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『日本の構造』(橘木俊詔)を読んで。

 こんにちは佐藤です。今日は『日本の構造』を読んだので、感想を書きたいと思います。2021年現在の日本についての分析。

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 この本は、先日紹介した『無理ゲー社会』(橘玲)に通じる内容でした。日本の凋落をデータで示す内容。「現状認識→処置対応」をしないと意味がありません。現状を嘆いていてもしょうがないと。

 本書は「日本の構造をデータで示す」ものなので、インプット用途です。経済成長率少子化格差を直視すると、正直辛いです。暗い現状と未来。ただこれ以上、傷口に塩を塗っても仕方ない、と思いました。

 明るい面を見るなら、多様化が進み、労働時間はピーク時よりも減っているので、「自分で将来を選ぶ自由」は増えています。日本人が苦手である、「自分の頭で考えて行動する社会」になっています。

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 印象に残った内容をピックアップすると、
1.高齢化のピークは2040年で、2060年には低下する。
2.学力の高い北欧は少人数学級。(塾はレア)
3.長期雇用は日本に限らず、ヨーロッパも同水準。

 高齢化は先が見えない問題のように思えるけど、ずっと続く問題ではありません。具体的に言えば、団塊Jrと呼ばれる1971年~1974年生まれの人たちが減少する状況で解消されます。2060年はまだ結構先ですが。

 今から40年後は、ちょっと想像しにくくはあります。その点、学力問題は教員の人数を増やせば対応できそうですね。欧米では「学習塾」は一般的ではなく学校教育で育成しています。

 意外なのが長期雇用で、日本で10年以上の勤続は45%という統計があり、これは、イタリア50%、フランス45%、ドイツ40%、と大差がありません。アメリカと韓国は20%と低いので、そこの違いは大きいです。

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 所得格差で勝利するためには、「高学歴→一流企業(or 公務員)→退職」までのルートを務め続けること。皮肉ですがこれが現状一番の勝ち組です。ただ早々に人生は決定してしまいます。

 非正規が4割となった現在、夢があるのはYoutuberみたいな存在ですが、これはこれで難しい。一発逆転の要素はあれど、全力で頑張っても、千人に1人ぐらいの成功者かもしれません。

 では「何をするのか?」このテーマは何度も掘り下げてきました。
・立ち向かう(稼ぐ、増やす、蓄える)※副業など
・あきらめる(お金よりも時間。物を持たない)

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 本書では、対策については特に言及していません。なので読み終えた今もちょっとモヤモヤする思いはあります。「現状の日本は暗いですよ」を確認するだけの作業になってしまいます。

 現在の仕事に不満が無い人であれば、とにかく続けること。蓄えつつも、現状を楽しむ余裕があれば良いです。趣味の延長に、収入アップに繋がるものがあると、尚よいと思います。

 noteを読んだり書いたりするのが趣味なら、そこから発展して、発信業をやってみたり(合う合わないありますが)、軽い気持ちでも、収入につながる方へ、アンテナを伸ばすのが良策かと思います。


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