「犬に必要な4つ予防」について説明します。
当院では、わんちゃんに4つの予防を推奨しています。
予防スケジュール
混合ワクチン、狂犬病ワクチンは毎年接種し、混合ワクチンは初年度のみ複数回接種が必要です。
狂犬病ワクチンは4-6月の接種が推奨されています。
フィラリア症予防薬は蚊がいる季節に月1回、ノミ•マダニ予防薬は通年で月1回もしくは3か月に1回投与します。
初年度のワクチンスケジュール
生まれて1年目のワクチンスケジュールは2年目以降とは異なります。
初年度は混合ワクチンを1か月ごとに2回接種し、その1か月後に狂犬病ワクチンを接種、その1週間後に3回目の混合ワクチンを接種します。
そして、1歳になったタイミングで初年度最後の混合ワクチンを接種します。
混合ワクチンとは?
混合ワクチンは複数の感染症に対するワクチンが1つにまとめられたもので、
「致死性が高い」「感染力が強い」「人に感染する」などの特徴をもつ危険な感染症の予防を目的としています。
予防できる感染症の数によって、呼び方が変わり、5種類の感染症を予防できるワクチンを5種混合ワクチン、6種類であれば6種混合ワクチンというふうに呼びます。
犬の混合ワクチンには5種、6種、7種、8種、10種混合ワクチンがあります。
狂犬病ワクチンとは?
狂犬病ワクチンは狂犬病ウイルスの感染予防を目的とするワクチンで、法律で接種が義務付けられています。
狂犬病は咬傷によって感染するウイルス感染症で、犬・猫・人を含む全ての哺乳類に感染し、発症するとほぼ100%死亡します。
フィラリア症予防とは?
フィラリア症は、蚊から犬・猫に感染する寄生虫であるフィラリア(犬糸状虫)の感染症です。
フィラリアは、蚊の吸血時に幼虫が感染したのち、血管内を心臓まで移動して成虫となり、心臓の肺動脈・右心室に寄生します。
肺・心臓の病気を引き起こし、死亡するケースもあります。
ノミ・マダニ予防とは?
ノミ・マダニは、犬・猫・人の皮膚に感染する寄生虫です。
ノミは吸血性の昆虫で、皮膚症状を引き起こすだけではなく、猫ひっかき病、瓜実条虫などの人獣共通感染症を媒介します。
ノミは産卵数が多く、爆発的に繁殖することがあります。
マダニは吸血性の節足動物で、犬に多いバベシア症、猫に多いヘモプラズマ症、人獣共通感染症である重症熱性血小板減少症候群(SFTS)などを媒介します。
特に重症熱性血小板減少症候群(SFTS)は、犬・猫・人において死亡率が高く、危険性が非常に高いです。
予防医療はわんちゃん、飼い主様の健康を守るためにとても重要です。
4つの予防を行うようにしましょう。
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