未来ノ種 2021
2021年4月4日大阪城音楽堂にてUnblock主催「未来ノ種」が開催された。去年2020年に開催予定だった「未来ノ種」一年延期されてしまったがこの一年間は決して空白の一年ではなかったと思わせてくれた9組のバンドさんのライブだった。この一年たくさんのライブハウスで育ててきた花を咲かせた舞台であったのと同時に新たな未来の種を撒くことのできた一日だった。感想と共に9組のバンドさんの紹介を今回させていただきます。
Hump Back
「未来ノ種」のトッパーを飾ったのはHump Back!!登場しステージに立ってフロアに向けられて放った一言目が「いろいろあったよな」だった。この言葉に初っ端から涙腺が緩んだ。本当にいろいろあった一年間、去年「未来ノ種」の出演者の中にはHump Backの文字はなかった。今回THE SKIPPERSの出演辞退で一組減ったことにより出演バンドの枠が空いた。「今回誘ってもらったわけじゃなくて自分から田口くんに電話して出たいって言いました。相談したり相談してもらったり、ずっと一緒にライブもしてきたりしたのにこの舞台に自分らがおらんのが嫌やった。花贈ってライブ見て帰るだけは嫌やった。」この舞台に立ってる想いと出演が叶わなかったTHE SKIPPERSの分も歌いつつしっかり「Hump Back」として自分たちの歌を届ける姿は心惹かれるほどかっこよかった。
the paddles
Unblockと同じ寝屋川出身のthe paddles!!MCでは大先輩のUnblockに呼んでもらえたことに感謝の気持ちを伝えつつ自分たちの音楽を届けてくれた。与えられた時間は30分間。その中で今回の9組の中でも一番若い彼らが伝えたいことは音楽によって伝えられた。「言葉だけで伝える気はありません。伝えたいことは全部音楽で伝えます」この言葉がとても心に残ってる。たしかこの言葉の後に演奏された「今は、エバーグリーン」が最高だった。ライブが始まるころ雨が降ってきたがその時に「みんな寒いよな、、、温かい風呂に入れてあげたいわ」とお客さんを心配してくれる優しいバンドだった。確かに寒かった、でもボーカルの柄須賀さんが半袖なうえに汗をかかれてる姿になんて熱いバンドなんだと思ってたら寒さを忘れていた。
INKYMAP
リハーサルからぶち上げていくスタイル!!リハーサルからファンの方が立ち上がって音楽を楽しんでる姿を見てるだけで幸せな気持ちになった。かっこよすぎてはじめましてなのに気付いたら拳突き上げてました。鼓動が速くなるビートに心と体が踊らされたしめちゃくちゃかっこいい音に乗せられる歌詞に背中を押された。明日を生き抜くための曲たちに救われてしまったなあ。憂鬱もこの音と音楽が吹っ飛ばしてくれるんだろうな。未来ノ種が一年延期になり溜まったものをステージにぶつける姿が印象的だった。「やってやんぞ!!」と叫ばれる姿に応えるようにフロアから上がる拳絶景ものだったな。雨の寒さに震えるどころか勝る熱い音楽にフロアが踊ってた!熱い音楽に心が震えた。INKYMAPの届けてくれた音楽によって野音が熱気に包まれ始めた。
kobore
いつだってエンジン全開!!koboreは今日もかっこよかった。爆音を鳴らし始まった「爆音の鳴る場所で」大阪の歌!「スーパーソニック」友達の歌!「ダイヤモンド」私は「ダイヤモンド」が好きなので泣いてしまいました、、、ボーカルの佐藤さんが「僕はTHE NINTH APPOLOの大ファンです!Unblockにいつか会えることを信じてバンドをやってきました!レーベルとか関係ないけどこうやってこんな素敵な舞台に呼んでもらえて幸せです」と話されていた姿は紛れもなくあの会場にいた人たちの中で一番輝いていたし夢を叶えた姿は世界一かっこよかった。そんな気持ちを込めて歌われた「幸せ」はこれ以上にないくらい心に染みた。キラキラした笑顔で歌われる姿にはこっちまで幸せになってしまった。あの空間は「幸せが生きていた」幸せの大渋滞だった!!
