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【思い出】教え子からラブホテルの料金画面をスクリーンショットで送られた話。

noteらしからぬタイトルですみません。

でも、タイトルの割にはほっこりする話ですので、最後までお読みいただけますと、幸いです。


1.旭川で高校の先生をしていた

ちょっとしたきっかけから、2013年10月、私は高校教員、所謂「先生」になりました。年度の途中で、前任の先生に不幸があったことから、年度の途中から着任。それまで民間企業で営業事務をしていたので、心機一転したチャレンジでした(なんで教員になったのかは別の機会に)。

それはそれは、松岡修造さんばりの熱血教師になっていたと思います。初めての転職でしたので、新しい環境に期待していたのだと思います。

当時、山田くん(仮名)という母子家庭の生徒の進路指導をしていました。山田くんはとても一生懸命な生徒で、私の放課後の講習にもほぼ毎日参加し、見事に希望した進路に推薦入試で進学を果たしました。

あの進路(大学)の合格は当時のあの学校の中でも前例にないことで、それはそれは褒めたたえられていました(プライバシーに関わるので大学名は非公表で!)。

親御さんにも相当感謝され、私は教員として山田くんは本当に誇りでした。それは、山田くんの心に「火」をつけることができたということ。私自身は本当に何もしていない。山田くんが高校3年生になって、講習をやりはじめてから、3か月。みるみる目つきが変わっていきました。彼自身が何かに気づけたんだと思います。彼は本当に短期間で成長していった。そんな彼を見ることに、教員としてのやりがいを感じていました。

私自身はそんなこともあってか、教員をやめて7年近く経ちますが、お互いの誕生日に毎年連絡を取り合うような仲になっています。そんな山田くんのお話です。


2.私が学校の先生をやめてから

端的に言うと、派閥争いに巻き込まれ、1年程で教員を辞めることになりました。

1社目と同じ物流業界に戻り、北海道の苫小牧で忙しい日々送っていました。そんな年の8月。彼から連絡が入りました。

「先生、札幌に遊びに行きます!」

もう彼も20歳。元教え子を連れて飲み行こう。そう思いました。彼と日程を合わせ、札幌の琴似の「串鳥」という焼き鳥屋で待ち合わせ。

2時間みっちり語り合いました。

・彼は大学に入って、年上の彼女ができた。

・大学はとても楽しい。先生に大学進学という選択を示されたことにとても感謝している。

・これからも先生には教えてもらいたいことがたくさんある。

正直、泣きそうでした(かっこつけて泣いてないけど)。派閥に巻き込まれて、あの学校を去ったけど、私が教えていたことは正しかったんだろうなって心から思えました。

私は彼に言いました。

「先生に対して、感謝の気持ちを伝えてくれてありがとう。でも、もうおれは学校の先生じゃないんだ。だからこそ、学校の先生じゃ聞けないような、どんな悩みも躊躇なく相談して欲しい。今度は人生の先輩として、伝えれることは伝えるから。」

彼はまだ慣れていないお酒(1杯)を飲みながら、顔を真っ赤にして大きく頷きました。

この会はこの時間で終了。彼は札幌在住の友人の家に泊まりに行きました。


3.その1週間後

とても良い時間を過ごせたな。そう思いながら、苫小牧で忙しい日常に戻っていました。真っ赤な顔で大きく頷いた山田くんの顔を思い浮かべながら、彼に恥ずかしくない大人でいようと思い、懸命に仕事をしていました。

すると、彼からLINEが来ました。

なんか、画像が来ている。

LINEを開いてみました。

すると、ラブホテルの料金の画面をスクリーンショットしたものが送られていたのです。


えっ?なに?彼女と間違えた?

えっ?年上に惚気?

えっ?おれのこと先生扱いしてたよね?


その画像に既読がついたのを確認したのか、この1文が追加で送られてきました。


山田「先生、この料金は二人分ですか。一人分ですか。







おれ「安心しろ。二人分だ。」






山田「ありがとうございます!先生なら知ってると思って!!






整理しよう。1週間前の私の発言。

「先生に対して、感謝の気持ちを伝えてくれてありがとう。でも、もうおれは学校の先生じゃないんだ。だからこそ、学校の先生じゃ聞けないような、どんな悩みも躊躇なく相談して欲しい。今度は人生の先輩として、伝えれることは伝えるから。」


「どんな悩みも躊躇なく」

うん。どんな悩みも聞くって言っちゃってるね。


そして、先週の彼の発言。

「これからも先生には教えてもらいたいことがたくさんある」


マジか。先生に教えてもらいたいことってこれだったのか。


ここで私が抱いた感情は、「山田って、かわいいなw」でした。

こんな山田くんも、令和の始まりに社会人になり、もう2年目。

これからも山田くんのどんな悩みも躊躇なく応えていきたいと思います。



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