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UCL 起業論プログラム Term 1(1学期目)

9月末に入学式があり、その週はinduction weekといってWelcome Party的なイベントや全体スケジュール・授業などについてのインストラクション等があります。授業は10月から本格的に開始します。

私のTerm 1のスケジュールはこんな感じでした。
月曜:16:30-17:30 Building High Impact Ventures
火曜:お休み
水曜:13:00-16:00 Entrepreneurial Finance
木曜:13:00-16:00 Strategic Management of Entrepreneurial Ventures
金曜:9:00-12:00 Customer Development and Lean Startup

火曜日以外は授業があり、1日1授業(3時間)です。前回の記事でもお伝えしたように、このスケジュールを見た時は「むっちゃ時間がありそう!火曜と金曜はどこかに遊びに行こー。」とワクワクしてました。しかし、授業が始まった週にそんな夢は吹っ飛びます。

全てのクラスで、10月後半・12月前半の計2回課題の提出(一部1月提出)があり、その提出した課題内容によって成績が決まります。膨大な量のため、早めに取り掛かるのは必須。また、各授業の予習・復習を行わないと授業に全くついていけません。予習の内容も多く、授業に関連する文献を2つ、3つ(各10~30ページ前後のもの)が与えられたり、事前に小テストみたいなものを与えられ、問題を解いてくるなど、なんらかの形で課題が出されます。

各クラスで具体的に何を勉強したか、以下で簡単に要約しました。

・Building High Imapct Ventures: ビジネスを分析、特定、設計、立ち上げるための方法や、ビジネスチャンスを評価する戦略を学ぶ

フレームワーク(Business Model Canvas、Porter’s 5 forces、The New Business Road Testなど)を学び、それを既存のスタートアップの例に当てはめながら理解する。そのことによって、自分のビジネスもしくはビジネスアイディアを客観的に分析し、評価するスキルを身につけます。また、競合の分析(競合他社のどこに注目しながら、分析するべきなのか)や事業を取り巻くリスクの分析、商品開発(代表的な2つWaterfallアプローチやAgileアプローチ)のメソドロジーなどを学び、自身のビジネスやビジネスアイディアを強固なものへと導きます。それに加えて、KPIs, Metricsなどビジネスの進捗状況を図るための指標やオペレーション時に必要な考え方を理解し、組織全体を目標に向かってスムーズにマネージメントするための知識を身につけます。

課題
・課題 1 (Assessment 1): エッセイ(2,500 words)
研究対象のスタートアップを一つ選び、授業で学んだフレームワークなどを用いた分析レポート。

・課題2 (Assessment 2): エッセイ(2,500 words)
研究対象のスタートアップを一つ選び、授業で学んだフレームワークなどを用いた分析。また、そのスタートアップのゴールを元にKPIsやMetricsを設定し、必要となるオペレーションリズムを考えて提案。

・Strategic Management of Entrepreneurial Ventures:競争上の優位性を確立するための戦略を選択し、実行するための考え方をフレームワークを用いながら身につける
フレームワーク(PESTLE Analysis, The 5 Competitive Forces, VRIO, Porter’s Generic Strategies, Porter’s value chain analysis)を使い、内部・外部環境分析する力を養い、ビジネスの競争優位性を確立できるようになることを目指す。また、Entrepreneurial Strategyを用いて、自分のビジネスがどの戦略(Disruptive Strategy, Value Chain Strategy, Intellectual Property Strategy, Architectural Strategy)を取るべきかを選択します。企業の実際の事例と照らし合わせながらフレームワークや理論の説明があまりなかったので、理解するのが難しかった記憶があります。

課題
・課題 1 (Assessment 1): グループエッセイ(1,500 words)
研究対象のスタートアップが一つ与えられ、授業で学んだフレームワークなどを用いて分析しチーム内でレポートを作成する。

・課題2 (Assessment 2): エッセイ(1,500 words)
研究対象のスタートアップを一つ選び、授業で学んだフレームワークなどを用いた分析。また、そのスタートアップのゴールを元にKPIsやMetricsを設定し、必要となるオペレーションリズムを考えて提案。

・Customer Development and Lean Startup:顧客開発とリーンスタートアップの理論を学ぶ(一番人気があった授業)
多くのスタートアップが失敗する理由は、ニーズがない商品やサービスに一生懸命時間やお金をかけてしまうことによるもの。それを回避するために、徹底的なCustomer Conversationを通じて本当に顧客が求めている課題を解決する商品やサービスを開発することを目指します。特に顧客開発に役に立ちそうなThe Customer Discovery Experiment Cycle, Mom-testとJob-to-be-Doneについてこちらのページでまとめました。

課題
・課題 1 (Assessment 1): PPP and Experiment Map+ エッセイ(1,500 words)
自身のビジネスもしくはビジネスアイディアに対してThe Customer Discovery Experiment Cycleを8週間実施し(PPP and Experiment Map)、その結果をエッセイでまとめる。

・課題2 (Assessment 2): ピッチデック +エッセイ(1,000 words)
自身のビジネスもしくはアイディアのピッチデックを作成し、エッセイでそのビジネスを行うDesirability, そのビジネスのFeasibilityとSustainabilityをまとめる。

・Entrepreneurial Finance:スタートアップの起業家にとって必要な財務知識と外部資金調達時に必要な知識を身につける
合計8回のクラスですが、その半分(4回のクラス)は「財務諸表を正しく理解し、会社の財務モデルを作成できるようになる授業」、もう半分は「VCなど外部資金調達時に必要なプロセスや知識を学ぶ授業」で構成されています。財務モデルを作成できるようになるためのクラスは基本的な会計知識を勉強しながら、スタートアップに求められるファイナンス計画を理解し作成できるようにします。また、外部資金調達時に必要な知識を学ぶためのクラスでは、Valuationの計算方法やCap tableの考え方、Due Deligenceで見られるポイント、Term Sheetの読み方などを学びます。

課題
・課題 1 (Assessment 1): 財務モデル作成+財務モデルを中心としたピッチデック
自身のビジネスもしくはビジネスアイディアに対して、Price Model, Sales Forecast, P/L, CF, B/Sの作成並びにRatioの分析まとめ、財務モデルを中心としたピッチデックの作成。

・課題2 (Assessment 2): エッセイ(1,500 words)
Series A以前のスタートアップのFounderにコンタクトし、インタビューを実施。その内容を元にDue Deligenceを行い、その内容をまとめる。

以上のような形で1学期目は授業が行われました。その当時は課題をこなすことに必死でしたが、改めて振り返ってみて、自分のビジネスが既にある(シードステージレベル)、ビジネスアイディアがある、もしくはアイディアも今から考えたいという人たちにとっては、顧客開発からビジネスアイディアの構築までフレームワークや理論に沿ってしっかり検証でき、起業家として抑えるべきポイントなどはしっかりと授業でカバーされていると感じました。特に1学期目は、Lean Startupの概念がしっかりと学生が身につけられるようにプログラムが組まれていると思います。

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