LUCCI
はじめましてのLUCCI!!MCで「Unblockの田口くんはいつも俺のことを親友だって言ってくれる。親友って誰にでも言えるわけじゃないし自分が親友だと思ってても相手はそう思ってくれてるとは限らないし難しいけどこの舞台に立たせてくれてありがとう」(うろ覚えです。すみません)とおっしゃっててこの関係ってとても素敵だなって大切な人にこそ想いを伝えないとと思わせてくれたMCでした。「ライブハウスの歌!」と言われ歌われた「灯火」ライブハウスで心に火を灯している曲なんだろうな。この曲はライブハウスでまた改めて聴きたいと思わされた。しかしライブハウスの歌とはいえしっかり大阪城音楽堂にも強くて大きな火を灯してくれていた!大人になってずっと忘れられないような瞬間が目の前に広がっていた。
WOMCADOLE
聞いてないよ!!リハーサルから「アオキハルヘ」そんな、、、贅沢すぎたリハーサルから本編一曲目には「人間なんです」おなじみの前振りに胸が躍る~!!続く二曲目に「綴り」冒頭の歌詞に涙腺がやられる、、、「雨大好きー!雨最高ー!」とステージ前方で雨に濡れながらスライディングする樋口さんとマツムラさん、樋口さんは勢い余ってステージから落下するハプニングも、、、どんな環境をも味方にしてしまうWOMCADOLEが大好きだな、、となったのと同時にあの日のゲリラ豪雨ライブを思い出しました。そして誰もが絶叫したであろう曲「ワンダー」さすがに不意打ちすぎました。「俺はもう足を止めない」と胸を張って言った樋口さんを見ると涙が出た。「特に決まった行き先とかは決まってないけど俺はみんなとてっぺんまでいきたいんだ」の言葉に続いた「FLAG」にはきっとあの場にいた誰もが救われてた。最後曲変更?されて歌われた「唄う」安田さんチョイス?ずっと後方で綺麗な髪をなびかせ力強いドラムを叩かれていた安田さんがドラム台から降りて指示されてから始まった「唄う」マツムラさんのギターが鳴った瞬間涙が出た。皆で唄いたい、いつか歌える日が来ますように。樋口さんがセンターにいないときに黒野さんがセンターポジションでベース弾かれてたのがかっこよすぎた!We are WOMCADOLE!最高だった。
ircle
リハーサルで「セブンティーン」を聴いた瞬間にこのバンドをライブハウスで目撃したいと思った。そう思わせてくれた音楽をリハーサルの時点で届けてくれた。あふれだした気持ちを曲に全面に歌われた「あふれだす」にはこちらもさすがに感情が溢れだした。「バンドが続くって本当にすごいことなんだ。Unblock10周年おめでとう。人の大舞台でこんなこと言うのもなんだけど俺たちも祝ってほしい、ircle20周年を迎えました!今日ここにいるみんなはバンド、ライブハウスをつないでいける人たちなんだ。だからどうか繋いでくれ、繋ぎ続けてくれ。」と曲中も「繋いでくれ」と叫ばれていた。20年「ircle」というバンドを続けてきたこと、続けてこれたこと、バンドが続いていることがどれだけすごいことか、この9組のバンドさんの中で説得力が一番強いバンドだった。
ハルカミライ
「30分間だけだけど雨付き合うよ」とボーカルの学さんが言ってくれて始まったハルカミライの30分間のライブ。ドラムの小松さんはリハーサルから上裸、学さんは3人と遅れて登場したがその時学さんも上裸。雨でステージ前方がびしょ濡れで普通に歩いても滑ってしまうくらいだったため「ねえ、俺らビビってない?(雨に)」とベースの須藤さんが仰った後からはもう恐れなんてない、容赦ないハルカミライ前方3人が大暴れ、もはやスタッフさんの入る隙も与えないほどに動き回ってた。私は何か忘れてた気がする。確かにルールが増えた、制限もできて前よりもライブの形が変わってしまった気がしてたけどそんなこと無かった。ステージ上で輝いてるロックバンドたちは自由だった。そんな姿を見てるだけで心がワクワクした。私はこのワクワクを忘れてた気がするよ、思い出させてくれてありがとうハルカミライ。「この雨は未来ノ種を咲かせるための雨なんだ!!」と仰った学さんの言葉忘れないです。「俺たち強く生きていかなきゃね」最高のメッセージを曲で伝えてくれた。
Unblock
