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佐和島ゆら
2019年10月26日 19:59
苦虫をかみつぶしたようなしかめ面。楽しげに周囲は食べているのに、独りでもくもくとパフェを食べるスーツの壮年の男は、あまりにその場で異質だった。 その店の店員でも風変わりなお客だと言う。私は店員として、男の前に立つ。「おじさん……だよね?」 男は、あんぐりと口を開けた。「沙由理っ……」 ・ 普段は神保町のチェーンの喫茶店でバイトをしている。だけどその