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地球の歩き方 ジョジョの奇妙な冒険(地球の歩き方編集室)

なぜこの本

私が小学校4~6年の頃、世界を学ぶことのできた一冊の漫画がありました。
週刊少年ジャンプで連載されていたジョジョの奇妙な冒険です。

当時は第3部が進行中。
主人公のJOJOこと空条承太郎と仲間たちは日本を発ち、香港、シンガポール、インド、パキスタン、アラブ首長国連邦、サウジアラビア、そして目的地となるエジプトを旅します。

当時、海外旅行に行ったことのなかった私にとって、ジョジョはその精緻な描写も相俟って、まさに「地球の歩き方」でした。

時は流れ2024年。
書店を回っているとき、何故か普段は決して見ることのない観光ガイドコーナーへ足が向きました。
なんと、そこには見慣れた、しかし観光ガイドコーナーに居るはずもないJOJOたちが描かれた本が。
その本は国、地域、街ごとに刊行される観光ガイド、「地球の歩き方」のジョジョ版だったのです。

どんな本

ジョジョの奇妙な冒険は大きく8部構成(2024年6月現在)。
ジョースター家の血筋を引いた少年たち(たまにおじいさんや少女)が目的を果たすべく旅をするのが大筋の流れ。
4部や6部、8部のようにあまり長い旅をしない時もありますが、冒険とタイトルにある通り旅をするのが基本形です。
ファンタジーとは思えないリアルで迫力のある画、登場人物のユーモアあるセリフ回し、そして作り込まれた特殊能力(波紋やスタンド)の設定が特徴。
そのリアルで迫力のある画は背景の街や自然、生活の描写にも現れており、実際の街や施設が描かれていることもあります。
これらの背景の描写はジョジョ作者の荒木飛呂彦先生の取材の賜物。
本書はJOJOたちが旅した地域のリアルとストーリー内で触れられていた内容を見せてくれます。

観光ガイドとしても使えますが、フィクション部分もあるので注意が必要。
でも、フィクション部分にはJOJOマークが付いているのでご安心を。
特に第3部の日本からエジプトへの旅程例、第4部のモデルとなった仙台、荒木先生の取材ストーリーは興味深い内容です。
また、ルーヴルをはじめとした世界の芸術や遺跡の解説を読むと、ジョジョのベースがよく分かります。
一時期、ジョジョ立ちというキャラクター達の独特のポーズが流行った時(?)がありますが、あれも彫刻や絵画がモチーフになっていたことが本書からもよく分かるでしょう。
ジョジョがファンタジーでありながら受け入れやすいのは、こうした実際の世界を下敷きにしているからなのかもしれません。

誰に、どんな時におすすめ

ジョジョの奇妙な冒険と旅が好きな方には特におすすめです。
ジョジョの奇妙な冒険は好きだけど、旅はあまり…という方にもおすすめ。
しかし、読んでみたらジョジョの舞台を巡る旅に出たくなるかもしれません。
ジョジョの奇妙な冒険を読んだことのない人には、理解できない内輪ネタに思われてしまうかもしれませんが、漫画の描写と実際の世界の対比は楽しんでいただけるでしょう。


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