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「私事」は「政治」なのか?~フェミニズムとは?~

フェミニズムとは、社会における男女間の不平等や女性の権利保障の不十分さを明らかにし、より男女平等な社会を目指す思想のこと。

現代社会の特徴


①性別役割分業
「男は仕事、女は家事」という役割が常識となっている。近年ではそのような思想は少なくなってきたが、現実は寝ずよく残っている。
②ジェンダー(社会学的性別)
「男は強く、女は優しく」という「こうあるべきだ」というイメージが常識となっている。近年でも、「男らしく、女らしく」という言葉が目立つときがある。この言葉はセックス(生物学的性別)と対比されて生まれた言葉である。ジェンダーが心、セックスが体と考えてもよいだろう。

これらがある現代に異議を唱えたのが「フェミニズム」である。

従来の「私」と「公」

従来は私的領域を「市場・経済・労働」と定めていた。一方、公的領域を「国家・政治」と定めていた。これを「公私二元論」という。

しかし、フェミニズムは「女性はどこに存在するのだ!私的領域にも公的領域にも存在しないぞ!まとめ方がおかしい」と反論する。

そして、公的領域を「国家・市場」として、私的領域を「家庭」として考えるようにした。

ラディカル・フェミニズムの攻撃

ラディカルフェミニズムは2つのことを主張した。
①個人的な領域にも政治は存在する。
②「公的」なのか、「私的」なのかは政治によって決められる。

政治理論の攻撃

政治理論は「ちょっと待てぇい。従来の公私二元論の批判には同意できるけど、政治像と人間像について思考がたりないんじゃないか?」と主張。

人間像として、「私たちが互いに相手と教えあうことで、依存関係が作られる。我々は、自由でも自立的でもなく、関わりあう依存関係で成り立っている。」という。つまり、他人などの社会があるから今の自分が成り立っているんだという主張である。

政治像として、「政治とは、多様性ある人々の間に生じる争いを解決するために集団的意思決定(みんなで決める)を行う試みのことを言う。政治は相互尊重・言葉による説得・話し合いが必要になってくる。権力や支配、暴力を使うなんて下策である。政治は他者を理解することで見える世界を広げ、別の可能性(オルタナティブ)を見出すことができる。」という。つまり、政治はみんなが仲良くするために、話し合って譲り合って決めるもので、思いもしない道を見つけることもあるんだよという主張である。


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