Saudade Books

知恵をひろい、歌をおくる。波のページに耳をすませる。本の向こう側にひろがる、あこがれの風景へ。サウダージ・ブックスは「旅」と「詩」と「野の教え」をテーマにする出版社です。文学やアートの本を刊行しています。新刊は宮脇慎太郎『流れゆくもの-屋久島、ゴア』

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知恵をひろい、歌をおくる。波のページに耳をすませる。本の向こう側にひろがる、あこがれの風景へ。サウダージ・ブックスは「旅」と「詩」と「野の教え」をテーマにする出版社です。文学やアートの本を刊行しています。新刊は宮脇慎太郎『流れゆくもの-屋久島、ゴア』

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    • 特集 宮脇慎太郎

      瀬戸内国際芸術祭公式カメラマン、香川在住の写真家・宮脇慎太郎の旅行記やエッセイなどをまとめています。ローカルの風景、人、光。

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      じたばたするもの【国内送料無料キャンペーン実施中!】

      エッセイ集 じたばたするもの 著者 大阿久佳乃 発行 サウダージ・ブックス 46判変形 176ページ ペーパーバック 装丁 納谷衣美 定価 1800円+税 初版発行日 2023年3月21日 紹介文 《私の好きな小説の主人公に共通しているのは欺瞞やごまかし、半端な妥協に溢れているにもかかわらず平気な顔をして回り続ける世界への苛立ちを持っていることだ。苛立つのはそれが変わるのをどこかであきらめきれていないからだ。そしてこの間違った回り方をしている世界に馴染むまいとし、じたばたする》 ——本書より ソール・ベロー、スタインベックから、トニ・モリスン、アドリエンヌ・リッチまで。現代作家の小説や詩から、北米先住民の口承文学まで。J・D・サリンジャー『キャッチャー・イン・ザ・ライ』の主人公ホールデンに自分を重ねる大学生で文筆家の著者が、アメリカ文学・海外文学を読みながら、《生活すること・生きること・感じること》について綴った18編のエッセイを収録。 各エッセイの末尾には、読書案内として、本書で紹介したアメリカ文学・海外文学などの本の情報を掲載しています。 目次 はじめに 情けない人々 ——ソール・ベロー『この日をつかめ』 鮮やかな乾き ——スタインベック『赤い小馬』 私たちの引っ越し ——リンドグレーン『ロッタちゃんのひっこし』 帰る場所を求めて ——セアドー・レトキーの詩 ホールデン・コールフィールドに捧ぐ ——J・D・サリンジャー『キャッチャー・イン・ザ・ライ』 最近読んだものの周りうろうろしつつ東京に一人暮らししてる友人に向けて ——マーシャ・ノーマン『おやすみ、母さん』 他人という「気」 ——ウィリアム・サローヤン『人間喜劇』 離れる ——パヴェーゼ『月と篝火』 鏡 ——カーソン・マッカラーズ『結婚式のメンバー』 まだ消えていない炎のこと ——カーソン・マッカラーズ『心は孤独な狩人』 一人の中の多数の人間 ——マリオ・バルガス=リョサ『ケルト人の夢』 「もの」そのものへ ——W・C・ウィリアムズの詩 ぶらつく詩人 ——フランク・オハラの詩 孤独と優しさ ——エリザベス・ビショップの詩 それがこれです ——ガートルード・スタインの「自伝」 根を求める ——金関寿夫『アメリカ・インディアンの詩』 (私たちの)願いのこと ——トニ・モリスン『青い眼がほしい』 親愛なる私(たち)へ ——アドリエンヌ・リッチの詩 おわりに 著者紹介 大阿久佳乃(おおあく・よしの) 2000年、三重県鈴鹿市生まれ。文筆家。2017年より詩に関するフリーペーパー『詩ぃちゃん』(不定期)を発行。著書に『のどがかわいた』(岬書店)、月刊『パンの耳』1〜10号、『パイナップル・シューズ』1号など。
      1,980円
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      流れゆくもの 屋久島、ゴア【国内送料無料キャンペーン実施中!】

