恋愛雑文

この文章を書こうと思いついたのはいうまでもなく元同居人兼恋人とのことをぐるぐる頭でこねくり回していたからである。
初めての彼氏は今思えば最悪に近いものだった、十歳以上年上で金もなく団地の実家住まいだった。
彼と彼の友人たちと遊ぶのはとても楽しかった。いつもお金を出してくれるのは私の恋人ではなくその友人たちだったような気がする。
とにかく彼はお金もなく、向上心も感じられないような人であった。
なぜそんな人と付き合ったのかといえば簡単である、初めて私に「好き」と言ってくれた人であったからだ。
私のどこが好きなのか聞いてもちゃんとした返事はくれなかった。今思えばなんとなくコイツならいけるだろうくらいの感情だったのだろう。
半年ほど付き合ったが私は彼よりも彼を取り巻く友人たちの方を人として好きになった。彼にユーモアがないが彼の周りの人たちは大人でユーモアがあって落ち着いていた。
付き合っていた頃は家庭環境が良くなかった時期であったため、よく団地の彼の実家に泊まった。
狭い家だったが、彼の父親は元出版社勤めで本が所狭しと積み上げられていて、彼の父親からよく本を借りた。
当時は自分の家が居場所として機能していなかったし、面白い本を探すために彼の家に行っていた面もあるのかもしれない。
しばらくしてとうとう自分の家で過ごすのが本当に嫌になり、アパートをの一室を会社が借りている寮付きの職人仕事を始めた。
彼との関係に対してはそろそろ終わりが近いのかもしれないなと思いつつ、それどころじゃなかったのもあってなんとなく続いていて。
引越しは私が軽トラを借りて彼に運転してもらった。仕事も最初はなんだかんだ上手く行っていたし楽しかった。
仕事にも慣れてきた頃、仕事終わりに彼が私の寮に来るという予定を立てたが彼は来る途中で同級生と偶然会い、酔ったのでそのままその同級生の家に泊まることになると連絡が来た。
私も仕事が長引いていたが、会うのを楽しみにしていたためにとてもショックで徐々に腹が立った、もちろん自分の彼氏に。彼の同級生は私も知っていて例に問わず面白い人で彼は悪くない。
翌日、彼は寮に来たが、地図を送っていたにもかかわらず私の家とは反対方向に向かい「迷った」との連絡が来た。なぜ私が迎えに行かねばならないのかとイライラしながら迎えに行くと、お詫びのためか近くの動物園に行こうと言い出す。そしてさらに腹が立つ、なぜなら私は動物園が嫌いでそのことは何度か彼に伝えていたからだ。なんも覚えていないんだなと。
寮に着いてもなんだか微妙な空気だったと思う。イライラは落ち着いたが眠気がきたので、することもなくそのまま2人で寝た。
起きたら性交渉が始まった。彼は無言で胸を弄るが私は良いとも嫌とも言わずただなんだこれと思っただけ。
そしてこの人とは性交渉したくないと頭の中っで断言し、しばらくして普通に別れた。
その後もたまにご飯に行ったりしたが、辺鄙なところに引っ越した所以に一緒に遊ぶ人が居なかったからだったんだと思う。めっちゃ年上なのに割り勘だしね。
初彼氏と別れてからはまるでゲームのようにティンダーで知り合った人と代わる代わる性交渉した、今思うと狂っているが感覚としては本当に保育園で友達とする粘土遊びの延長みたいなものだった。
しばらくして何故か大阪に引っ越した。貯金もなく。
私は祖母の死をきっかけにずっと狂っていて、元々いた会社の先輩のツテで同じ仕事を大阪でやろうと思ったのだ。その頃は本当に病的で、その離婚調停中の先輩とも性交渉した。
これに関してはいまだに後悔しているが、もう数年も前のことだし仕方がない。
最終的に大阪では統合失調症のような症状が出て、母に迎えにきてもらって地元に戻り、以前から通院していた精神科に入院した。
退院後もしばらくはゲームのようにティンダーで遊んだり、他のSNSで声をかけてきた人とも友人兼セフレのような関係を続けたりしていた。
ちなみに今住んでいる場所はその元友人兼セフレの家の近くだ。連絡をとっていないのでわからないが恐らく今もそいつはそこに住んでいるだろう。
