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いまどきのチャイナ(4)「無用」のデザイン

ファッションブランド「無用」のショールームで働く友人の案内で文化創意圓77へ。
発起人はもともと高名なデザイナーであった馬可さん。ファッション業界に疑問を抱き、しばらく活動を休止して、農村を旅する。今や見捨て去られつつある「無用」のものを探しに。

北京のショールームは彼女のコレクションを集めた生活空間のミュージアム兼ショップになっていて、「無用」の手仕事が現代に蘇る。建物は「テーマ展示」「家」「真味 Real Food」と3つに別れ、「家」に展示される洋服や生活用品等、1点ものの商品一つ一つにバーコードと銘が刻まれているのでした。

ちょうど、古楽器の展示が行われていて、「尺八」の奏者の演奏が始まる。どうやら、80歳になる日本人の先生が毎年教えにきてるのだとか。もともと唐の時代に伝わった古楽器が、やがて失われ、日本で生き残っていた。雅楽の中に伝わる蘭陵王の伝説。これも日本にしかもう残っていない。異民族との戦いの連続だった中国の歴史の中で、失われ、日本でのみ生き残った文化は数多く、日本文化を学ぶことは、まるで中国文化の博物館のように魅力が詰まっていると言う。

そんな楽器のルーツを紐解きつつの展示。そして唐の楽器と尺八の音色を比べる演奏。忘れ去られていた記憶が、国境をこえて蘇る。

音楽や芸術、手仕事、人々が歴史の中で紡いで来た文化を通じて、「無用」のものとは何かを現代に投げかける。

<img src="http://www.wuyong.org/Uploads/ArtVideoImgFile/20140910/20140910153459_9715.jpg">

無用HPより


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