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辛さというものは毒だ

辛さというものは毒だ。

どれだけ絞り出しても1度体を巡った毒はなかなか排出されない。

手足に痺れが残り、目からは涙がこぼれる。

テレビも音楽も体が拒絶する。

誰かにいて欲しいのに誰かがいると鬱陶しい。

しかし、毒というものは気付かぬうちにどこか遠くへ去っているものだ。

霧は晴れた。体の隅々まで縦横無尽に伸びる。

音楽は私を鼓舞し、リビングで観るテレビは顔をほころばせる。

人と一緒にいる自分を好きになれる。

そして毒の味を忘れてしまうのだ。

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