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瓦屋の息子として

皆さんいかがお過ごしでしょうか。さっとです。

今日は、実家の家業にフューチャーしました。

タイトルのとおり、実家では瓦屋を営んでいます。

この機会に瓦屋根について知ってもらえたら嬉しいです。


瓦屋根について

大昔から屋根は瓦が採用されていて、まさに日本建築の伝統そのもの。

他に考えれるのは、藁ぶき屋根とかでしょうか。大内宿のような。

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現代では、初期コストの面でトタン(金属)

コロニアルという屋根を採用した住宅が非常に多くなりましたね。

新しめの団地の住宅を見ても瓦を採用しているのは

10件中1件くらいの割合ではないでしょうか。

瓦屋の息子としては少し寂しい気持ちになります。


実際、瓦屋根とトタン屋根・コロニアルでは基礎の強度が違うので

瓦に変えて欲しいとは思いませんし

そう簡単に変更できるものでもありませんが

コスト面の話を除けば瓦には魅力が詰まっているので

ここは一般の方にもぜひ押さえていただきたい!

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例えば毎年夏場は、猛暑にさらされる日本列島ですが

瓦屋根の住宅で過ごすと、暑さが緩和されます。

これは田舎にある親戚のお家に行った時に感じるかと思います。

(瓦屋根じゃない可能性もありますが)

原理として、トタンだと熱が内側に伝わり家の中も暑くなる。

逆も然り冬に屋根に積もった雪で家の中が寒くなる。


それに比べて瓦は外気の影響を受けづらい特性があります。

そう!暑さを跳ね返してくれるんです。

(実際日光に照らされた瓦の裏側を触ると普通に冷たいです。)

また、屋根材と瓦の間に通気性があるので

屋根材が腐食しずらくて瓦も焼きもので劣化しないので

メンテナンスがほとんど必要ありません。


自然による風評被害

もちろんメリット・デメリットは他にもたくさんあるんですが

風評被害だけはどうしても避けられません。

それは、台風や地震などの自然災害による破損・崩れです。

毎年のように大きな被害を受けた場所の

屋根なんかをTVカメラに捉えられるんですね。

これを聞いただけでニュースの画が浮かびますよね?

熊本地震で大被害を受けた熊本城とか。

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でも、昔の基準で瓦が組まれている建物が被害に遭っていて

釘止めとかあまりしていないからなんです。それか柱が倒れたとか。


※ちなみにお城やお寺などでは「本葺き」という施工なので

 また別の話ですが…。


瓦を固定するにしても、昔はの釘を採用していたので

錆びてしまうと釘が膨張し瓦を破損してしまう。

今は、ステンレスの釘が主流なので経年劣化の心配はありませんけどね。


さらに2020年から新築は全ての瓦に釘止めすることが義務化されました。

安全面では、より間違いないのですが釘のコスト面と

職人の作業量がかなり膨れ上がってしまいました。


ちなみに実家の瓦屋では、義務化される前から

釘止めを瓦1枚おきに実施していていました。

全ての瓦に釘止めしてしまうと

修理をする時に瓦の破損をしなければいけないからです。


さらに今は、防災瓦仕様なので(隣の瓦が飛ばないようにフック等がある)

ここまでしていれば正直、ビルが倒壊するほどの

巨大な直下型地震でもない限り簡単に瓦は落ちません!

と断言します! 

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エンタメによる風評被害

もう1つ私が懸念しているのは主にテレビの「スゴ技」的な扱いの瓦割り。

あれはエンターテイメントなので別に否定はしないですが

実際に屋根に使用している瓦だと誤解されるのはやや不愉快です。

あんなに脆かったら誰も瓦を使わないよ。。。ってね。

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瓦割で使用しているのは「鉄拳瓦」という瓦割用に焼かれた瓦です。

種類でいうと「のし瓦」という本来割って使用する瓦に違いはありません

通常の「のし瓦」と「鉄拳瓦」では厚みが全然違いますので

それを理解した上でお楽しみいただけたら幸いです。

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後継者問題

何十年も前と比べると、確実に仕事量は減っています。

いろんな業界でもそうですが、職人の年齢も高くなり

若い担い手不足が不足しており深刻化しています。

ちなみに私は仙台で広告系の会社に勤めていて

3つ上の兄は地元の新聞社で記者をしています。


正直、瓦職人になって経営者になった方が

今より年収がぐんと上がるんでしょうけれども

我々兄弟には家業の瓦屋を継ぐ気は今のところありませんねー。


人生100年時代と言われ、定年もどんどん引き伸ばされているので

若いうちに、職を固めなければいけない訳ではないと思います。

これからだっていろんな仕事を経験してみたいですし

もしかしたら瓦屋の仕事を始めるかもしれないし将来のことは分からない。

(かなり他人事っぽいですが)

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今後の展開

過去1年間見習いとして瓦屋で働いたこともあって

職人の技術を目の当たりにしてきました。

結局、結婚を機に新しい環境に身を投じることになったので

それっきり関わることがなくなったんですが

やっぱり家業の瓦屋には何か貢献したいという思いは常に持っています。


例えば、今の仕事を活かして

デザイナーに瓦屋の名刺作成をお願いしました。

(もちろん会社に支払いしています♪)

特徴もない普通の名刺だったので作れてよかったなと思います。


あとはアイディアベースですが

瓦の安心感を訴求する意味で

かなり固めの「割れない瓦せんべい」を商品化してみたり

瓦は焼きものなので、お料理を添えるお皿の商品化とか

たくさん在庫を抱えた昔の瓦をただただ売り出してみるとか

(その場合STORESで単品売りしたらいいのかな?)

考えるだけならできます。

こんなショボい発想しかありませんが。。。


瓦屋は、製造ではなく施工側なので

商品を作るなんて経験もしたことありませんが

なにか動き出すことができればいいなと思っています。

皆さんも何かアドバイス等あれば自由にコメントをください!!!


最後に

ただ一つ言えることは

瓦は日本の伝統技術だから絶対にいつかこの先

フューチャーされる時がやってくると思っています。

それを信じて動き出すことで初代社長のおじいさんも

天国で喜んでくれるかなと。


ちょっと今日は書きながら熱くなりました(笑)

相変わらず文章は下手くそですが(笑)


皆さん、今日もより良い1日をお過ごしください!

ではまた!!!


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