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日本人が続々とベトナムへ移住するきっかけ

海外移住する人は年々増えている

海外に移住(数ヶ月の短期滞在も含め)する日本人は増えています。外務省統計によると2018年の海外在留日本人は統計開始以来、過去最高の139万人で、前年よりも3万8400人(2.84%)増加しています。その中でも圧倒的な増加率となったのはベトナムで4859人(28.1%)増加となりました。

ちなみに増加数で見るとトップはアメリカで、2万人(4.9%)増加しています。やはり日本人はアメリカが好きなようです。

しかし、外務省統計とはいえど、完全ではないことがわかっています。私たちのようなベトナム在留日本人は大使館・領事館へ初めて行くとアンケート用紙を渡され『任意』でベトナム在住届を提出しています。つまりこれを拒否した場合、上記統計には入らないことになります。そして多くの短期滞在者はトラブルがなければ大使館に行くことはないため、じつは相当数が統計に入っていないのではないでしょうか。

移住する際は日本の手続きに要注意

もう一つ、日本から海外へ移住する際に住民票を抜く(正式には海外転出手続き)ことができ、その際行き先の国名を記載します。このデータを使った統計も可能ではありますが、こちらも同様に必須ではないので正確な統計とはなりません。話は逸れますが、海外転出手続きは、これから海外移住するという人にとっては重要な手続きです。住民登録と密接につながっているのが、国民健康保険・年金・住民税・印鑑登録証・マイナンバーカードです。

海外転出した場合、これらすべての機能が利用できなくなるため、少なくとも短期の海外滞在では海外転出する人は少ないと思われます。長期の場合は、海外転出をすることで住民税の支払いをストップすることができます。住民税は毎年一月一日時点で住民登録がある場合、前年度の収入に応じて課税されるため、例えば2月に海外移住が決まっていれば12月末時点で海外転出を済ませておくことで、翌年の住民税を止めることができます。ただし、健康保険も含むその他サービスは利用できなくなります。ただ、あまり心配する必要はなく、一時帰国した際に、即日住民登録可能ですべてのサービスを利用することができます。

年金は未加入期間の支払いを、数年間遡って支払うことができるのであまり問題はないのですが、マイナンバーカードは、日本国内での株式投資をしている場合には必須となります。

海外転出した状態で株式投資をしたければ、海外の株式投資サービスを利用しなければなりません。また、会社を経営している場合、銀行の融資申請の際に印鑑証明書が必要だったりします。昨今、日本国内の企業を経営しながら、海外に生活拠点を置く経営者は少なくありません。しかし、行政システムが追いついていないため、少々面倒な手続きとなってしまいます。

ベトナム移住のきっかけ

話を元に戻しますが、ベトナムにおいては毎年数千人の日本人が移住し、そして帰国しているということになります。2020年時点で総勢2万人以上の日本人がベトナムに住んでいますが、それでも日本の人口からするとたったの0.016%です。

なぜこの一部の人達はベトナムへ移住することになったのでしょうか。別の記事で私がベトナムに移住するきっかけをご紹介しますが、私が出会ってきた方達の経緯も踏まえて、まとめていきたいと思います。

移住のきっかけ①|会社の指示

比較的多数派で、昔から今まで続く日本企業の習慣です。日本企業が海外赴任者を決める理由はいい加減です。例えば「妻帯者は家族の承認を得るのが難しそう」「若手は現地で監督者がいないと遊んでしまいそう」といった業務と関係ないところで選別されていくこともあるようです。

将来のキャリアアップのための海外赴任のケースもありますが、ネガティブな理由で赴任する人もいるのが現状のようです。

いずれにしても本人にとって想像もしていなかったベトナム生活が突然訪れるのはこのカテゴリのみです。

移住のきっかけ②|会社への異動願い(もしくは転職)

①に比べたら少数派ですが、転職せず、給与条件も変えずに(むしろ手当がついてよくなることもあります)念願の海外生活を手に入れるこの方法は今でも人気です。

ベトナムに現地法人を持つ会社では、社員研修や表彰旅行でベトナム現地法人を訪問し、ついでに観光することがよくあります。すると成績優秀者ほどベトナムに来る機会が増えるので、現地法人の自由な働き方を見て、海外で働いてみたいと思い、異動届を出す人が一定数いるのです。

