集めるしんよ～（クロちゃん👶）

信じられないかもしれないが、私はこの世に存在するという「願いをかなえる7～８つくらいある球体」を集めている。
なんでも、すべて集めたら神とかいう謎のをとこが現れて願いをかなえてくれるらしいのだ。

１つめ

まず、僕がこのにわかには信じがたい物体を知るきっかけとなった出来事を述べよう。
何を隠そう、それは「マジカルラブリー」の漫才である。
彼らは、現実で起こりうるようなことを面白おかしくネタにすることで人気を博している（個人的に頭の中で違法に考えた違法なAI調べ）。
いわば、漫才版東京03である。
そんな彼らの漫才の中に「この世界になんでも願い事を叶えてくれる玉」について言及されている部分があったのだ。

それを聞きつけた僕は、早速探し始めることにした＿＿＿

２つめ

いざ探すとなると、なかなか案が思い浮かばないものだ。
どこにあるんだろう？どこにある？
ない、ない、なーーーい！神に球体隠されたーーー！！！（hap）

３つめ

そんなある日のこと。
若干諦めモードに入っていた時、実家の母から大量の「願い事を叶える玉」が届いた。
流石に、僕も全然見つからなくて疲弊してた…というか病みそうになっていたところなので母からの優しさに触れて涙が出てきた。
せっかくなので、早速その玉を使ってサラダを作ってみた。
ほどよい甘味と酸味がドレッシングに合ってすごく美味しい。
これぞ実家の味である。帰るといつもお母さん作ってくれてたなぁ…

クックパッドによると、これは甘味と酸味があるのでジャムにしてもおいしいらしい。なんでも、オレンジと杏子を足して2で割った味なのだとか。
早速作ってみると、素で食べた時よりも酸味と甘みのバランスが取れててすごくうまい。
甘味と酸味が鬼ごっこしている感じだ。お互いが交互に現れてくれる。
ごちそうさまでした！

４つめ

未だ一つも見つけていない玉。もう諦めようかしら…

５つめ

６つめ

…っておっと、今上になかった？
多分あれだ！実物を見たことないから分からないけどなぜか惹かれるものがあった。ちょっとチープだけど。

と同時に僕の中にある考えが思い浮かんだ。
実に単純なことだ。なんでもっと早く思わなかったのだろう…
泣きそう。

まあ、とにかくさっそく実行だ。

まず、ネットで「願い事を叶える７つの玉」と調べる。

…７こ見つかった！！！！
やった！！！

７つめ

こうして、ちゃんと７つ集めることができた。
早速、これを使ってジャムを作ってみる。

…これはやばい。
なんかもう法的に危ない味がする。
違法な味だ。

甘すぎないほどよい甘さ。
これはいちごジャムには出せない甘さだ。
自然派というべきだろうか。自然な甘さなのだ。
舌に媚を売らない「あ、おじゃましてごめんなさい…」くらいの清楚な甘さ。

そして後を追ってくるのは意外なことに苦さ。
それも、コーヒーやカカオのような苦さではなく少し下がピリッとするようなそんな苦さ。ただ、決して不快なものではなく、いままでどこにひっそりと生きてきたのかそのピリッとしたのが気持ちよく感じる。ほんとどこにその感覚が生きてきたのだろうか。そしてその苦さがまた、甘さをいい感じに抑えている。

さらに、酸っぱさもある。
これは、言われれば気づく程度だが、逆に一度意識したら酸っぱさがかなり顕著に表れてくる、そんな青春みたいな味である。
こちらも、甘さとのバランスが最高でくせになる味だ。

どうしよう、、、
これを知ってしまったら普通の果物には戻れなくなりそうである。
とにかく法的ではないうまさ。
なんかもう天にものぼる心地だ。

一つ玉を残しておいてよかった。早速種を植えて丁寧に育てよう。
これが「世界が滅びる日に食べたい食べ物」上位に入る確信しかないほどうまいから。いつまでもこのこと一緒にいるつもりだ。

８つめ

そんなある日、何やら外が騒がしい。
見てみると警察が来ているようだ。
向かいの人と話している。強盗だろうか。

ちなみに、あの玉は順調に育っており今ではかなり背の高い木になっている。見てみると、既に３、４個は実が出来ているようだ。

「そろそろ収穫時かな、道の駅とかに売りだしたらかなり儲けるぞ．．．！」と思っていたら、向かいの警察がこちらに向かってやってきた。

「あの、こういう者です。ご自宅に生えているこちらの木についてちょっと事情を聴きたいので署まで来てください」

･･･？なぜだろう。この木がどうしたのだろうか。
ここは大人しく同行することにした。

９つめ

「ご同行ありがとうございます。今回来ていただいたのは、あなたが庭に植えられている木についてなのですが。。。」

あの木がなにか法に触れているのだろうか？薬物？？？だとしたらなぜ僕は正常な判断が出来ているのだろうか。

「最近、あなたの街で強盗殺人事件が多発しているニュースはご存じでしょうか？」

そういえば、最近近くの家で殺人が発生してて怖いと思っていたところだ。
それが何か関係してる？

「そこで、犯人は皆『あの辺を通ると、正常な判断が出来ずに人に憎しみを覚えるようになった』とわけわからないことを言っていたんです。現場を調べたところ、これまでに存在しないような、新しい成分が空気に漂っていることが分かり

10つめ

そろそろ飽きてきたのでこの辺で。

信じられないかもしれないが、
僕は「自分で考えた妄想コレクター」なのだ。

適当に頭に思い浮かんだことを心にストックしていくことで人生の喜びを感じるのだ＿＿

#私のコレクション