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トライアウト 「高き門だけど広き門」 "2015/2016 監督1年目"

今回は和歌山国体後から、日本選手権までの期間(2015年10月、11月)の取り組みについてのnoteになっている。

この時期には「トライアウト」「三重県中体連リーダ研修」「花菖蒲スポーツフェスティバル」などを実施した。今回は現在にも繋がる部分も少なくない「トライアウト」に絞って纏めてみた。

トライアウト開催の背景

ご存知の通り、三重バイオレットアイリスの主戦場は日本ハンドボールリーグになる。つまり国内トップリーグがメインフィールド、誰でもプレーできる場ではない。

当然、高き門である。

しかし「狭き門ではなく、高き門だけど広き門」にはしたいなと。国内トップリーグ、オリンピックにチャレンジできる機会は創りたいなと考えたわけだ。

三重バイオレットアイリスの選手達は地元企業に勤務しながら、競技を続けているが、考え方次第では、こんな競技の続け方だって可能かもしれない。(もちろん、他にも色んなやり方はあると思う。)

社会人として仕事をしながら 
学生として勉強をしながら
プロフェッショナルとしてハンドボールを職業としながら

自分のしたい仕事を続けながら、三重バイオレットアイリスでプレーする。

三重県内の大学や専門学校に通いながら自分の将来に繋がる勉強をして、ハンドボールは三重バイオレットアイリスでプレーする。

プロフェッショナルとして三重バイオレットアイリスでプレーする。

「将来、日本ハンドボールリーグでプレーしたいと思っている高校生、大学生はもちろん、現在仕事をしながらクラブチームで競技を続けている社会人など、皆さんの熱いチャレンジを待っている。国外からのエントリーだってもちろん大歓迎だ。」

実際にこんな感じでチームのHP等でトライアウト開催の主旨や応募方法を公開し、参加希望を広く募った。

三重バイオレットアイリスはクラブチームなので、いろんな形でプレーできる可能性が無限大である。

トライアウト開催後

11月21日(土)トライアウトを開催。下記のようなプログラムでトライアウトを実施。

①GM&監督との面談
②メディカルチェック(体重、体脂肪率、筋肉量、過去のケガなど)
③グループディスカッション(バイオレットの選手と一緒に)
④ハンドボール(バイオレットの練習に参加)
⑤フィールドテスト(走力、跳躍力、投力)

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こんな感じでバイオレットの選手とトライアウト参加者が一緒になってグループディスカッションを実施した。

来年春に大学卒業予定の選手は、鈴鹿市内の企業訪問とバイオレットの選手が勤務している職場を訪問。

面談では、こんな下記のような話を聴かせてもらった。

「選手としての目標は何なのか?」
「どんな仕事に興味があるのか?」
「どんな将来像を描いているのか?」

その後、ハンドボールのプレーと、体力要素を観させて貰った。

あくまでもテストではあるが、一言二言のアドバイスでもグッとプレーが変化していく様子が印象に残っている。コーチャビリティ(コーチングを受ける能力)の高さも選手にとって大切。

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今まさにスタートダッシュの体制に入っている選手、誰だか分かるかな?

Yes!!! 世界のヨーコ佐野(当時日体大4年生)。彼女はトライアウトからのバイオレット入団。

トライアウト開催からの現在

2015年にトライアウトを開始してから、これまでに(2020年6月13日時点)佐野、(退団)、伊藤(退団)、細江(2020シーズンからスペイン)、中田、水谷、塩田、山岡、鳩野の9名の選手がバイオレットの一員になってくれた。

中にはチームの主力にまで成長してくれた選手や、バイオレットを経てスペインリーグへ更なる飛躍を遂げようとしている選手もいるし、中には現役大学生ながらも名古屋から鈴鹿に通ってきた育成選手もいた。もちろん、不合格だった選手もいるし、道半ばで退団した選手もいる。(高き門とは、こう言うことだ。)

最初はトライアウトに対して、懐疑的な声もあったのが正直なところだが、実施して良かったと思っている。今となっては、チームの構成メンバーの30%を超える選手がトライアウトを経て入団してくれている。

もちろんスカウトも大事なのは言うまでもないし、今後は自ら選手を育成していくことも必要になってくるだろうと思う。

入団すればスカウトもトライアウトも一切関係ない。そこにあるのは競争と協力だ。




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