      旅行記 流れゆくもの ——屋久島、ゴア Floating Being: Yakushima, Goa 著者 宮脇慎太郎 発行 サウダージ・ブックス B6判 92ページ(1色80ページ、カラー12ページ) 並製 装丁 川邉雄 定価 1800円+税 初版発行日 2022年9月30日 紹介文 屋久島、そしてインド・ゴア。自分自身の音楽体験に導かれるようにして訪れた2 つの土地。そこで出会った風景と人々に向き合ってあらためて思い知ったのは、三省さんのいう「深い悲しみと 豊かさ」だったかもしれない。 旅は終わった。メロディーとリズムは鳴り止んだ。しかし静けさの中で流れは続く。アフターパーティーは始まったばかりだ。 ——宮脇慎太郎 1960年代に「部族」と称するコミューン運動を起こした詩人・山尾三省のことば、そして「ゴアトランス」などの音楽とダンス。香川在住の写真家・宮脇慎太郎がパンデミック以前の屋久島、そしてインド・ゴアへの旅を記録したトラヴェローグ(紀行)。 「Experience is everything」。ローカルからローカルへと渡り歩きながら、影響を受けたカウンターカルチャー/ヒッピーカルチャーの源流を訪ねる途上で、人々や自然と濃密に触れ合った経験を自己省察的に語る。生きることの悲しみとは、豊かさとは——。 屋久島およびインドで撮影したカラー写真も収録。 目次 Side A: Road to Yakushima Side B: Road to Goa あとがき 著者紹介 宮脇慎太郎(みやわき・しんたろう) 写真家。瀬戸内国際芸術祭公式カメラマン、専門学校穴吹デザインカレッジ講師。1981年、香川県高松市生まれ。大阪芸術大学写真学科卒業後、六本木スタジオなどを経て独立。大学在学時より国内外への旅を繰り返し、日本列島では聖地と呼ばれる様々な場所を巡礼。2009年、東京から高松に活動の拠点を移す。2020年、香川県文化芸術新人賞を受賞。写真集に『霧の子供たち』『UWAKAI』(サウダージ・ブックス)ほか。 https://www.shintaromiyawaki.com/
      1,980円
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      宮脇慎太郎写真集 UWAKAI

      【在庫僅少】 宮脇慎太郎写真集 UWAKAI 著者 宮脇慎太郎 発行 サウダージ・ブックス A4判変形 112ページ(カラー98ページ、1色16ページ) 上製 装丁 大池翼 定価 3800円+税 初版発行日 2022年4月30日 紹介文 2015年の春から2021年の夏までの約6年間、四国の南西部を断続的に旅した。そこは透明度の高い宇和海に面し、リアス式海岸が続く美しき最果ての地。 海に山々が突き出す平地の少ない地形に人々は石を積み上げ、集落や段々畑を作ってきた。どんな場所であってもここで生きていく——時を経ても崩れない石垣は、そんな意志を無言で体現しているように思えた。 宇和海で出会う人々はすべてをおおらかに受け入れ、たくましく生きる者が多かった。…日本では少子高齢化の加速によって、将来消滅する自治体も少なくないと言われている。しかしそれでもこの地でこの海で、人は生き続けると信じたい。 ——宮脇慎太郎 本書より 四国・宇和海に面するリアス式海岸の風景と、ローカルに生きる人びとの姿。「辺境」と呼ぶにふさわしい土地に漂う、圧倒的にリアルなものでありながら、ことばで表現するのが難しい「精神性」を、「光」を捉えたい——。 瀬戸内国際芸術祭公式カメラマンである写真家・宮脇慎太郎が、愛媛・佐多岬から高知・沖の島まで宇和海海域をめぐる6年間の旅を記録した作品集。地域の伝統行事や「鹿踊り」など祭りの写真を含む93点のカラー作品、書き下ろしのエッセイ「うらかたの光」を収録。 購入者特典のリーフレットには、サウダージ・ブックス編集人アサノタカオのエッセイ「蔵書返却の旅——塔和子さんのこと」を掲載しています。 目次 序 UWAKAI うらかたの光へ 宮脇慎太郎 写真作品リスト 【推薦のことば】 森のエウリディケがワタツミの神と出逢うところ 世の果ての小さな入り江に船が入ってゆく リアスの襞がほんの一瞬ゆれて静まる 時は永遠をいたましく刻むように流れた けれど新しい人よ 嘆いてはいけない 光の下 きみが歩を進めるたび  その湿った音が過去と未来のすべてを連れてくる けっしてかわらないものがあるという希望 媼の皺深い掌には不ぞろいの真珠 幼子の瞳には薄緑色のアコウの実 ——今福龍太(人類学者・批評家)「UWAKAIの光に寄せて」 著者紹介 宮脇慎太郎(みやわき・しんたろう) 写真家。瀬戸内国際芸術祭公式カメラマン、専門学校穴吹デザインカレッジ講師。1981年、香川県高松市生まれ。大阪芸術大学写真学科卒業後、六本木スタジオなどを経て独立。大学在学時より国内外への旅を繰り返し、日本列島では聖地と呼ばれる様々な場所を巡礼。2008 年、東京から高松に活動の拠点を移す。2020年、香川県文化芸術新人賞を受賞。写真集に『霧の子供たち』『UWAKAI』(サウダージ・ブックス)ほか。 https://www.shintaromiyawaki.com/
      4,180円
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      じたばたするもの【国内送料無料キャンペーン実施中!】