時計を見ると時間は18:30を回っていた頃だった。外も暗くなり夜の大阪城音楽堂の始まり。今日1番照明が映えていた、1曲1曲の照明がUnblockを引き立たせていて心にグッとくるものがありました。Hump Back→INKYMAP→the paddles→kobore→LUCCI→WOMCADOLE→ircle→ハルカミライの8組がこの日撒いてくれた未来の種を大きく綺麗に咲かせたい気持ちの表れが雨にも出ていてこの日1番雨が強い30分間のライブだった。1曲目に披露されたのは「未来の種」自分たちの種もしっかり撒いてUnblockのライブが始まった。「10年間バンドやってきて初めてこのような舞台に立たせてもらえてます。みなさんのおかげです。ありがとうございます」と田口さんは仰ってくれた。「未来ノ種2020」がなくなってしまったけど決してこの1年間は無駄でも何でもなかったと思わせてくれたライブだった。「雨で寒い中最後まで残ってくれてありがとう。今日ここに来たこと絶対後悔させないです。」と言葉でしっかり感謝の気持ちを伝えてくれたUnblockの音楽はみんなに夢を与えてくれた、夢を見せてくれた、夢を叶え続けるかっこいいバンドってことを証明してくれた。泣いたり笑ったり沢山悩んでもがいてきた日々は決して間違ってないと教えてくれたバンドだった。「未来ノ種また必ず開催します!次はTHE SKIPPERSも一緒に!!」この言葉を信じて楽しみに生きようと思えた。
ありがとう未来ノ種
1年延期になってしまった「未来ノ種」1日雨の中の開催でこの雨を嫌な状況と捉えた人はいなかったと言えば嘘になるかもしれないがバンドマンたちが「花を咲かせるためには雨が必要だろ!?」 「この雨は未来ノ種を咲かせるための雨なんだ!!」 と言ってくれたり「雨最高ー!!!!!」と言ってステージ前方で雨に一緒に濡れてくれるバンドマンたちがいたり、愛の溢れた1日だった。開催してくれたことにもそうですがこの状況での開催っていうのは本当に大変だったと思います。その上雨。沢山準備して動いてくださったスタッフさんたちのおかげで素敵な1日になりました。裏方のスタッフさんももちろんですがかっこいい瞬間、この日の最高の瞬間をおさめるために土砂降りの雨の中傘もささずカッパも着ないでカメラを持ち最高の写真を撮り続けてくれたカメラマンさんたちの姿が印象に残っています。どんな状況も決してマイナスにしなかった人達で作りあげた最高の「未来ノ種2021」でした。今日撒いた未来の種はもう既に大きく育ち始めてるはず。少しずつ花が咲いてまた「未来ノ種」が開かれる時大きくてきれいな花が見れるのを楽しみにしてます。次はTHE SKIPPERSも。
出演バンドMV集
Hump Back 「拝啓、少年よ」
勝ち負けとか関係ないけどやっぱり「負け」は悔しくて悔しくて泣いてしまう夜もくじけそうになる夜もこの曲に出会ったから乗り越えていけそうだな、なんて思った曲。
INKYMAP「Goodnight And Goodbye」
どうしようもない夜、むしゃくしゃしてしまう夜に聴きたい曲。どこまでも強く居られるんじゃないかな、なんて思てしまった。ライブで聴いたらきっとハマる。
the paddles 「今は、エバーグリーン」
先ほど紹介させていただいた曲。誰かにとっての光になる曲、光を見つけさせてくれる、気づかせてくれる曲。何歳になっても目の前に広がる景色を青春と呼びたいと思わせてもらった。
kobore 「ダイヤモンド」
この曲も先ほど紹介させていただいた曲。確かにダイヤモンドはきれいで美しいけどあの日私の目の前にはダイヤモンドよりきれいな景色が広がってた。大切な友達に贈ってほしい曲ほしい曲。
LUCCI「イチについて」
どんだけ頑張っても結果が出なかったり、辛くなることもあるけど、何もしないより動いて失敗したい。その経験は未来の糧になると教えてくれた曲。出演モデルの小川さん(がーくん)かっこいいのでぜひ見てください。
WOMCADOLE「応答セヨ」
WOMCADOLEのことはたくさん書かせていただいているのでもしこの曲聴いてかっこいいと思ったら記事読んでください!胸を張って生きるしかないんだよ、背伸びするくらいがちょうどいいのかも。救われてください。
ircle 「あふれだす」
曲名通り、、、溢れだしてる、、感情が、、こっちまであふれちゃう。是非このバンドを目撃してほしい。ライブ中「繋いでくれ」とおしゃってたけど私はしっかり繋げてるかな。聴いてほしい。
ハルカミライ「ファイト!!」
この1分13秒できっとハルカミライのトリコ!!拳突き上げて皆で歌いたいなあ。この日の大阪城音楽堂もフロアからは拳が突きあがってたしフロアとステージ、距離はあっても会話していたようなライブだった。
Unblock「未来の種」
未来を生きるために必要な音楽。優しさほど暖かなものはなくて花ほどきれいで繊細なものはないと思う、この曲はそんなモノのように思う。この日見た景色はこの曲を聴くと思いだせる。そしてこの日撒いた種が綺麗に咲く日が楽しみ。
ここまで読んでくださってありがとうございます。ずっとずっと大好きな音楽が鳴り止みませんように、そしてこれからの音楽業界に大きくてきれいは花が咲きますように。どうか、ここまで読んでくださった方が新たな音楽に出会って、そして繋げてほしい。音楽を、ライブハウスを、ロックバンドを。
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