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さあ対話をはじめよう。#読書記録4-1

絶望を希望に変える経済学(Good Economics for Hard Times), アビジット・V・バナジー , エステル・デュフロ, 日本経済新聞出版, 2020

 わたしたちは、移民、貿易、格差、環境問題など、さまざま問題に直面している。本書は、その研究の最前線で何が起きているのかが述べられており、現代に生きる私たちに大切な視点を提供してくれると思う。とても大切なことをたくさん受け取ったので、いくつかの記事にわたって本書のブックレビューを書く予定である。

 Chapter1には、いま私たちに求められていることについて著者の意見が述べられている。

 著者は、本書の執筆にあたって、人間が望む幸福や幸せな暮らしについて深く考えたという。そして、必要なものは、所得や物質的な消費だけではないことを述べている。

「周囲や社会に認められ、重んじられること。家族や友人が幸せに暮らしていること。そして、人間としての尊厳。楽しみやよろこび。」

 所得だけを過度に重要視するレンズから世界を見ると、感情を掻き立て、解決しようにもできなくなる、というメッセージを私は感じた。


 また私にとって、著者の対話に関する考え方に感銘を受けた。

「二極化が進む世界でよりよい対話を行うには、人としての尊厳を認めてほしいという人間の本質的な願いをみとめるところから始める必要がある。」
「お互いをいよりよく理解するために、どうせ解決など不可能だという思い込みから逃れるために、対話をはじめなければならない。」
「本書が終わりに近づく頃にはほんとうの対話が始まることを願っている。」

 これが著者の願いである。


 私は最近、人とはなすことをとても大切にしている。人と話すことは、自分の世界を広げ、前向きにしてくれる。またそれは、問題を解決する第一歩だと考えている。

 このように私も対話の大切さを実感してるからこそ、著者の考えに共感した。世界のだれもが、より良く生きたいのである。そこには本来、敵も味方もいないはずだ。ただ、対立構図があるようにみえるだけである。この対立をほどいてくれるのが対話であり、対話と解決の好循環が生まれるのだと思う。

 ここで著者は、対話において大切なことを私たちに示している。それは、「人としての尊厳を重んじること」である。これが対話の大前提であり、この意識をより多くの人がもてば、対話がさまざまな問題への希望をもたらしてくれるのだろう。


 私にできることは、周りの人とできるだけ多くの話すこと。どんな人と接するときも、その人の状況や肩書きで態度を変えず、ただ人として尊重する姿勢を大切にすることである。自分ができることをやっていこうと思う。

 みんなが豊かな生活を送れますように。希望をもって生きていくのだ~!

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