      エッセイ集 じたばたするもの 著者 大阿久佳乃 発行 サウダージ・ブックス 46判変形 176ページ ペーパーバック 装丁 納谷衣美 定価 1800円+税 初版発行日 2023年3月21日 紹介文 《私の好きな小説の主人公に共通しているのは欺瞞やごまかし、半端な妥協に溢れているにもかかわらず平気な顔をして回り続ける世界への苛立ちを持っていることだ。苛立つのはそれが変わるのをどこかであきらめきれていないからだ。そしてこの間違った回り方をしている世界に馴染むまいとし、じたばたする》 ——本書より ソール・ベロー、スタインベックから、トニ・モリスン、アドリエンヌ・リッチまで。現代作家の小説や詩から、北米先住民の口承文学まで。J・D・サリンジャー『キャッチャー・イン・ザ・ライ』の主人公ホールデンに自分を重ねる大学生で文筆家の著者が、アメリカ文学・海外文学を読みながら、《生活すること・生きること・感じること》について綴った18編のエッセイを収録。 各エッセイの末尾には、読書案内として、本書で紹介したアメリカ文学・海外文学などの本の情報を掲載しています。 目次 はじめに 情けない人々 ——ソール・ベロー『この日をつかめ』 鮮やかな乾き ——スタインベック『赤い小馬』 私たちの引っ越し ——リンドグレーン『ロッタちゃんのひっこし』 帰る場所を求めて ——セアドー・レトキーの詩 ホールデン・コールフィールドに捧ぐ ——J・D・サリンジャー『キャッチャー・イン・ザ・ライ』 最近読んだものの周りうろうろしつつ東京に一人暮らししてる友人に向けて ——マーシャ・ノーマン『おやすみ、母さん』 他人という「気」 ——ウィリアム・サローヤン『人間喜劇』 離れる ——パヴェーゼ『月と篝火』 鏡 ——カーソン・マッカラーズ『結婚式のメンバー』 まだ消えていない炎のこと ——カーソン・マッカラーズ『心は孤独な狩人』 一人の中の多数の人間 ——マリオ・バルガス=リョサ『ケルト人の夢』 「もの」そのものへ ——W・C・ウィリアムズの詩 ぶらつく詩人 ——フランク・オハラの詩 孤独と優しさ ——エリザベス・ビショップの詩 それがこれです ——ガートルード・スタインの「自伝」 根を求める ——金関寿夫『アメリカ・インディアンの詩』 (私たちの)願いのこと ——トニ・モリスン『青い眼がほしい』 親愛なる私(たち)へ ——アドリエンヌ・リッチの詩 おわりに 著者紹介 大阿久佳乃(おおあく・よしの) 2000年、三重県鈴鹿市生まれ。文筆家。2017年より詩に関するフリーペーパー『詩ぃちゃん』(不定期)を発行。著書に『のどがかわいた』(岬書店)、月刊『パンの耳』1〜10号、『パイナップル・シューズ』1号など。
      1,980円
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      流れゆくもの 屋久島、ゴア【国内送料無料キャンペーン実施中!】

