国立奥多摩美術館館長の 他の美術館に行ってきた!(Vol.01) 東京国立近代美術館『柳宗悦没後60年記念展 民藝の100年』
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国立奥多摩美術館館長の 他の美術館に行ってきた!(Vol.01) 東京国立近代美術館『柳宗悦没後60年記念展 民藝の100年』



他の美術館に行ってきた!(Vol.01)

民藝の100年画像

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東京国立近代美術館
『柳宗悦没後60年記念展 民藝の100年』
会期:2021年10月26日 ~2022年2月13日
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2021年10月29日(金)晴れ。「柳宗悦没後60年記念展 民藝の100年」
という展覧会をやっている東京国立近代美術館に行ってきた。
「民藝」という言葉は
柳宗悦が作り使い、世に広めた言葉だ。
学生時代に彼の本を読み「民藝」という言葉に出合い、
そこに込められた彼が思い描く美しい世界に心震えワクワクした。
今でこそ民藝品といえば、
地方のちょっと洒落たお土産品という認識が一般的だと思う。
しかし「民藝」とは、深く愛でることができる美しい物を、
各々が見つけ生活の中に交えることで、
おのずからこの世界は美しくなる。
そんな物を通して社会が変わり得る、
ある種の革命的な世界観を内包した言葉だった。
だが、残念ながら今回の展覧会は
民藝の思想と離れた所にあるのではないかと感じた。
会場に置かれている物々が、
なんだか居場所を失って宙を漂っている様な感覚を抱いたのだ。
その理由を考えると、
そもそも民藝品とは人々の生活の中で、
その生活と交わる事で魅力を発揮する物
だからではないかとの思いに至った。
そんなことを宗悦は分かっていたのだろう。
だからこそ宗悦が作った日本民藝館の展示空間は
美術館の様なホワイトキューブではなく、
生活の場を用いた仕立てになっている。
今回の展覧会では、
白い壁や白い台の上にほとんどの民藝品が置かれている。
この見せ方は美術作品などを展示する際に、
日常世界から切り離して特別な物を見せるという
美術における作法にのっとっている。
この見せ方では民藝への理解を、
日常と断絶したところに求めるようになってしまっていると感じた。
それはそれで、そんなことを考える機会としての価値が
この展覧会にはあると思うのだが。僕がおすすめするのは、
まず柳宗悦の肝いりで作られた日本民藝館に足を運ぶこと。
そこで見る民藝品と、
今回の展覧会における民藝品のあり様を比べてみてほしい。
民藝とは本当に面白い。今の社会が抱えるあらゆる問題に
一石を投じ得る思想だと思う。
ぜひ多くの人に「民藝」に興味をもってもらいたいな。
【☆6.3(佐塚真啓)

「西の風新聞」2011年11月18日(1626号)掲載

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