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さつま町で地域おこし協力隊制度を活用した「地域プロジェクトディレクター」を募集します!-前編-

さつま町では地域おこし協力隊制度を活用した『地域プロジェクトディレクター』を2名募集します。

そこで、募集に至った背景や担当する町役場職員の想い、そして、地域おこし協力隊やまちの事業者の方々からまちに対する想い等をお伺いしました。

前編では、募集を担当するさつま町商工観光PR課の下麦大志さん、さつま町の地域おこし協力隊として活動されている盛岡えりかさん。

後編では、まちを盛り上げるために様々な活動をされている『堀之内酒店』の堀之内力三さんと『農家そばヤマサキ』の髙橋由記子さん。

それぞれのインタビューをまとめています。

『地域プロジェクトディレクター』に関する詳細はこちらから。

<さつま町の特徴について>

さつま町は鹿児島県の北西部に位置し、北部には北薩地域最高峰『紫尾山』があり、まちの中心部には南九州一の大河『川内川(せんだいがわ)』が貫流しています。

観光面では数百万匹とも言われる蛍を観賞することができ、全国有数の蛍の鑑賞地で5〜6月初めにかけてホタル舟が運航されています。舟に乗りながら蛍を観賞できる町は九州ではさつま町が唯一です。

また、さつま町は県内有数の温泉地です。神社の拝殿下から湯が湧き出し、「神の湯」と呼ばれている紫尾温泉や、湯治湯として江戸時代後期から栄え、別名「美人の湯」とも呼ばれる宮之城温泉など、癒しを求めて多くの観光客が訪れます。

産業面では農業や商工業が盛んです。特に農業は川内川の育みを受け米作りや、寒暖差があるため筍や果物、野菜が多く作られています。さつま町の竹林面積は全国有数を誇り、筍がたくさん収穫されています。実は、さつま町では筍の出荷が日本一早く、毎年10月末には収穫されているのです。超早掘り「さつまたけのこ」と呼ばれており、東京の市場等にて高値で取引され、料亭やホテル等で取り扱われています。

5月に観賞できる蛍の乱舞

<インタビューさつま町役場商工観光PR課・下麦大志さん>

まずは、商工観光PR課・下麦大志さんにさつま町役場で従事されているお仕事や、今回の募集に至った背景等のお話を伺いました。

さつま町商工観光PR課 下麦大志さん

まちの人や仕事を通して自分を成長させてもらえる仕事

(Q さつま町役場に入庁した経緯は?)

下麦さん:高校時代に「将来何になるか?」と考えた時に公務員が1つの選択肢として出てきました。そこでまずは、外に出てみようと思い、県外の大学へ進学したんです。

就職活動時期に、町役場について調べていると公務員にはまちに関わるたくさんの仕事があり、それを地元のさつま町でできることは面白いと感じ、今の職場である「さつま町役場(当時は、宮之城町役場)」を受験しました。

(Q 入庁してからはどんなお仕事を?)

下麦さん:税や環境、企画分野に従事した後、鹿児島県大阪事務所へ2年間出向しました。そこが私にとっての1つ大きなターニングポイントです。

鹿児島県をPRするお仕事をさせていただいたのですが、県外の方々に鹿児島県をどのようにPRしていくかという視点は、さつま町に対しても置き換えて考えることができたので、まちの魅力を改めて見直す機会になりました。

また、色々な市町村の職員が集まっていたので、そこで人脈が広がり、今でも困ったときは相談しあったりする関係性は続いています。

町役場に入庁してから、まちや仕事を通して出会った皆さんのおかげで、人としても行政職員としても成長させてもらいました。

(Q 現在所属している商工観光PR課ではどんなお仕事を?)

下麦さん:最近だと『さつま町エール便』という事業に携わっています。背景として、新型コロナウイルスの影響でまちの地域経済のダメージが徐々に出始めていたことが挙げられます。

そこで各事業者の皆さんに色々話を聞いて回りました。「納品予定だった商品の多くが在庫になってしまった」「在庫になった商品が賞味期限を迎えようとしている…」、そんな声がありました。

試行錯誤した結果、ふるさと納税返礼品の考え方を参考に、在庫となった商品を全国から募集したモニターの方々に食べて楽しんでもらえる仕組みを考えたんです。
モニターの当選者にはアンケートに答えてもらい、その内容を次の商品作りに活かすという流れにしました。

すると町内の事業者の皆さんから「困った時に本当助かった」「コロナを乗り越えていこうと思えるパワーをもらった、ありがとう」と感謝の言葉をいただいたんです。その言葉に逆に私がエールをもらいました。「もっと頑張らないといけない」って。

また、購入してくださった方がSNS等で発信をして、それを見た方が購入したり、近所におすそ分けをしたり。様々な形で温度感のあるエールが広がっていきました。『さつま町エール便』きっかけでさつま町のことを知り、現地に足を運んでくださる方もいて、まちを想ってくださる存在が増えたと思っています。

役場と事業者の架け橋となる“まちの演出家”

(Q 今回地域プロジェクトディレクターを募集するに至った背景は?)

下麦さん:今回募集する2名は地域おこし協力隊の制度を利用した『地域プロジェクトディレクター』という職種です。

ディレクターは日本語で指揮者や監督者、演出する人と訳されます。その中でも私は演出をイメージしていて。例えば、さつま町の観光や物産の見せ方について少し角度を変えて、まちの人が今まで以上にワクワクする取り組みを演出できるような人材を考えています。“まちの演出家”だと思っていただけたら。

現在、町内の農業や商業の若手事業者が熱い想いを持ち、まちを盛り上げていく動きが出てきています。その中の1つの動きとして地域ブランド「薩摩のさつま」を立ち上げようとしているところです。

就任した2名には地域や事業者に近い立場で一緒に考え、アクションを起こしてほしいと思っています。そうすることで役場と事業者の皆さんとの架け橋となり、色々な取り組みの歯車が上手く回っていくのではと考えています。

(Q 応募される皆さんにアドバイスは?)

