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また原点へ

私の創作物語「星は風にそよぐ」は、note創作大賞の一次選考を通過することができませんでした。

持てるすべてを投入して取り組んだ作品だっただけに残念でなりませんが、お読みいただき応援してくださった方々には、感謝の気持ちでいっぱいです。

結果発表の後2、3日は、かなりションボリしていました。でも、落選の経験は過去に何度もしているので、打たれ強くなったのでしょう。
今は「星は風にそよぐ」の続編を書くのが楽しみで、そのための準備も始めています。

自分の作品を人に見せることがあんなに怖かった私が、今では、続編を楽しみにしてくれている方のために早く書きたい!と思えるようになった。
これは、大きな大きな変化です。たくさんの人が読んでくださり、温かい感想を寄せ、励ましてくださったから、私は変わることができました。
創作大賞に参加していなければ、こんなにたくさんの方に読んでいただくことはできなかった。だから、結果はどうあれ参加してよかった、本当に良い経験をさせていただいた、と思っています。

そして、また新たな一歩を踏み出すために、まずは原点へ。本というものへの愛情を初めて強烈に自覚した、私にとっての原点、「はてしない物語」を読み返すことから始めようと思いました。

このずっしりと重たい本を手にすると、厳粛な心持ちになります。この本は、そういう気持ちにさせる本です。存在自体が神々しい。

今日はプロローグを読みました。

友だちにいじめられて逃げ込んだ古本屋で「はてしない物語」という本を目にしたバスチアンは、たちまち心をとらえられ、この本を盗んでしまう。そして、誰も来ることのない学校の屋根裏部屋に籠って、その本を読み始めます。

主人公のバスチアンと同じことが自分にも起こると信じて、4年生の頃の私は、学校の音楽準備室に籠ってこの本を読みました。

今では、自分が女王さまに新しい名前をつけてファンタージェンを救うんだ!なんて思わないし、この本の後半にはファンタージェンへ行った自分の冒険譚が書かれているんだ!とも思っていません。

でも、バスチアンの
「本って、閉じているとき、中で何が起こっているのだろうな?」
という気持ちは、おとなになった今の私の中にも、まだあるのです。

「きっと何かがそこで起こっているはずだ。だって開いたとたん、一つの話がすっかりそこにあるんだもの。ぼくのまだ知らない人々がそこにいる。ありとあらゆる冒険や活躍や闘いがそこにある。海の嵐にであったり、知らない国や町にきたり。みんな、どうやってかわからないけど、本の中に入っているんだ。読まなくちゃ、そういうことをいっしょにやれないわけだけど。それはわかっている。だけど、それがみんな最初から中に入っているんだ。どうやって入っているのかなあ?」

ミヒャエル・エンデ「はてしない物語」P.24

この感覚。
本の中にはただ文字が入っているんじゃない。
そこには、物語の世界が空間として広がっていて、登場人物たちが動き回っている。
その感覚が、今でも、私の中にあるのです。

「はてしない物語」、久しぶりの再読。
これから少しずつ読んでいきます。ワクワクしています。



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