キャリアを描くというけれど

キャリアとは馬車が通った後にできた道のことを言うと聞きました。
仕事に関しても同じように、進んだ先で後から振り返った時に出来上がるのがキャリアというもの。

ですが、そんなことは言っても将来のことをある程度考えていないと進む方角はわからない・・・。
世の中にはそんな悩みが多いように感じています。

「本当にこのままでいいのか・・・」
「何を目指したらいいのか・・・」

ただ、必要なのは進む方角をある程度定めることで、タイヤがどのような線を描くかまでは現時点で誰にもわかりません。

将来どうなりたいかも同様で、どんな仕事をしてどんな役職につくかなど細かい点を定めがちですが、それはどの点を踏んでどのような線を描くまでを考えるのと同じくらい細かいことなのかもしれません。

さっきも書いたように本当に必要なのは進む方向。

いわば、方角を示す矢印を定めてナビを設定するような作業なのかもしれません。

であれば、まずは目的地を定めなければ。

今の仕事においてどうなりたいかと考えると、確かに仕事内容や役職しか考えられないかもしれませんが、そうではなく…

どのような生活を送りたいのか、家族はいつ頃作りたいのか、子供にはどのような生活を送って欲しいのか。

そうやって、考えていくと、まずは必要なお金と時間がどのくらいなのかを算出することができます。

先日、「転職の魔王様」というドラマを観ていた際にまさしくそのような内容が描かれていました。

※以下、ネタバレ含みます。

***

子供が2人いるお父さん。

妻の話す内容を全て、
「もっとお金が必要だから収入を増やしてほしい」
という意味に捉えて一人で突っ走って考えていました。

ですが、いざ転職活動をするも、蓋を開けたら、
「本当は収入は求めないから、もっと育児に興味を持ってほしいし、もっと家族との時間を大事にしてほしい」
という思いを抱えていることが最後にわかりました。

家族によって、人によって、どんな状況が必要かは変わってくるでしょう。

家族がいる場合は話し合いも必要ですが、結局は人生を考えることと重なると思うのです。

どう生きたいかを考えることが結局は将来を考えることで、
そこを目指して試行錯誤することで最終的に自分だけのキャリアが出来上がると思うのです。

ただ一方で、最低限の仕事ができればいいからキャリアを考えないというのも、人生を先まで見越せているのかという点で疑問に感じます。

だから、私は言いたいのです。
描くべきはキャリアではなく、人生そのものなのではないでしょうか。

忙しい時にそんなこと考える暇がないと感じるのは私もよくわかります。
ただ、だからこそ余計に一度立ち止まって考えることが必要だと思います。

「そんなに時間と今を犠牲にして何を手に入れるのか」
について考えることは決して無駄なことではないでしょう。

そこで、得られるものが成長なのか、スキルなのか、役職なのか、はたまたお金なのか・・・
何かしらあればそれはそれでいいと思っています。

何かしらあるということは、それは必要な時間だと思うのです。

ですが、何もない場合、本当に欲しいものとかけ離れていて目的地に絶対辿り着けない場合、今後について考えることが必要なのでは？と思ってしまいます。

例えば、家族の時間を大事にしたいのに残業ばかりという場合です。

"家族のため"をさらに言語化するのもいいかもしれません。

家族との日々の時間なのか、年一回の旅行のためなのか、もしくはお子さんの習い事のためなのか…

それによって時間の取り方も、必要なお金も変わってくると思います。

就活のタイミングだけでなく、社会に出た後も自己分析や言語化は必要なのかもしれません。

一つポイントは、スキルに関しては一概に言えないということです。

「本当はこのスキルがほしいのに別のスキルしか身に付かない・・・これは意味ないのでは？」

という質問もありますが、スキルに関しては逆にそのままでできることを探すことも大事だと思います。
決して無駄とは思いません。

将来、どうやってそのスキルが役立つのかわかりません。
そのスキルの組み合わせが結局その人独自のキャリアに繋がるからです。

ここで伝えたい、考えることが必要なこととは、運転で言うところの目的地の確認と、方角の確認＆修正になります。

結局は全て無駄にはならないんですよね。

経験を通して、目的地を変えることだって可能です。

ただ、必要なのはいつも目的地で、どういう人生を歩みたいのかが重要なのでは？
と思っています。

そして、その目的地に辿り着くまでは、寄り道をしても問題はありません。
お土産(スキル)を目的地までにたくさん抱えて、その道中を楽しむことが一番必要なのかもしれません。