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【長編SF小説】銀河皇帝のいない八月

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宇宙を支配する銀河帝国が地球に襲来。 軍団を率いる銀河皇帝は堅固なシールドに守られていたが、何故か弓道部員の女子高生、遠藤アサトが放った一本の矢により射殺されてしまう。 しかも〈…
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2022年4月の記事一覧

銀河皇帝のいない八月 ㉖

銀河皇帝のいない八月 ㉖

第四章

1. ユリイラ=リイ・ラの伝説

 さかまく大海原に展開する大艦隊……

 それは、水面から大きく離れた中空に浮かんでいた。
 一際巨大なゼラノドン級旗艦を中心に、ハイタカ級巡航宇宙艦をはじめとする大小様々な宇宙船が反発フィールドの上で布陣を組んでいる。
 サロウ城の庭園からその威容を見下ろしながら、エンザ=コウ・ラは旗艦へのシャトル・ボートが待つプラットホームに歩を進めて行った。

 

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銀河皇帝のいない八月 ㉗

銀河皇帝のいない八月 ㉗

2.惑星〈青砂〉

 〈青砂〉……

 ネープの瞳にも似た色の星。
 空里は、次第に大きくなってゆくその姿を魅入られたように見つめながら、言った。
「着いたのね?」
「はい。まず、衛星軌道上のウォーステーションに接舷します。そこで他の乗員を降ろしてから、地表に降りて〈皇冠授与の儀〉を執り行います」
「え? 私たちはあの星に降りられないの?」
 ネープの言葉にティプトリーが口を挟んだ。
「〈青砂〉は

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銀河皇帝のいない八月 ㉘

銀河皇帝のいない八月 ㉘

3. 〈皇冠授与の儀〉

 駐機場で空里を出迎えたのは、完全武装で顔を隠した数騎のメタトルーパーと、詰襟のスーツに身を包む二人の完全人間だった。

 二人は、空里の前を歩く少年と確かに同じ顔をしていたが、少年ではなかった。一人は、中年に差し掛かりつつある成年男性。もう一人は、華奢でかすかに柔らかさを感じさせる体型の持ち主だった。
 女の子のネープ! 
 その存在は話から当然だったが、実際に目の当た

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