成績優秀者であれば、会社としても辞められるぐらいなら現地法人に送って成果を出してもらった方が良いと考えます。ちなみに異動依頼が出ているにもかかわらず何年もその願いが叶わないと、同業他社に海外勤務前提で転職する人もいます。

移住のきっかけ③|エージェントの紹介

GJJ海外就職デスク(https://www.kaigai-shushoku.com/)という、海外の企業と就職希望者をマッチングするサービスがあります。実は私の友人もこのサービスを使って数人ベトナムに来ていて、良い条件の現地企業に就職しています。

以前ホーチミンで開催された、GJJ経由で海外就職した人達の集まりに参加させていただいたことがありますが、会社の命令で来た人よりポジティブで話が面白くて、それでいて経営者ほどクセがない人が多かったです。みなさん理由は様々ですが、自分の意思で行動を起こして海外就職をした方達なので、ベトナムでの仕事だけでなく、プライベートも最大限楽しまれています。

移住のきっかけ④|スカウト

実は私は、自分の会社の社員として、10人以上を日本でスカウトしてベトナムに連れてきています。文章で書くと非常に怪しいのですが、例えば東京で飲み会をして、ベトナムで事業をしていることを話すと「いいな〜働いてみたいです!」と言ってくれる方がいまして「じゃあ来てみる?」と誘うのです。

こちらとしては、優秀な人材であれば遥か遠くのベトナムであろうと積極的に誘うのですが、9割の人には飲みの場の冗談として流されてしまいます。しかし、1割の人は真剣に考えてくれるのです。

そういう人達には就業条件やベトナムに成長できる環境があることを極力時間を取って伝えるようにしています。特に20代〜30代の独身女性が、男性に比べると積極的に飛び込んでくる割合が多いです。

私と同じような独立経営者仲間は、自ら日本で積極的にスカウトをしています。なぜなら、人材紹介会社を経由した場合、決して安く無い紹介料がかかるからです。

移住のきっかけ⑤|とりあえず現地に来てから考える

日本で無職になった人や、当面働かずに生活する貯蓄のある人、またはリモートワークのできるフリーランサーが、就職するかはわからないけど、とりあえず三ヶ月ベトナムに行ってみようというケースです。

ベトナムはビザ無しで15日間滞在できますが、16日以上の滞在にはビザが必要になります。一ヶ月または三ヶ月の取得が可能なので、とりあえず三ヶ月ビザを取得して、好きな時に帰るということができます。物価の安いベトナムは、この先の人生をどう生きようかゆっくり考えるにはもってこいです。

現地の生活を体感することで、本当にここに住んで働きたいのかじっくり確かめることができます。そこで現地に溶け込んで結婚してしまうような強者もいますし、人材紹介会社を活用して就職先を探す人もいます。このやり方は持ち物(車や家具など)や固定費(ローンの支払い等)の少ない人ができる方法で、日本人より欧米人にこのタイプが多いように感じます。

かつて偶然出会ったフランス人は、特に仕事をするわけではなく毎日ダラダラしながら事業を立ち上げる準備をしていましたが、何か違うと感じたのか、いつの間にかカンボジアに移動していました。

移住のきっかけ番外編|家族帯同のケース

このまとめに「家族帯同(夫の赴任についてくる妻と子供)」は入っていませんが、①と②のケースでは、近年ベトナムでの日本人の生活環境が整い(日本食材店や日系幼稚園など)家族帯同が増えました。

そのため、実は最も多い移住のきっかけかもしれません。夫の会社の規程で、帯同家族が就業することが禁止されている場合があります。そうすると仕事もなく、友達もおらず、言葉も通じないベトナムが嫌になり日本に帰っていく人もいましたが、最近では、就業まではしなくても趣味の延長で手作りアクセサリーの講習会を行ったりして充実した生活を送っている人もいます。

このように生活に慣れてくると、3LDKプール付きのタワマンに、メイドとドライバーまでいる生活を十分に楽しむことができ、むしろ日本に帰りたくないと言う人も多いです。

現在2万人強のベトナム在住日本人ですが、コロナの影響を鑑みても数年以内に3万人を超えるのは確実だと思います。

ハノイ・ホーチミンだけではなく、ダナンに今後ビジネス環境ができ、元々充実しているリゾート環境もあいまって、日本人の移住が増えるのではないでしょうか。ダナン移住お勧めです。


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