パワハラされまくり人間の労基署活用法:パワハラ+コマ給編

「さわちゃんまた労基署かい,そろそろビンゴ作れるんじゃね」
私もそう思う。
今回で何度目や。

何度目か分からないけど,また労基署にお世話になっている。
ここまでくると、もはや労基署はお友だちである。
かれこれ10人近くの知人にアドバイスをするまでになってしまったので,他にもお困りの方がいるのでは?と思い,noteにまとめてみました。
労基署っておカタそうですが、付き合えるようになると便利なので、この記事では、そんなお友だちとの付き合いについて書いています。

経緯

院生でバイトをしているときでした。
もともと何人も友人がいじめられては相談に乗っていた個別学習塾で、じゃあどんなふうにいじめられるのか気になって紹介してもらって入りました。

実はこのとき、すでに労基法で勝てそうだな、という確信を持っていました。
なぜならここはいわゆる「コマ給」で、未払い賃金が確実にあることを知っていて,メディアで違法だと取り上げられていたから。

「院生なのが気に入らない」という理由でいじめられた

なるほどそういう。
どうやら高学歴の人をターゲットに副塾長がいじめをしているということが入ってから分かってきた。
いじめの手法は今で言えばおそらくパワハラというやつなんだと思います。
気に入らない人をどんどんシフトから外していって、稼げなくさせて辞めさせる、というのが一連の流れ。
当然院生は気に入らなかったらしく、私もどんどんシフトから外されていきました。

「いざ労基署へ」,その前に

労基署に行く前にやっておくといいことを書いておきます。

そもそも契約書がない
…というのが労基法的にアウトですので,手元にない方は労基署へ。

とにかく労働時間を記録する
コマ給が労基法的にアウトだというのを知っていたので、労働時間の記録を徹底していました。
手帳に書く、LINEにメモる、公共交通機関を利用した時刻を書く。
休憩もないまま8時間以上…もザラだというのは知っていたので、休憩の時刻もがっつり記録していました。
複数あると信憑性が増すので大変だけどオススメ。

コマ以外の時間が指揮命令下である根拠を示す
これがなかなか難しい…!

私がいた塾にはマニュアルがあって、「ここからここまでが仕事です!」のようなものを渡されていました。
それを根拠として、コマ以外の準備や片付けの時間を指揮命令下=賃金がもらえるはずだった時間とみなしてもらいました。

労基署に動いてもらうコツ

何回も労基署に行って思うのは、動いてもらうにはコツがいるな、ということ。
ただ、コツを覚えれば、労基署に動いてもらうのはそんなに難しくないです。

未払い賃金はマジで強い

未払い賃金関係、本当に労基署強いです。
未払い賃金がこのくらいあります、という資料を持っていけば確実に動くくらい未払い賃金は強い。
というわけで初回は未払い賃金とパワハラを一気に解決していただきました。

準備した資料

・準備できるだけの,前から今までのシフト表
→以前からパワハラがあることを明らかにするため。
・給与明細
・手帳(労働時間が記録されているので)
・本来払われていたはずの賃金と給与明細との差額を表にしたもの
→ちなみにこの時点で6〜7万近い未払い賃金があってすごくびっくりした

いざ,労基署へ!

そんなわけでやっと労基署にたどりつきます。
ちなみに労基署では「未払い賃金の申告に来ました」って言うとすっごく早く話が進みます。
ここ,絶対テストに出るのでぜひ赤線引いてください。
ただパワハラもあったので,「副塾長からいじめを受けている」ということも言いました。

これはかなり前の話で,パワハラという言葉も浸透していなければ法整備もされていない頃だったので,パワハラはどうしても法的根拠がないため労基署としても動きにくい状況だったそうですが,未払い賃金があったこと,労働条件通知書(いわゆる”契約書”であることが多いようです)を書面で受け取っていなかったことが労基法に触れるため,パワハラの改善も含めた形で労基署の方(以下:監督官さんとお呼びします)に動いていただくことができました。

あとは監督官さんの指導に従って動くだけ

あとは監督官さんが塾と私の間に入っていろいろとやってくれます。
塾側とのやり取りというよりは,監督官さんとのやり取りがメイン。

塾側が勝手に電話などで連絡してくることがあったのですが,できる限り録音したり,録音できる環境がないときはメモをとっていました。

私からはいつも一言。
「監督官さんに聞いてから回答します」とか,「監督官さんから回答があるかと思います」
おわり。
たまに文書を送ってよこすこともあったのですが、だいたい法的拘束力がないものだったり、監督官さん曰く「意味がわからない」書類がほとんどでした。
電話・書類の別を問わず、その後は監督官さんへ「こんな連絡がありました」「こんな書類がきました」と連絡すると,「わかりました,こちらから回答しておきます」とか,「沢田さんのほうで○○だけしてください」という指示だとかがあるので,それに従っておけば間違いないです。
私は監督官さんが「必ず私に連絡をください」と言ってくれたこともあり自分で判断することはなかったのですが,自分で判断して回答するのがおそらく一番あぶないのではないでしょうか。
面倒だと思いますが,とにかく監督官さんを盾にするのを個人的にはおすすめしています。

結果的に

未払い賃金しっかり回収しました(6〜7万くらい)。
大学生・院生だった自分にとってはかなり大きな額だったので,こんなに損してたのか…と思いました。
回収できてよかったです。

契約書がそもそも不備だらけだった
これはあまり関係ないといえばないのですが,契約書・労働条件通知書がそもそも不備だらけで,ほとんど体をなしていなかったらしいです。

パワハラもなくなった
なくなりました。
私自身が「あとは修論に集中したい」と思っていたこともあり割とすぐにその後辞めてはしまったのですが,無理やりシフトを削ったり,希望していない(働けない)ところに無理やり入れられたりということはなくなりました。
他の人がターゲットにならないか心配で結構しっかり観察していましたが,それもなかったように思います。
よっぽど監督官さん怖かったんですかね…私にはすごく優しかったんですけど。

まとめ

いろいろ書かせていただきましたが,まとめです。
友人からパワハラだとか,仕事について悩みを相談されたとき,よくよく話を聞いてみると,未払い賃金がある or 契約書を渡されていない…なんてことが結構あります。
労基法に引っかかることがあって,こちら側が「未払い賃金払ってください」「契約書ください」と言ったにもかかわらず寄越さない…となると,ほぼ確実に監督官さんに動いてもらうことが(今のところ)できています。
ちょっと面倒ですが,労基法に引っかかることがないか探してみてください。
今はパワハラに関する法整備も進んできているようですので,労基法とセットになるとより強力になるかもしれません。

あくまで私の経験談でしかないのですが,どなたかの参考になれば幸いです。

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