仕事を辞めてしまったよ。

9月の終わりから観光地にある外資系レストランのキッチンで働きはじめた。
求人では時給1250円だったが、実際には1200円だった。
キッチンは今までの飲食店に比べたらとても働きやすく、人も優しい。飲食店によくある”人によって盛り付ける量がコロコロ変わり何故か新人が怒られる”こともない。休日は鬼のように忙しく、自分が何をすべきか、新人の自分に何ができるかを考える暇もないほどだった。そのとてつもない忙しさのなか、経験が役に立ったようで滅多に褒めないといわれる料理長をはじめ先輩たちからよく動けてると出勤のたびに褒められてこれまでの”仕事ができないコンプレックス”を克服できた。若干無理してる感は否めなくもないが比較的順調だったのだ、バイトリーダーが現れるまでは。
2歳上の自称ラッパーのバイトリーダーは私が入ってすぐ2週間の休みを取っていたためにキチンとしたコミュニケーションを取ったことがなかった。働き始めて2週間、このまま頑張れそうかもと考え始めだす頃に彼はキッチンに戻ってきた。
平日の暇な時間帯バイトリーダーと2人でキッチンにたって軽く雑談する流れになるが、もちろん私から話しかけることはしない。
開口一番、彼は「俺は黒人のグラマラスな女の人に性的に惹かれる」と言ってきた。何度も「性的に」というワードを使い、自分がいかに黒人女性が好きかを半分黒人である私にアピールしてきた。いわゆるジャングルフィーバーってやつだ(バイトリーダーは白人ではなく日本人だが)
内心混乱する、こいつは何が言いたいのだ。だってそんな話をするような仲でない、まともにお前と話すのは初めてだぞ。その時はなんとか「えらい変わってますね」と言ってあとは流した。
それ以来、2人きりの状況にあると「黒人と性的な関係になれるか」「日本人はタイプか」など聞かれるようになった。
私は真面目にいや…など答えてたものの、なかなか微妙な心持ちだった。
さらに物事を悪くしたのは、このバイトリーダーと非常に仲の良い自称ラッパー2の存在である。彼は悪い意味で非常に日本人っぽい男性である、表面上は普通にいい人で裏では陰湿なタイプである。
この2人は勤務中にじゃれ合うほど仲良く、自分たちのことをアルファだと勘違いしているように私には見えた。この2人とシフトがかぶると必ず何か私について話している気がして気が狂いそうだった。最初は軽い被害妄想を起こしているのだとパニクりながらも黙ってもくもくと作業するようにして、気にしない気にしないとなんとか心を落ち着かせるのが基本であった。
結果として彼らは私について話していたのである。なぜそれがわかったかというとホールの子と仲良くなったからである。
少し話がズレるが、彼女は私に英語で私がゲイかどうか質問してきてから仲良くなった。私をみてずっとゲイだろうなと思っていたらしく、私と違って性能の良いゲイダー(ゲイのレーダー)を持っているなと感心した。
彼女がいうにはこの職場の人たちは基本陰湿だと言う。彼女は過去に同僚を家に呼び飲み会をしたりしたが、その同僚たちが裏でその子の悪口を言っていたとのこと。そしてその同僚のうち何人かはキッチンのエセアルファたちと仲良しなのである。そんなエピソードを聞いてからというもの、彼らと働くのが怖くなってきた。なんせ陰で何か言われてる恐怖がもとからある上にそれを固める証言を聞いたのだから。それからは出勤前にシフト表をチェックし、エセアルファたちとかぶっているか確認するようになった。もちろん優しい先輩たちもいる。なかでも初日からとても優しく接してくれた先輩がおり、その人がいれば安心して出勤することができていたものの、病み始めている自分に気がつく時には勤務中に”辞めたい”としか思考できないようになっていた。バイトを辞めることを考え出してすぐインフルエンザに罹った。
1週間近く休んだが、何とか出勤できたのは優しい面子しかいない日かつ4時間勤務だったから。翌日の勤務日からは正午から23時の長時間しかもエセアルファたちとシフトがかぶっている。…もちろん行けなかった。それからもう駄目になって行けなくなった。
月2で通う医者にはバイト先での不満、不安をツラツラたまにウルウルしながら話していたので、「ハッキリとした原因がわからないが辞めたい」と相談するとそのエセアルファたちのノリがドカタの時の同僚と似てるからストレスなのではないかと言われ、それだーーー!と納得した。と同時にこれは辞めるしか解決策がないとしか思えなかった。とはいえ、せっかく受かったバイトだし仕事においては認められているのに2ヶ月で辞めてしまうのはもったいなくて明日は出勤できるかもとモヤモヤしながら休み続けた。最終的にラインで辞めたい意思を伝え、考え直してくれという料理長に誰とは言わずセクハラ発言を細かく説明した。処罰も検討すると言われたが、セクハラを告発してしまい店の秩序を乱した私に戻る勇気はないと言うことで終わりになった。
母と合わせて収入が一気に増えたので生保が停止になったタイミングで私は仕事を辞めた。仕事を辞めたことに対しては自分を守るための選択だったと医者のおかげで自分を責めずに済んだ。
やんわりと職探しをしているもの人と働くのが怖くなっている。求人を見ても面接そのものもストレスだし、”もう無理だ”となりブラウザを消すの繰り返しだ。
障害年金を受給できることを前提に希望を持ち、将来設計を立てている。それでしか希望を持てないので。
母から受給できなかったらどうするかと聞かれたので給付型奨学金を貰うなりして美大に行きたい選択肢を伝えると「家から出ていかないのか」と言われたのをきっかけに鬱っぽくなり、追い打ちをかけるように成功者の弟が帰国中なので社不の私は母から八つ当たりを受けて死にたくなっている。

誤字脱字すみません。
以上。

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