サウナ・スパプロフェッショナルは覚悟の証
どうも、サウナ・スパプロフェッショナル所有者のササウナです。
この記事は、「サウナ・スパプロフェッショナル」を取ろうかな、気になってるけどどうしようかな、そう悩んでいる人の背中を押そうというエントリ…
じゃあない。
■メリットは特に無い
会員証提示で全国有名サウナ施設で割引を受けられるのは「サウナ・スパ健康アドバイザー」のメリットの一つだ。
しかしその上位資格である「サウナ・スパプロフェッショナル」の資格を取得して、そういう分かりやすいメリットは何一つ無い。
いやでも、持ってたらちょっとウケるかな、モテるかもな、そんな考えの人は次の段で踏みとどまって欲しい。
■むしろ15,000円かかる
取得のために15,000円かかる。
ちょっとウケたいのなら、モテたいんだったら、15,000円の使い道はもっと他にあるはずだ。
15,000円。すごい金額である。
ウェルビー栄の60分コース1,100円(2023年1月現在)なら13回行ける。
「だったらウェルビーに行くぜ」
そう考えるあなたはきっと正しい。損得を合理的に考えられる人だ。仕事でも人生でもきっと成功するだろう。
では、私が間違っているのだろうか。とりあえずなってみようと自暴自棄に、人柱のつもりで、自己犠牲の精神で、プロフェッショナルを取ったのだろうか。
■サウナ・スパプロフェッショナルとは何か
手始めに公式の説明を引用しよう。
お分かりいただけただろうか。
健康アドバイザーが、「サウナを楽しむ人のため」の資格であるならば、プロフェッショナルは「サウナで楽しませたい人のため」の資格だということだ。
「寿司を食べる人」と「寿司を握る人」には大きな壁がある。
「M-1グランプリを観る人」と「M-1グランプリに出る人」には大きな壁がある。
つまりこれは、「消費者」と「生産者」、「観客」と「クリエイター」の壁を越えるための資格である。
■愛=理解
かつては私も「ただ気持ちいいから」「終わった後のビールが美味いから」サウナに行っていた。しかしある一定の情熱を持ってサウナに行くようになると、やがて周囲にこう聞かれるようになっていった。
「サウナの何が良いんですか」
「健康に良いんですか」
「ジムのサウナで十分じゃないすか」
そして、私はそれに対して苦笑いしたり、浅い知識で反論したり、腕力でサウナに引き摺り込んだりしてきた。
「ととのうってどうなんですか」
「水風呂って大丈夫なんですか」
「ていうか、サウナって一体なんなんですか」
それでも止まない矢継ぎ早な質問に、やがて言葉に窮するようになる。
そういえば、そうだ。
私はこんなにサウナのことが好きなのに、愛しているのに、サウナのことをまだよく知らない。
何が良いのか、健康にどうなのか、施設ごとの違いは、適切な温度は、本場フィンランドではどんな感じなのか、運営する人はどういうことに気をつけているのか…学びたいことは尽きない。
それらの概要を体系的に、必要十分に、学ぶことができる。それがこの資格、サウナ・スパプロフェッショナルである。
世の中には、不言実行の愛もあるだろう。能書きを垂れずにひたすらサウナに行く。そういう人もかっこいい。
だが私は語りたい。だからもっと深く理解したい。私にとっては、愛=理解。自分の言葉で語れるようになってこそ、愛なのだ。
そして…
そしていつかは…
■プロフェッショナルとは覚悟のこと
サウナ・スパプロフェッショナルとは、しつこいようだが、「管理する側」の資格である。
管理。
便利で曖昧な言葉でボヤかしていたがハッキリ言おう。
つまり「自分のサウナが欲しくなった人」向けの資格であるということを…!!!
あなたがもしそうであるならば、この15,000円はまったく高くない。
自動車は新車なら安くても100万はするが、その免許は20万くらいはかかる。
サウナはテントタイプでも20万くらいするが、そのための免許だと思えば良い。
どちらも扱いによっては命に関わる危険なものだが、それらを正しくコントロールする知識を習得するのに、むしろ15,000円は破格と言っていいだろう。
サウナ・スパプロフェッショナルとは、つまり「あなたがサウナを買う、作る、管理する側の人間になる」覚悟の証なのである。
■で、どんな感じなのか
テキストが200ページくらいあるのだが、試し読みができるので、見てみて欲しい。
https://sauna.or.jp/professional/images/SanuaProText.pdf
げぇー!!!!
仕事で必要な何がしかの資格を取らなくちゃいけないときのあのイヤーな感じ!と私は初見では思った。
でも、読み進めると確かな学びがある。
サウナが好きな人なら、自ずと腑に落ちることが多いのだ。言葉じゃなくて心で理解できる。
サウナの構造って基本こうなのか。
こういう医療的な効果があるのか。
へー、濾過器ってこういう役割で、あの銭湯にあるあれはこの機械だったのね。
レジオネラ菌かー。
防火は大事よねー。
なるほどなるほど…。
そして読み終えて、試験に挑戦する。
流れ的には「サウナ・スパ健康アドバイザー」と一緒だが、ボリュームと難易度がエグい。
そして…回答用紙を日本サウナ・スパ協会に送付…。
晴れて合格して、私はスタンド使いになったのだッ!
(あ、いやスタンド使いにはなってません)
(まだ)
■そういえば、なんかDVDがついてる
このDISCが同梱物で一番原価が高そうなので、ネタバレしてはいけない気がするのだが、なんかサウナのDVDがついてる。オール外国人の映像だ。
少しだけネタバレすると「モザイクとかかかってないけどねぇこれ大丈夫なヤツぅ?」「摘発とかされない?」と思った。
■プロフェッショナルの視点
一度プロの知識を得てしまうと、やおら普通のサウナに行ったときに、換気の経路が気になったり、スーパー銭湯において濾過器が気になったり、独特のムーブをするようになる(個人の感想です)。
だがそれが得てしまった知識が、本来のサウナの楽しみを低減するようなことは全くない。
むしろ興奮する。
自身の変態性がパワーアップしたのと同時に、世間一般との隔絶が大きくなっていくのを実感する。
だから、万人に勧めるものではまったくない。
でも私は取った。正しいと思ったからやったんだ、後悔はない。
こんな世界だからこそ、自分の信じられる道を歩いていたい。
■最後に私信を
というわけで、サシミンクさんは、この執筆時点ではまだプロフェッショナルは取っていないはずだ。まだ、「こちら側」に来ていない。
迷えるサシミンクさんをナランチャになぞらえて、最後にブチャラティの言葉を贈って終わりとしよう。
あと、「ジョジョ成分を薄めて書く」って言ったのに、スマン、ありゃ嘘だった。