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木の葉は緑(2020年10月15日)

2020年10月15日
 前日よりよく眠れた感じだ。朝5時頃に目を覚まし、ゴキブリホイホイを覗きこむが、変化はない。いくら飛び跳ねると言っても、2階にまではなかなか登ってこれないのだろう。
 
 Twitterでニュースを確かめながら、ストレッチを始める。虫の飛び跳ねる中で、ストレッチをする気になれない。1階には終わってから降りる。Twitterを時々見るので、ストレッチも時間がかかる。6時をずいぶん回ってから、風呂に入る。
 
 7時過ぎに朝食、カナンの山形パン、ニンジンのポタージュ、野菜サラダ、ハムエッグ、食後はコーヒーにヨーグルト、リンゴにする。
 
 8時頃から1時間ほどウォーキングに出る。天気がいい。初日は雨上がりだったが、後は好天に恵まれる。今日で今回の滞在が終わりと思うと、しみじみとする。この空気管や雑木林の風景、鳥の鳴き声が身体の記憶として染みこんでくる。ただ、自分が消えてそれと一体化しているような気はしない。歩くのはあくまで舗装された道路だけで、雑木林に足を踏み入れたいとは思わない。入ったら、虫に襲われることは間違いない。自然に囲まれた安全地帯を歩かせてもらっている。自然は自分たちを特に求めていない。共生させてもらうように人間が思考・行動する必要があるだけだ。
 
 別荘に戻ったら、さっそく入浴する。これで今回は入り納めと思うと、惜しいので、浴槽の中を潜る。身体の隅々まで温泉が浸透したような気がする。
 
 帰り支度をしていると、1階の和室の天井の角に黒い穴が開いているのを発見する。虫がここから入っていたのかとわかる。どうりで多いはずである。しかし、もう帰る時だ。なんともタイミングが遅すぎる。とにかく業者に連絡しておこうと思う。
 
 10時半過ぎに別荘を後にする。いつ来ても別荘は楽しい。今回もそうだ。体長もよくなっている。ただ、正直、人間中心主義的に、屋内にもう少し虫がいなければ、なおよい。もっとも、GOTOキャンペーンに心理的に煽られたせいか、当初の予定と違い、雑木林の中にいるよりも、遠出してしまったような気がする。結局、それは自分がただの現在にすぎないと痛感するものである。しかし、この別荘をいつまで維持できるだろうと帰る時にいつも思う。
 
 「サラダファームたまご館」に立ち寄り、いつも通り、お土産の温玉と味玉を購入する。平日のせいか、時間が早いせいか、お客の姿は2人ほどだ。
 
 1時半過ぎに、昼食は北上市のさくら野百貨店のさくら寿司でにぎりのランチセットを注文する。客は2、3組で、待たずには入れる。お吸いをあら汁にしてもらう。これがお目当てでこのすし屋に足を運んでいると言っても過言ではない。
 
 2時半過ぎに自宅に到着、クルマの外に出ると、やはり八幡平より暖かい。向こうではダウンが欠かせなかったが、こちらではそれが邪魔だ。玄関を開けると、郵便受けの下に郵便物と新聞がたまっている。それをまとめた後で、クルマから荷物を家の中に運ぶ。帰宅したら、日常に戻るため、荷物を所定の場所に戻したり、洗濯をしたり、郵便物などを確かめたりする必要がある。邪魔くさいことで、それをしていると、帰ってきたんだなと現実に引き戻される。
 
 夕食は水冷凍餃子を使った餃子鍋、食後は煎茶、リンゴだ。いろいろな食材を食べられて、洗う食器も少なくてすむので、こういう億劫なときに、鍋は楽でいい。ウォーキングは10254歩である。都内の新規陽性者数は284人、死者2人だ。なかなか減らない。
 
 温泉に入ったのに、もったいないと思ったが、ビールをおいしく飲むために、軽く入浴する。350ml缶を三つ飲みながら、NHKのBSを眺める。疲れているのか何を見ているかわからなくなってきたので、9時過ぎに寝ることにする。虫を気にすることがないと思うと、ほっとする。今回八幡平で過ごしたことを味わうために、サイモンとガーファンクルの『木の葉は緑』をYouTubeで聞きながら、眠る。こちらの紅葉はまだまだだ。
 
I was twenty-one years when I wrote this song
I’m twenty-two now but I won’t be for long
Time hurries on
 
And the leaves that are green turn to brown
And they wither with the wind
And they crumble in your hand
 
Once my heart was filled with love of a girl
I held her close but she faded in the night
Like a poem I meant to write
 
And the leaves that are green turn to brown
And they wither with the wind
And they crumble in your hand
 
I threw a pebble in a brook
And watched the ripples run away
And they never made a sound
 
I threw a pebble in a brook
And watched the ripples run away
And they never made a sound
 
Hello, hello, hello, hello
Good-bye, good-bye, good-bye, good-bye
That’s all there is
 
And the leaves that are green turn to brown
(Simon & Garfunkel “Leaves That Are Green”)
〈了〉
参照文献
大山泰宏、『思春期・青年期の心理臨床〔新訂〕』、放送大学教育振興会、2019年
全日本手をつなぐ育成会、『私たちにも言わせて もっと2──元気のでる本』、全日本手をつなぐ育成会、1996年
大門正克編、『「生存」の東北史』、岩波書店、2013年
田中博他、『はじめての気象学』、放送大学教育振興会、2015年
F・ニーチェ、『ニーチェ全集』11・13、ちくま学芸文庫、1993年
森毅、『21世紀の歩き方』、青土社、2002年
 
「八幡平スキー場、閉鎖の危機?」、『岩手日報』、2007年9月19日更新
http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20070919_1
「いわて子どもの森リニューアル」、『トータルメディア』、2010年
https://www.totalmedia.co.jp/task/works2010-iwateken-kodomo/
「富岳 コロナの飛まつ広がり予測、『NHK』、2020年10月13日15時46分更新
https://www3.nhk.or.jp/kansai-news/20201013/2000036015.html?fbclid=IwAR1nzyZghUYjAkjmOejju4ondsoPy5x1Og_JAPRuHT1xLx4dMmQaLbpw5q8
 
岩手県立児童館いわて子どもの森
http://www.iwatekodomonomori.jp/
社会福祉法人カナンの園
http://www.canaan-jp.net/

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