その後はとりあえず落ち着いて新しい仕事を始めて、苦戦しつつも楽しく働いていた。
しかしまた家庭環境が狂いだし、元々苦戦していた仕事もさらに上手く行かなくなる。
実家がなくなるので職場の近くに引っ越したが引っ越した翌日にクビになり、その後は国からのコロナ支援金で適当に生活していた。
ここで新しい彼氏ができた。元同居人だ。
元同居人は元々弟の友人で、弟は当時引きこもっていた私の状況などを話していたようで私からすれば会ったことはないけど知っている人だった。
その後、私がパーティーというものに出会ったのがきっかけで弟の友人は私の親友の一人になり、よく一緒に遊んだ。まるで兄貴のようで、相手も私を妹のようだとよく言っていた。
実際、元同居人は良い人だった。想像できないくらい世間知らずだと知ったのは付き合ってからだったが相手には向上心があり、よく考える人だった。
私も世間知らずなので人のことは言えないが、いろんなことを相手に教えたと自分では思っている。自分ではね。
元同居人の無知からくる差別的にも取れる発言をしてもキレずに説明したりしたし、説明すれば相手は解ってくれた。
いつも私を優先してくれたし、最初の彼氏には抱かなかった感情が彼といると幾つも現れた。
ところがここでも問題は起きる。私が自閉症スペクトラムだとはっきりと認識させてくれたのは彼だ。
元同居人は私の特性が理解できず、色々と指摘されるようになった。私も自分のことがよく解っていなかったのもあり、相手の言うことに納得がいかなくてもなるべくいう通りにしようと努力した。ずっと頼っていたベンゾジアゼピンも辞めようと断薬したりもした。
最初は楽しかった、ただ楽しかったが段々とお互いに苦しくなってきてしまった。二、三回別れ話をするもお互いに大号泣してやっぱり頑張って続けていこうという方向になる。お互いに仕事に行ってなかったのも上手くいかなかった原因の一つであることは間違い無いだろう。
そうこうしているうちに私は再び入院するも、愛犬が歳のせいで体調が悪く不安になりすぐ退院してしまった。
元同居人は退院日には最寄りの駅まで迎えにきてくれた、私は相手に会うまでまたやっていけるか不安で仕方なく駅で迎えを待ちながら泣いていたのを思い出す。
なんとなく久しぶりというような空気で2人で帰路に着く、そうして私はまた酒と処方箋に溺れる毎日を繰り返した。
ある日、些細なことがきっかけでお互いに不機嫌モードになり私は家を自殺未遂をするのだが、その時も元同居人は捜索願いを出してくれていたし、お金がないため搬送先の病院から歩いて家に帰ったらしい。退院して三日後に再び通院していた病院に入院することになったが、その時も母と一緒に荷物を持ってきてくれた。
退院して家に帰れば元同居人は色々言い残して出ていった。

そのあとしばらくは元同居人のことは特に考えていなかった。しかし一度忘れ物を取りに家へ来た時にちょっとしたお土産を持ってきてくれた相手に会うとなんだかとても悲しくなってしまってしばらくはそういう感情を抱いていた。
またしばらくすると自分の精神状態が最悪に近づいてきて、実家があり、ご飯に困ることのない普通の家庭で育った元同居人に軽い憎しみや妬みといった感情が出てくるようになる。そういった感情を抱きながらもどうして別れたんだろうとか、相手が出来ちゃった結婚したら軽蔑するほかなくなるんだがどうしようとか、側から見たら訳のわからない様々な考えがぐるぐる頭を巡っていく日々を過ごした。
そうして過ごしていながら前々回の通院日にたまたま元同居人から連絡がきて、少し心が和らいだ。
今は薬のおかげでだいぶ活動的に過ごせているため、全てに対する負の感情はほぼ脳内から消え去っている。就労移行に通所してスキルを得て元同居人を見返したいとか思ったりしつつ、ひとりぼっちだけれどもなんとなく良い感じに過ごしている。

途轍もない乱文だがお許し願いたい。
以上。


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