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2023年 12月 短歌まとめ

連作

下の句はゆるして

周り見て記憶を探って見たけれど たった一首も浮かばなかった

「詠みたい」と「詠める」は全く別物で たった一首も浮かばなかった

壮絶な恋や争いごとも無く たった一首も浮かばなかった

ピクミンとカビゴンの世話で忙しく たった一首も浮かばなかった

光る犬 かわいいなあ ビカビカビカ たった一首も浮かばなかった

ふわもこ短歌

私だけ大きくなってしまったね ずっとふたりで育ってきたね

腕まわり綿が減ってきちゃったね毛糸の服を着て出かけよう

=AVERAGE(”友だち”:”家族”) ↲ ウチらのためのエラーが出たよ

関数は何にも教えてくれないね 修二と彰も「ふたりでひとつ」

つやつやと光る瞳に見つめられ「ごめんなさい」といひかけて、冬

りぐる、ぐるぐる

「その緑似合うね」なんて言われては袖を通す 理由が増える

ロムコムを選んでSFだった夜 ジム・キャリーの 記憶を返して

爪を切りたしと思ふは 会社や喫茶店や夜なことが多くて…

こだわりが強そうですねの問いかけにO型ですよと答ふる誰か

この際吾が頑固さもO型のせいにしてしまえ 丸さが凶器

熱体夜

会社の体温計は壊れてて 早退しやすい数字出てくる

自転車を漕いで発熱外来へ こんな時の独り身つらい

そういえば扁桃腺の腫れ方は イエベ ブルベで 違うのだろうか?

ゼリーしか食べられなくてクリスマスイブをぷるぷる震えてすごす

味がするわかめごはんは久しぶり 海がほろり 寄せて引く波

連作でないもの

探してる あとひとかけらで満ちる月 小指の爪の先に見つけた

コラム

あっという間に年が明けてしまい、
面倒くさがりの私は
冠夜集をすっかりサボっていた。

今日だって、
iTunesがこんなにも重くなければ
書けなかったかもしれない......。

12月のお気に入りは「ふわもこ短歌」。
巷で流行っている「ふわもこSNS」を
はじめてから詠んだものだ。

友だちは次々とかわるけど、
ぬいぐるみはずっといてくれてサイコーだな。


今年はどんな歌が詠めるかなあ。
どんな連作を編めるかなあ。

手帳にパラパラと歌を書きためているが、
なんだかうまくまとめることができない。

忙しさに負けて詠むことを諦めたくないなあ。
それだけは忘れない、
そんな一年になればありがたい限りである。

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