両親の老後と私の未来
どんな人にでも平等にやってくるのが、老い。時間の流れを止めることは誰にもできません。
もちろん私も例外ではありません。
両親は確実に老いていきます。その分だけ、私も年をとります。
ここで、両親がいなくなったあと、どうやって人生を送るのかという問題が生じてきます。
特に私のように精神疾患を抱えていると、親亡き後の生活をどうするべきかという問題がやってきます。この問題からは、逃げることができません。
私は同じ障害を持った人と暮らすグループホームに住むという選択をしましたが、決まるまでが大変でした。
グループホームは、これまでに4回も失敗しています。
体験に行っただけで調子を崩し、一か月ほど、自分を失っていました。帰り道で記憶をなくし、気が付いたら病院のベッドにいたんです。
もうグループホームへの入居は無理なのだと思っていました。グループホームの大半は週に5日どこかへ通わないといけないという決まりがあり、その気力も体力もありませんでした。
でも、どこにも行く場所がありません。
実家に戻りたいと母に相談したのですが、あっさりと却下されました。その上、もし私が帰ってきたら、病院でもらっている睡眠薬の残りを全部飲んで、自殺してやるといわれました。それくらい嫌なのだそうです。
住む家が定まらないまま、ずっと入院生活を余儀なくされました。でも、そこは決して居心地の良い場所ではありませんでした。
違う病院へ転院するか、グループホームを選ぶか、悩みました。
それでも、5回目のグループホーム探しを決意させたのは、主治医の「自立してほしい」という一言でした。
もちろん不安はありました。また失敗したらどうしよう、入院してしまったら大変だ…、それよりもなによりも一番大変だったのは、親が反対していたことです。
親は私にずっと病院に入院していてほしいといっていました。
確かに病院にいれば、具合が悪くなってもすぐ見てもらえるし、心配はありません。でも、精神科に入院しているということは、はた目から見るよりも精神的に苦痛でキツイことなのです。
どんなに説明しても親には理解できかねることのようでした。
私自身の迷いの中、グループホーム探しが始まりました。親の言うことを素直に聞いてずっと入院するか、主治医の意見に従ってグループホームにするか、悩みの中にいました。
もうこれ以上は、失敗できない、それだけが願いでした。
結果として、今グループホームに住んでいます。その選択が本当に正しかったのかどうか、わかるのはこれからです。気をひきしめていかないといけないですね。
グループホームへの入居を決めて、実際に入居するまで2年の歳月を費やしました。簡単にいうと、2年間入院していました。長いです。
精神を病み母に非を詫びる文 さとうゆみ
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