下麦さん:地域や事業者の皆さんとの信頼が貯まっていけば自分たちの活動もしやすくなってくるので楽しく実りある3年間になると思います。だから、最初の1年目はまちへ飛び出して、色々な形で自分の顔や名前、能力を覚えてもらい信頼貯金を貯めてほしいです。

また、商工観光PR課だけではなく役場内の様々な部署の職員や、『薩摩のさつま』に関わっている人や団体をお繋ぎして、連携がとれるようにサポートしていこうと思っています。新型コロナウイルスで大変な世の中ですが、まちで頑張っているプレイヤーはたくさんいらっしゃいます。

ただ、縁もゆかりの土地にいきなり飛び込んでミッションをこなすことは不安が多いことだと思います。役場やまちの人に相談しづらいことや、地域おこし協力隊の制度を利用しているからこその悩みもきっとあるはずです。

そこで、第三者の立場でもある『地域おこし協力隊サポーターズ鹿児島』のお力を借りています。そういった機関にお繋ぎして、心の負担の軽減や卒業後の将来設計のサポートもできたらと思います。

<インタビュー:さつま町地域おこし協力隊・盛岡えりかさん>

続いて、さつま町地域おこし協力隊の盛岡えりかさんに地域おこし協力隊になられた背景等についてお話を伺いました。

さつま町地域おこし協力隊 盛岡えりかさん

きっかけは、さつま町の人たちの優しさ

(Q 地域おこし協力隊になったきっかけは?)

盛岡さん:前職時代に『さつま町観光未来研究室』のワークショップに参加したことがきっかけでさつま町との接点ができました。その後、結婚を機に退職し、さつま町の地域おこし協力隊として就任しました。

地域おこし協力隊の募集を知ったのは、ワークショップで仲良くなった方からの情報でした。就任前はさつま町に住んでいなかったのですが、そんな私でも皆さんはとても優しくしてくれて…。

ただ、結婚をしており、妊娠・出産の可能性もあったので、事前に役場の担当の方に相談をしました。それでも担当の方やまちの方々は私を温かく迎えてくれました。それが地域おこし協力隊になった大きな理由です。

(Q 地域おこし協力隊としてのミッションは?)

盛岡さん:地域おこし協力隊としてのミッションは『さつま町観光特産品協会』に関する業務です。具体的に挙げると、

・事務局運営
・SNSやHP等の情報発信
・オリジナル商品の企画
・地域や関係団体等と連携した交流イベントの企画、開催
・協働による「さつま町観光未来研究室」の運営コーディネート

の5つです。前職時代に販売と広報の仕事をしていたので、その経験も今の仕事に活きています。

積極的に色々な場に足を運んでほしい

(Q 地域おこし協力隊になって良かったことは?)

盛岡さん:地域おこし協力隊になり、まちでの繋がりが格段に増えたことが一番大きかったです。その繋がりの中で、『さつまdeまちゼミ』に講師として声をかけてもらったこともありました。それがきっかけで事業者の知り合いもさらに増え、まちに色々な居場所ができました。

また、地域おこし協力隊として様々な研修や仕事等で町外に出向く機会も多かったので、さつま町以外の知人や仲間ができました。卒業後に一緒に仕事ができるといいなと思った人もいたので今後の関わり方が楽しみです。

※まちゼミとは・・・各商店の店主やスタッフが講師となり、プロならではの専門的な知識、技術やコツを受講者に教える地域活性化事業。

(Q 赴任する地域プロジェクトディレクターの方々へのアドバイスは?)

盛岡さん:まちで活動していく上で人との繋がりが非常に大事です。今は新型コロナウイルスの影響で難しいかもしれませんが、地域の行事やイベント等に顔を出して自分のことをアピールすることはしていた方が良いと思います。

さつま町にはそれぞれ精力的に活動されている人がいらっしゃるので、「これをやってみたい」と思った時に力を貸してくれる人はいるはずです。

私は就任当初、どう動いたらわからず、そのような行動をとれなかったので、反省しています。だから、最初に役場の担当の方に「挨拶回りに行きたい」等と伝えて、まちの方々を繋いでもらうことも必要かもしれません。あちこち足を運んで、色々な方と仲良くなって活動していくヒントを集めてほしいです。

また、具体的にやりたいことを決めて来てもらった方がいいかもしれません。その方が就任してからの動きや、関わる方も見えてきて有意義な3年間になると思います。

(Q 赴任する地域プロジェクトディレクターの方々との関わり方は?)

盛岡さん:現在妊娠しているのでタイミングによりますが、私がお世話になっているまちの皆さんを紹介したり、直接お繋ぎしたりすることはできます。また、不安な悩みがあれば話を聞いて相談に乗ることもできますので、遠慮なく声をかけてください。

<後編のご紹介>

後編では、まちを盛り上げるために様々な活動をされている『堀之内酒店』店主・堀之内力三さんと『農家そばヤマサキ』店主・髙橋由記子さんから、まちに対する想いや募集される皆さんに対するメッセージ等を伺いました。

後編はこちら

インタビュー・撮影・執筆:上 泰寿(編集者)
取材サポート:さつま町商工観光PR課

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お問い合わせ
ご質問等は下記へお問い合わせください
さつま町商工観光PR課 観光PR係 担当:下麦
電話番号:0996-53-1111

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