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短編集

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短編小説のまとめ
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#短編小説

しかめ面叔父さんのラブレター(小説版)

しかめ面叔父さんのラブレター(小説版)

 苦虫をかみつぶしたようなしかめ面。楽しげに周囲は食べているのに、独りでもくもくとパフェを食べるスーツの壮年の男は、あまりにその場で異質だった。
 その店の店員でも風変わりなお客だと言う。私は店員として、男の前に立つ。
「おじさん……だよね?」

 男は、あんぐりと口を開けた。

「沙由理っ……」

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 普段は神保町のチェーンの喫茶店でバイトをしている。だけどその

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幸せな二人の背中

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 そのお客が来ると、私は顔をしかめたくなる。もちろんレストランのホールが、お客に顔をしかめるなんて許されない。でも顔を見た瞬間、喉が詰まるのだ。そして上っ面の笑顔で迎え入れる。
 お客はもちろん私の感情なんて知らない。私の出迎えに何も疑問を持たず、自分の奥様とスーツ姿の男性を引き連れて席へと向かう。

「ワインを貰おうか。後いつ

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生きていてもしょうがない。

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 理子は押していた自転車を止めて戸惑っていた。
誰もいない路上。目の前には夏のはじめにふさわしくない黒のぼろぼろの防寒着と灰色のズボンをはいた無精ひげのホームレスの男が倒れている。時刻は真夜中の三時半。理子は新聞配達をしている最中のことだった。

 理子は大量の新聞を積んだ重量のある自転車がひっくりかえらないように気をつけながら

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優しいバスの運転手

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 申請して一ヶ月。区役所で交付される時間はたったの五分。手のひらよりもわずかに小さい。パスケースに入れられた精神障害者保健福祉手帳に戸惑いを覚えずにはいられなかった。加奈子は区役所を出ると、人目がないことを確認してもう一度、手帳を見た。軽くて、パスケースから取り出すと上質とはいえない紙がぺらぺらと風に揺れた。
 まじまじと加奈子は手

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