      旅行記 流れゆくもの ——屋久島、ゴア Floating Being: Yakushima, Goa 著者 宮脇慎太郎 発行 サウダージ・ブックス B6判 92ページ(1色80ページ、カラー12ページ) 並製 装丁 川邉雄 定価 1800円+税 初版発行日 2022年9月30日 紹介文 屋久島、そしてインド・ゴア。自分自身の音楽体験に導かれるようにして訪れた2 つの土地。そこで出会った風景と人々に向き合ってあらためて思い知ったのは、三省さんのいう「深い悲しみと 豊かさ」だったかもしれない。 旅は終わった。メロディーとリズムは鳴り止んだ。しかし静けさの中で流れは続く。アフターパーティーは始まったばかりだ。 ——宮脇慎太郎 1960年代に「部族」と称するコミューン運動を起こした詩人・山尾三省のことば、そして「ゴアトランス」などの音楽とダンス。香川在住の写真家・宮脇慎太郎がパンデミック以前の屋久島、そしてインド・ゴアへの旅を記録したトラヴェローグ(紀行)。 「Experience is everything」。ローカルからローカルへと渡り歩きながら、影響を受けたカウンターカルチャー/ヒッピーカルチャーの源流を訪ねる途上で、人々や自然と濃密に触れ合った経験を自己省察的に語る。生きることの悲しみとは、豊かさとは——。 屋久島およびインドで撮影したカラー写真も収録。 目次 Side A: Road to Yakushima Side B: Road to Goa あとがき 著者紹介 宮脇慎太郎(みやわき・しんたろう) 写真家。瀬戸内国際芸術祭公式カメラマン、専門学校穴吹デザインカレッジ講師。1981年、香川県高松市生まれ。大阪芸術大学写真学科卒業後、六本木スタジオなどを経て独立。大学在学時より国内外への旅を繰り返し、日本列島では聖地と呼ばれる様々な場所を巡礼。2009年、東京から高松に活動の拠点を移す。2020年、香川県文化芸術新人賞を受賞。写真集に『霧の子供たち』『UWAKAI』(サウダージ・ブックス)ほか。 https://www.shintaromiyawaki.com/
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      宮脇慎太郎写真集 UWAKAI

