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【連載】大阿久佳乃が翻訳するアメリカ現代詩 #4 (フランク・オハラ『ランチ・ポエムズ』)


アメリカ文学エッセイ集『じたばたするもの』(サウダージ・ブックス)を刊行した文筆家の大阿久佳乃さん。同書で取り上げた詩人たちの作品を、大阿久さんの翻訳でお届けします。



フランク・オハラ
大阿久佳乃 訳

インスタント・コーヒーにちょっとのサワークリーム
を、ちっとも近づいてきそうもない
彼方への電話。
「ああパパ、何日も酔っ払ったままでいたい」
新しい友だちの詩の上で
僕の人生は 人々の見える手の中で
不安定に保たれている、彼らの、僕の不可能性。
不可能なんてなかった初恋が
やっと死んだ今、これは愛なのか?

(1956)


訳者コメント

センチメンタルで、どことなく消費主義のキッチュさをアンダートーンに感じる短い詩。サワークリームとの組み合わせは試したことがないので美味しいのかはともかく(悪くはないと思う)、ちょっとインスタント・コーヒーのパッケージに書いてありそうな詩でもある。

大阿久佳乃(おおあく・よしの)

2000年、三重県鈴鹿市生まれ。文筆家。2017年より詩に関するフリーペーパー『詩ぃちゃん』(不定期)を発行。著書に『のどがかわいた』(岬書店)『じたばたするもの』(サウダージ・ブックス)、月刊『パンの耳』1〜10号、『パイナップル・シューズ』1号など。

https://saudadebooks.thebase.in/items/71651397


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