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最近飲んだナチュラルワイン-81

京都に来ています。ウェスティ東山という友人宅にお邪魔を。土地勘がなく右も左も分からない上に西か東か分からないようなマンションで二進も三進も行くか行かぬか不安でしたが、無事辿り着けてボトル2本空けて年も明けて、今日明日にかけてその様子は別記事に書いて友人への文句もそこで吐いて、その前に22年東京で飲んだ最後の葡萄酒群にお付き合いください。

・イタリア、アブルッツォ
・インディジェノ
・ビアンコ・ビシント2021/モントニコ・ダブルッツォ 100%

年の瀬、京都に旅立つ直前、西荻窪のCICLOへ。好きなお店に必ずしも頻度高く行けなかった2022年でしたが、時間が限られた時にこそ自然に足が向くものですね。

インディジェノのモントニコオレンジを。「土着・原生」を意味するワイナリー名にぴったり、原始的なエネルギーに満ちたワイン。ほんのり磯っぽいアタックがあり、藻をかき分けるようにして辿り着いた先は、南国のお花畑。アロマティックでトロピカルな着地に思わず「ウマ」と漏れる評価の声。

・イタリア、フリウリ
・ダリオ・プリンチッチ
・ヴィーノ・ビアンコNV18-20/シャルドネ45%、ソーヴィニヨン・ブラン35%、ピノ・グリージョ20%

ティーライクで渋いけれども飲みやすい。好みも好みなワインでございます。昨年お世話になった人に挨拶をする過程で、昨年お世話になったワインにも挨拶をする形に、図らずしもなったというわけです。

プリンチッチさんには23年も大いに好意を寄せつつ、他の生産者にもしっかり浮気できるような体勢を整えていきたいです。23年は自らの意想外な好みも知りたい。その結果誰かにお前こんなの好きだっけなんて言われつつ、二軒目でしっかりプリンチッチを一緒に飲んで何も変わってなどいないことを示すのです。

・イタリア、ピエモンテ
・ヴィニェーティ・マッサ
・モンレアーレ2001/バルベーラ200%

間違ってバルベーラ200%って記載したけど、味わいによってはそう表記するのもアリだなと思いつつ、このバルベーラはそこまで凝縮感が迸っているわけではないという点である意味「薄く」飲みやすい、臓腑への沁み落ち方が優しいバルベーラでした。2001年なのに優しさが凄い。優しさを20年間封印してた感。

造り手の方は相当な変わり者らしく、ネットで調べたら「造り手の間でも変人と言われる」なんていう情報が出てきたのと、実際CICLOの方も会ったことがあるらしく「まじで変な奴だった」と言っていたので、本当なんでしょう。

こんな風にしてある人物の「変具合」はどこまで正確かは分からないも程度としては力強く伝わり広まっていく、その上でその変な人物の作った液体を好いている、変な人物の作った素敵な液体、変な人物の作り出した変である必要はないが愛である作品、奇を衒うよりもまずは愛を、2023年はよりそんな消費の動きを強めていきたいと思います。

・イタリア、シチリア
・SRCエッセルチ
・エトナ・ビアンコ2021/カッリカンテ80%など

少し時系列は前後するのですがクリスマス前に今年最後の訪問となった代官山Sputnik。店主が開業前にCICLOでも働いていた関連性などから思い出し、このタイミングで挿入。Sputnikも21年に比べて22年はかなり訪問頻度の減ってしまったお店ですが、23年の僕は1月から飛ばし気味に通うつもりです。

レモンの風味と塩気、ミネラルがエトナらしい大地のエネルギー系な一杯。

サーモンにもよく合いました。簡易的ながら完璧なペアリングの一つと言えましょう。まぁ、食べ始めの時飲んでたのはSRCじゃなくてトリンケーロのア・ユート!なんですが、そんなことは忘却しなさい。忘れられないほど美味かったけどねトリンケーロも。

・イタリア、フリウリ
・ラディコン
・ヤーコット2013/フリウラーノ

マグニフィセント。仕上がりのヤバいことヤバいこと。芳醇という言葉で軽く片付けることはできないけれどやはりまず、その香りに打ちのめされる。全てを兼ね備えたある種破壊的なワイン。

京都に出発する関係で、次の一杯ほどではないですが最高にゆっくり楽しめたわけではない。それでも今年最高の一杯として記憶されたとは思います。私はこの壮大な風味を携えて京都に行くのだと、高ぶってしまいました。

・フランス、ローヌ
・レ・ヴィニョー
・ブー・デ・ドワ2020/ピノ・ノワール100%

ローヌのピノ。控えめでやや瑞々しい印象のピノ。軽やかにスパイシーで、品や繊細さに振り切っていない感じが好印象です。

1・2杯目であればよりクドくない感じで楽しめたでしょうし、もう少し時間があればもっと細かく楽しめたでしょう。しかしそんな運命ではなかった。それでも飲み続けなければならなかった。年内最後の東京飲みで控えることはできないですから。一瞬で飲み干すとしても必要だった一杯

つまり再びこのワインを飲む機会があるのならばその時は、1時間くらいまずは香りだけで楽しんでさらに1時間かけて半分くらい飲んで1時間仮眠をとって最後の1時間でやっとグラスを空にするくらい、じっくりじっくり楽しむ予定です。

さて、この一杯を最後に佐藤は東京を離れて京都に向かいました。家無し宿暮らしな形態では初めてとなる京都。家賃を払っていないのだから旅行費も生活費。「最近飲んだナチュラルワイン-82」は京都で飲んだ葡萄酒群となる予定です。『家無し宿暮らしな「新生活」シリーズ』では「Week-5」が京都滞在記録となる予定です。どうぞよろしくお願いします。


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