      【在庫僅少】 宮脇慎太郎写真集 UWAKAI 著者 宮脇慎太郎 発行 サウダージ・ブックス A4判変形 112ページ(カラー98ページ、1色16ページ) 上製 装丁 大池翼 定価 3800円+税 初版発行日 2022年4月30日 紹介文 2015年の春から2021年の夏までの約6年間、四国の南西部を断続的に旅した。そこは透明度の高い宇和海に面し、リアス式海岸が続く美しき最果ての地。 海に山々が突き出す平地の少ない地形に人々は石を積み上げ、集落や段々畑を作ってきた。どんな場所であってもここで生きていく——時を経ても崩れない石垣は、そんな意志を無言で体現しているように思えた。 宇和海で出会う人々はすべてをおおらかに受け入れ、たくましく生きる者が多かった。…日本では少子高齢化の加速によって、将来消滅する自治体も少なくないと言われている。しかしそれでもこの地でこの海で、人は生き続けると信じたい。 ——宮脇慎太郎 本書より 四国・宇和海に面するリアス式海岸の風景と、ローカルに生きる人びとの姿。「辺境」と呼ぶにふさわしい土地に漂う、圧倒的にリアルなものでありながら、ことばで表現するのが難しい「精神性」を、「光」を捉えたい——。 瀬戸内国際芸術祭公式カメラマンである写真家・宮脇慎太郎が、愛媛・佐多岬から高知・沖の島まで宇和海海域をめぐる6年間の旅を記録した作品集。地域の伝統行事や「鹿踊り」など祭りの写真を含む93点のカラー作品、書き下ろしのエッセイ「うらかたの光」を収録。 購入者特典のリーフレットには、サウダージ・ブックス編集人アサノタカオのエッセイ「蔵書返却の旅——塔和子さんのこと」を掲載しています。 目次 序 UWAKAI うらかたの光へ 宮脇慎太郎 写真作品リスト 【推薦のことば】 森のエウリディケがワタツミの神と出逢うところ 世の果ての小さな入り江に船が入ってゆく リアスの襞がほんの一瞬ゆれて静まる 時は永遠をいたましく刻むように流れた けれど新しい人よ 嘆いてはいけない 光の下 きみが歩を進めるたび  その湿った音が過去と未来のすべてを連れてくる けっしてかわらないものがあるという希望 媼の皺深い掌には不ぞろいの真珠 幼子の瞳には薄緑色のアコウの実 ——今福龍太(人類学者・批評家)「UWAKAIの光に寄せて」 著者紹介 宮脇慎太郎(みやわき・しんたろう) 写真家。瀬戸内国際芸術祭公式カメラマン、専門学校穴吹デザインカレッジ講師。1981年、香川県高松市生まれ。大阪芸術大学写真学科卒業後、六本木スタジオなどを経て独立。大学在学時より国内外への旅を繰り返し、日本列島では聖地と呼ばれる様々な場所を巡礼。2008 年、東京から高松に活動の拠点を移す。2020年、香川県文化芸術新人賞を受賞。写真集に『霧の子供たち』『UWAKAI』(サウダージ・ブックス)ほか。 https://www.shintaromiyawaki.com/
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    はじめまして、サウダージ・ブックスです

    知恵をひろい、歌をおくる。波のページに耳をすませる。 本の向こう側にひろがる、あこがれの風景へ。 サウダージ・ブックスは「旅」と「詩」と「野の教え」をテーマにする出版社です。2007年に神奈川県の海辺の町・葉山で活動をはじめました。いつも変わらず大切にしているのは、「小さな声を守ること」です。 わたしたちが作った小さな本を、小さな場所で、人の手から手へと受け渡していきたい。そして、ひとりひとりの行方を照らす小さな灯となるようなメッセージを届けたい。そんな想いを抱きながら、

      • エッセイ集『じたばたするもの』の「はじめに」(大阿久佳乃)

        中学の後半くらいから本を読みはじめた、と思う。いわゆる文学作品を読むようになったのがその時点で、それまでぼんやりとしか感じなかった言葉の重さや、その不思議、美しさが意識されるようになった。はじめは日本のものが多かったと思う。日本の近現代詩を読んで、エッセイと戯曲も少し読んで、あまり小説は読んでいなかった。 シェイクスピアやギリシャ悲劇が覚えているかぎり最初の、大きな海外文学体験だ。不登校のとき、市立図書館で全集を読んだ。中学から高校の前半の海外文学は戯曲が中心で、のちにフラ

        • 【新刊案内】大阿久佳乃『じたばたするもの』

          サウダージ・ブックスより、文筆家・大阿久佳乃さんの文学エッセイ集『じたばたするもの』を2023年3月24日(金)より発売します。 【書店様へ】サウダージ・ブックスおよびトランジスター・プレスの本は、直接取引を中心に販売と流通をおこなっています。お取り引きをご希望の書店やショップの方は Contact よりご連絡ください。折り返し取引条件などについて返信いたします。また「一冊!リトルプレス」からもご注文いただけますのでご利用ください。 じたばたするもの 著者 大阿久佳乃

          • 【お知らせ】トランジスター・プレスの出版事業を継承します

            トランジスター・プレスは「今ここ」の視点に立ち、ボーダーレスな物語を発信する出版社です。 私たちサウダージ・ブックスは2023年1月より、故・佐藤由美子さんが設立したトランジスター・プレスの事業を譲り受けることになりました。尊敬する出版人である佐藤さんの精神を継承し、関係者のみなさまのご支援とご協力のもと、今後もトランジスター・プレスの本の発行と販売をおこなっていきます。 トランジスター・プレス創業にあたっての佐藤さんの挨拶文と、出版目録を公開します。 代表 浅野佳代

