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最近飲んだナチュラルワイン -85


iPhoneのABCキーでフリック入力できないことに気づき意識してやり始めたら1日でマスターしました、佐藤です。それというのも、最近忙しくて電車の中でも何かしらの作業をしたいと思い、英訳の仕事を移動中にやり始めたのがきっかけでした。あいうキーでは当たり前のように行っていたフリック入力も、ABCになった途端難しい(例えば、あいうキーで「ディファレンス」ABCキーで「difference」と入力してみてください、かなり違いませんか、あはん)。でも12個のキーにおけるフリック入力自体の勝手は知っているし、何より翻訳の仕事の作業量があまりに多く、慣れざるを得ないほどに弾きまくった結果がこれです。今後僕のことはフリック・フリークと呼んでください!

・スペイン、カタルーニャ
・ヴェガ・アイシャーラ
・エマ ガルナッチャ・ブランカ2019/ガルナッチャ・ブランカ100%

スワリングする前の香り、水っぽいというか液体として真ん中にぽっかり穴が空いているような感じ、そいつの正体はミネラル感でした。

回して飲んで理解してから華やかに開けた感じ。スパイシーさも相まって程よい塩梅。

と思ったら還元気味な感じも出てまた分からなくなった。分かれないが、やる瀬無くはない。分かろうとする自分勝手な姿勢を美化するつもりはないが、誰かを分かろうとした結果分かれないことが分かっただけでも成果としなければ、あまりに寄る辺がないじゃないの。

否、このほろ苦さ覚えています!

今回の年末年始ではないけれど、京都の「そば 酒 まつもと」で飲んだことがある..!

からの、辛めのりんご感。ミネラルの土台の上で様々なドラマを繰り広げてくれるお茶目なワインですね。京都・長野から帰ってきてすぐ馬喰町Libreで飲んだスパニッシュでした。


・オーストリア
・ピットナウアー
・パーフェクト・デイ2021/ムスカット・オットネル 25%、ソーヴィニヨン・ブラン 25%、ムスカテラー 25%、ゴールド・ムスカテラー 20%、グリューナー・ヴェルトリーナー5%


本当に本当に久方振りのCaveman、
本当に久方振りのピットナウアー。

それこそCavemanによく行っていた頃(2年前〜1年半前)は、よく飲んでいたワインだと記憶しています、必ずしもCavemanでのみ飲んでいたわけではないのですが。

こうしてワインとワインバーのことを思い出す時、一定の期間をまとめて一つの時代として捉えていることに気付きます。そして今新たな時代に身を置いているのだと切に感じるのです。良いとか悪いとかではなく、今を生きるしかない時間の不可逆性の中、過去のあれこれに思いを馳せながら、さりとて感傷的になり過ぎずに(ここ大事)飲むワインは、温州みかんの風味から、桃のニュアンスまでを含んでいました

そしてそれはまた、幼い頃のみかんにまつわる特定のイベントやらをも想起させますが、その思い出に比べると、Cavemanとピットナウアーによる2年前の一時代の方が、記憶として頼り甲斐があるし、多くの後悔も付随して遣る瀬無くもある。つまり感傷的になり得る思い出としてレベルが違うわけですが、すでに述べたように感傷的になり過ぎないことが、不可逆の時間を生きる一人の人間として、そして多様性に満ちた茫洋なワインの海を恐らく死ぬまで航海し続ける者として、非常に大事なポイントだったりするんです。

今後、Cavemanというお店やピットナウアーという造り手に関する、新しくより強固かつほろ苦くはない思い出により、ともすると感傷の谷に突き落とされそうになる現在では一強状態となっている2年前の一時代の思い出を、忘れることはなくとも、薄めて、更新していけたら、なんと素敵なことでしょうか。

・イタリア、シチリア
・ガウディオーゾ
・ピノ・グリージョ2021/ピノグリ100%

西荻窪CICLOにて。一緒に飲んだ友人はこのワインをジュースのようだと言ったけれど、果たして私自身はこのワインをジュースのようだと思ったのか、思っていないともはや思えないのは、その人の発言の牽引力によるものなのか。もちろん大枠では飲みやすく可憐な部類のワインでした、それは確かですが..。

このようにしてワインの味に関する記憶というのは曖昧になっていく。そして我々はいつだってこう言うのだ「美味かったのだけは間違いない」。

その点に関しまして、もちろん間違いなど、あるはずもないでしょう。しかし、どこか言い訳じみて聞こえてしまう。そしてそして、言い訳がましい自らへの嫌悪感から、私は料理の記憶で全てを掻っ攫おうとするのです!!

ブッラーたむ
ブリたむ

あれも美味い、これも美味い。
全て美味いし、それなりに豊かな人生だとは思う。

そしてもちろん、ある程度虚しい。だからというわけではないが今日もワインを飲む、決して埋まらない虚しさを埋めるという体を取りつつ、ただ体内をアルコールで満たしたい。ただそれだけのこと..。

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