2023年7月　短歌まとめ

連作

進捗どうですか

“Command”をコントロールとよぶあたし 窓から見える景色はきらい

【親展】私の名前を見つけたら 脳裏にちゃんと住まわせといて

さかむけをひろげて定時を待ちわびる 絆創膏を買いに行こうか

パサージュで喉をひっかけるつもりのジントニックが汗ばんでいる

前世でどんな罪を犯したら人間なんかに生まれ変わるんだ？

かたちをもたない

長髪のおとこばかりが気になってあの母にしてこの娘あり

南北の弦を弾いて揺らぐ音 白と黒だけがある世界で

左奥 退院したてのピアニスト 快気祝いの赤 煌々と

シャンパンとスパークリングワインにも違いがあって ない 本当は

ああもう 酔ってきちゃった からだじゅうからピアノの音がするんだもの

連作でないもの

夏だから 華金のフリでかけてゆく 今夜、いつものジャズ喫茶で、と。

確実に頭を狙えその後は銃を捨てて逃げろマイケル

｢÷5｣は割られる数を2倍して最後の0をどかすがぞ、と父

コラム

暦の上でだけ秋になろうとする日本を許すな。
7月もバタバタとしてしまい、
満足のいく数を詠むことができませんでした。

しかし、忙しさに負けて怠っていては
変われないとわかっているので
8月はもう少しだけ詠みたいと思います。

では。