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ぎっくり腰の私に「星の王子さま」が教えてくれたこと

先日の記事でぎっくり腰になったことを書きました。


ベッドの上にずっといるのも暇なので、
映画鑑賞をしようと思い、久しぶりに思い出した
「リトルプリンス 星の王子さまと私」
を観ることにしました。
(以下、ネタバレ含みます。)


***
この作品が公開されたのは
私が大学生だった2015年でした。

当時、フランス語を学んでいた私は
幼い頃に読むことを断念していた
小説の「星の王子さま」を
再度読んでみたところでした。

ちょうどそのタイミングでの映画公開。

やっと少し理解できた
「星の王子さま」の世界観を楽しみつつ、
原作とこの映画がどのように繋がっていくのか
興味津々で映画館に向かったのを覚えています。

そして、観賞後…
衝撃的。

その一言に尽きました。

この映画の世界が
あまりに現実世界に近すぎたのです。

原作に出てくるキャラクターは
あくまで抽象的で比喩表現が多くありました。

全員が一人一人の星を持っていて、
その中でどういう人間であるのか。

その小惑星を出てしまえば
関わりさえないような人たちでした。

それがこの作品では…。

全員が同じ街で同じように下を向きながら歩き、
一心不乱に目の前の仕事に向かい、
そのうえ、子供であることは罪。

まるで、幸せなんて知らないかのように。

ビジネスのため、不用なものは手放し、
必要な価値あるものに変えていく。

でも本当にそれが “大切なもの” なのかと
問われれば、違う気がする…。

それでも上の人が言うことが絶対の中で
疑いもせず生きている様子が描かれていました。

そして、この作品では “星の王子さま” さえも
その大人たちの仲間に入ってしまっていたのです…。

***
さて、この作品を改めて観たとき、
悲しくなったのが、私もこの覇気もなく
ただただ日常に追われている大人たちの
仲間入りをしていたということでした。

最近の私は仕事に追われ、
休みの日も職場からの連絡があれば
そのことを考え、気が気でない休みを過ごし、
また仕事に向かえば
疲れてそのままベッドに潜り込む日々。

束の間の家族の時間は仕事の愚痴で終わり、
転職を考えながらもまた朝が来て
仕事に向かうのです。

たぶん、自分でも無意識の間に
体も心も無理をしていたのかもしれません。

ぎっくり腰になって仕事を離れてみて
どんなにスッキリしたことか。

疲れた体に鞭を打って出社することもなければ、
休日に連絡がくることへの
ドキドキを感じることもありません。

なかなか無理をしていたと
休んでみて思うのです。

そして、気がつかない間にその姿は
「リトルプリンス 星の王子さまと私」
に出てきた大量のこけた顔をしている
大人たちと同じものになっていたのでした。

休んで2日目の朝、夫に
「なんだか顔がスッキリしたね。」
と言われました。

たった1日でも思いきりゆっくりしてみたら
2日目の朝にはその効果が顔にも出ていたのです。

腰を痛めるなんて初めての出来事で、
何もできないし…と悲しくなっていましたが、
私にとって必要なことだったんだと
改めて思えたのでした。

大学生の私は当時、
「リトルプリンス 星の王子さまと私」
を観てこの大人のようには
なりたくないと思ったものです。

就職活動を控えていた当時、
「やりたくない仕事を無理して続けて
魂を売るようなことだけはしないぞ」
と思っていました。

実際、やりたかった仕事ができる職場に
勤めることが決まり、やりたくない仕事
“ではない” ことが決まったわけですが、

それでも向き合い方を考えなければ、
職場や仕事内容に限らず、なりうる姿
だったのだと今になってわかりました。

とはいえ、子供でいることが罪のような世の中で
どのように子供心を忘れないで
いることができるのか…。

これからも考えていかなければいけない
ことなのかもしれないとも思います。

子供心とはつまり、自分の中の素直な心。

自分が自分を好きでいるためにも

自分の中の “好き” や “心地良い”、
“楽しい” や “ワクワク感” 

これらの感情をどれだけ生活の中に見出せるか
ということこそ、子供心を大切にすることに
繋がるのかなと思うのです。

ただ、誰しも知らず知らずに
そんな子供心を置き去りにして
生活に追われることはあるでしょう。

そんなときも自分の心に向き合ってあげる時間を大切にしてあげる必要があるんだなと
今回のことを通して改めて思いました。

「ものごとはね、心で見なくてはよく見えない。いちばんたいせつなことは、目に見えない」

ーサン=テグジュペリ「星の王子さま」よりー

私も今回、怪我という形でも
一度休めたことがよかったように思います。

自分の心を見失えば
それは大切なものも見つけられないってこと。

大切なものを大切にできるように
まずは自分や自分の心を大切にしたいなと
改めて今回思ったのです。

前にも言ったけど、サボりではなく
必要な休みもあるんだなと思ったのでした。

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