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          • 特集 宮脇慎太郎
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            【お知らせ】サウダージ・ブックスの本を買える直接取引店

            サウダージ・ブックスの本は、こちらの直接取引店でご購入・ご注文いただけます。店頭在庫には限りがありますので、事前にご希望の本の在庫の有無を確認のうえご購入ください。 (全国113店舗。2023.6.3 更新) 【青森県】 まわりみち文庫 【岩手】 BOOKNERD 【新潟】 ニカラ 【茨城】 PEOPLE BOOKSTORE 【千葉】 kamebooks ときわ書房志津ステーションビル店 本屋lighthouse 【東京】 Amleteron BOOKSHOP T

            トランジスター・プレスをはじめました(佐藤由美子)

            アメリカン・ブックジャム(ABJ)No.5 まで副編集長として活動していた佐藤由美子です。大変ごぶさたしています。 ABJ を離れた後、『12 water stories magazine』という文芸誌を創刊し、子どもの洋書を大人に紹介するブックレビュー集『キッズ(だけにじゃもったいない)ブックス』を4人の仲間で出版するなどの活動をしていました。 『キッズ(だけにじゃもったいない)ブックス』の表紙の絵を描いていただいアレン・セイ氏は、私たち4人に「ギャング・オブ・フォー」

            Road to Yakushima #5(宮脇慎太郎)

            episode 5 この原稿を九州、五島列島に向かう客船の中で書いている この原稿を九州、五島列島に向かう客船の中で書いている。半年前の屋久島への旅の意味は、時間が経つにつれ自分の内側で大きくなっていた。 2019年3月の終わり、数日後に新元号が発表される年度末、深夜便にもかかわらず博多港発のフェリー太古はほぼ満員だった。数年ぶりに訪れた博多の町は、世界中から多くの観光客が集まるアジアの巨大な交差点と化していた。道行く人々は一見日本人のように思えるが、話し言葉を聞くとほ

            Road to Yakushima #4(宮脇慎太郎)

            episode 4 「あー、雨降って来ちゃったね」 「あー、雨降ってきちゃったね」 アサノさんが空を見ながら呟く。一湊や宮之浦など屋久島の外周を走っている時は、空は抜けるような快晴だった。しかし安房を過ぎ、「ヤクスギランド」への山道に差し掛かったあたりから天気は急変。あっという間に暗くなってきた。 山上のドライブウェイは、小さな島には似つかわしくない立派なものだった。いつしか雨は激しさを増し、強烈なスコールとなってフロントガラスを叩きつける。豪雨のため自然とスピードは

            Road to Yakushima #3(宮脇慎太郎)

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            Road to Yakushima #2(宮脇慎太郎)

            episode 2 まぶたを開けると、すべては光の中にあった まぶたを開けると、すべては光の中にあった。 ついさっきまで水平線しか見えなかった高速艇の小さな窓から、頂に雲をまとう山塊が見える。それまで見たどの山にも似ていない、深い深い緑。間違いない、ここは屋久島だ。ついに到着したんだ、と安堵感に全身が包まれた。 港に降りると、まずその防波堤の巨大さに驚いた。高さ6メートル、壁の厚さも4メートルはあるだろうか、地元の瀬戸内のものとは完全にスケールが違う。台風の時などはそ

            Road to Yakushima #1(宮脇慎太郎)

            episode 1 「屋久島に行かない?」 「屋久島に行かない?」 記録的猛暑といわれたこの年の夏、突然スマートフォンに届いたメッセージ。今年、2018年は他にも大阪北部の地震から始まり、西日本集中豪雨や異常進路の台風など、災害に悩まされた年だった。 初めて屋久島のことを意識したのは、いつのことだっただろう? 世界遺産登録のニュース? それとも、スタジオジブリの映画『もののけ姫』を観た時だっけ? いやどれも違う、たぶんあの時だ——。 僕は大阪芸術大学の写真学科で学