう文芸でいいんじゃない?」と加筆修正して投稿しました。

まひるの章まで書いて、これは当初の予定どおり長編にした方がおさまりがいいな、と思ってヨル編、朝陽編ができました。

一番初めに書くつもりだったものは、まひる視点のままヨルの過去を探し当てるまでだったので、朝陽の章は完全にステキブンゲイに投稿することを決めてから付け足したエピソードです。結果的には、3人の物語であるこの話にとっては良い選択だったかなぁ、と思います。

この話、まひると朝陽が人の死を割り切っていく話であると同時に、コットンキャンディのネコちゃんであるところのヨルが「人間になる」話だと思ってかいています。

ヨルはこの物語の中では一番ファンタジーな存在であるけれど、一番リアルに近くもあるんじゃないかと思っています。

周囲の全てがどうでもいい、人の心が育っていない自称ネコちゃんのヨルが、人間になる物語ですよ。

まひると朝陽から見たふわふわわたがしのヨルは、ヨル自身の視点だとザラザラしたザラメのままで、ヨルの「幸せ」の答えは結局まひるも朝陽も知らないままなんだけど、そこは通じ合わなくてもいい。だってヨルはネコではなく人間になったから。

社会的弱者であると、それだけで人間性ってどんどん失われていくんですよね。私だって、めちゃくちゃ貧乏で仕事を4足わらじしていた時、全然人間らしい思考ができなかった。人間って孤独とか貧困とかで、簡単に人間じゃなくなるんですよね。

だからそういう状態から人間性を獲得するって、結構な大仕事で。

もうヘレン・ケラーが「Water!」って叫ぶくらいのことなんですよ。

ヨルはファンタジーなキャラかもしれないけど、彼の背中に乗っかっていたエピソードというのは、社会と地続きになっている。そんなイメージで書いていました。

割と私自身は他人への興味が薄い方で、そういう意味では私のメンタルはまひるや朝陽よりもむしろヨルの方に近くて、だから書きながら「ああ、この子が人間になれるなら私も人間のうちに入るなぁ」なんてしょうもないことを考えていました。

世の中の人々、思っているほど人間を人間扱いしていないでしょう。

私はどうやって人間を人間と認識すればいいのか、脳内で迷子になっていたことがあります。あんまり人間扱いされてなかった気がする。私自身の認識も何かあんまりカテゴリが人間じゃなかった気がする。

だけど、私は謎にたくましかったので生きてこられた。たくましくない人は、きっともっと生きづらい。

頭の中にふわふわわたがしを詰めておけば、何となく色んなことがどうでもよくなります。どうでもよくなると割と生きられます。それが正しいかはともかくとして。

この物語にそういうメッセージを込めたということでもなく、ほとんど私の独り言なんですけれど。

大人になったら人間ができあがるわけでもなくて、ふとした瞬間に「ああ、人間になったな」と実感するっていう話です。それが「コットンキャンディのネコ」であるヨルにとってはこの物語で、まひると朝陽は半分は最初から人間で、最後にもう半分も人間になったんじゃないかなって。それで自分の中の人間が完成した時に、ああ、自分の幸せはこれかもな?って思うものが見えるのかもな、っていう。

書いた私の感想みたいになっちゃったんですけど。

別にそう思ってもらえなくてもいいし、自分がそう思ったってだけなんで本当に独り言だな、これ。

そんなわけで、やや無理やり切り上げますが、『コットンキャンディのネコと、幸せの1LDKについて』を読んであなたの「幸せ」が何かについて考えてみていただければこれ幸いです。

とりあえず、今の私の幸せ、毎日美味しいご飯食べたいので、美味しいご飯を食べられるだけのお賃金ほしい!

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