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【広告考察】虫コナーズ「的なもの」

広告考察第一弾。
今回はキンチョー虫コナーズの新CM。

毎年この時期になると新しいものが公開される。相変わらず長澤まさみさんは可愛い。歳を重ねるにつれて可愛くなっている気がする。自分も歳を重ねて好みが変わってきているのかもしれない。

というのは置いといて、最近見た中では一番分かりやすく面白い内容だった。


1.概要

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https://youtu.be/hZvKScDKleI

「この世にはな、虫コナーズと虫コナーズ的なもんがあんねん」
から始まる。

このフレーズを聞いて、「この世には2種類の人間がいる、○○な人間と、○○じゃない人間だ」というオリラジあっちゃんの"感想文必勝法"を思い出した。
まずこのパワーワードで心はグッと引き寄せられる。いわゆる"ツカミ”というやつだ。

舞台は長澤まさみさんと男性が、昔ながらのベランダでご近所話をするという例年通りのカタチ。今回会話で登場するのは浜田さんだ。(特に意味はなさそう)

「浜田さんのお宅は、これまでずっと虫コナーズ的なものをぶら下げていた。でも、今年初めて、虫コナーズをぶら下げた。。。勝った。」

この情報の少なさが良い。
逆に、15秒にひたすら販促ポイントを詰め込んだものや、スポーツ選手などの話題の人に頼り切ったものは好きじゃない。これはいわゆる「出せば売れた時代」の名残なので、どんどん無くなっていくとは思うが。

虫コナーズは名前の通り、ベランダや軒下に吊るだけで虫除けをしてくれるやつ。ただ、同じような虫除けグッズは昔に比べて増えており、特に違いも分かりづらい、というかほとんど違いはないのだろう。その上値段が安いものも沢山出てきている。

そのため、【消費(シェア)が分散してしまっていること】が、キンチョーの課題だと推測した。

そこで長持ちや効果の範囲をアピールしても、
「どこも同じような感じだろう」「そもそもそこまでの長持ち、範囲は要らない」という意見が多いのではないだろうか。
つまり、消費者の心は動かない。

一応、最後のナレーションの部分で広範囲に効く的なことを言いたいような参考映像が流れるが、わずか1秒ほどで視聴者に伝える気はない。
というか、「何となく良さそう」という効果に対するマイナスではないイメージさえ植え付けられれば良いのだろう。

このCMは最後に、
「どうせぶら下げるなら、キンチョー虫コナーズ」
というナレーションで終わる。

「どうせなら」という消費者の心理的なところに訴えかけられると、なんとなく気になってしまう。これが心が動くということなのかな。
もし自分が薬局に行ってどれを買うか迷った時、虫コナーズを手に取ってしまいそうだなと思った。


2.ロールキャベツ

このCMを見て、「アメリカっぽいな」と感じた。勿論、映像の雰囲気ではなく、モノのアピールの仕方が。寧ろ映像自体は、夏のベランダ×関西弁という懐かしさを感じる日本の情景を表現している。
つまりベタな表現をすると、外は日本、中身アメリカのロールキャベツ系CMだ。

このCMが"アメリカっぽい"理由。
それは、「虫コナーズ」と「虫コナーズ的なもの」で対立構造になっているためだ。

アメリカの広告は「コカコーラvsペプシ」「マイクロソフトvsアップル」「レッドブルvsモンスター」のようにライバルの会社同士でバチバチにやり合う広告が話題になったりする。

ただ、日本では他社のものを卑下するような行為が道徳的・倫理的に良しとされていないのか、対立構造のものが無い。

しかし、今回のキンチョーのCMは「他社のソレっぽいもの使うくらいならうちの虫コナーズ使おうよ」と対立構造になっている。
他社のものを「的なもの」とパチモン扱いのように一括しているので、考え方によってはアメリカより攻撃的な表現で僕は好きだ。

何より、超絶和風テイストのCMの中身が欧米風というギャップが最高だ。
世の中の女性がロールキャベツ系男子に食われる理由もこのギャップにやられているんだな。


3.まとめ

消費者のインサイトは、「どの虫除けを買うか迷うが、効果の違いも分かりづらい、というか無いでしょ」→「どうせならキンチョー虫コナーズにしよう」という感じか。

虫除けのような生活用品は類似品が100均などで安く手に入る時代だ。そのため、この広告施策は色々な商品に活用できる気がする。

キンチョー虫コナーズのCMは昨年も好きだった。「一度虫コナーズを手放したお隣さんがまたぶら下げてた」という情報だけを伝えることで、何となくいいものなんだなという印象が残る。とにかくクリエイティブなので来年にも期待したい。裏についている代理店がどこか気になる。DかHだろうが。

少し前に話題になった、バーガーキングが、閉店したマクドナルドに向けたポスターも対立構造だ。これも一見すると心意気があり、"日本らしさ"溢れるロールキャベツ系だ。
日本で対立構造の広告を打つ際は、"日本らしさ"に包む必要があるのだろう。いずれにせよ、こういうライバル同士がやり合う広告は消費者としてはワクワクするし、もっとやって欲しいと思う。

「心が動くか否か」
広告はこれが全てだと思う。
ただ、人の心なので正解がないから面白い。

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自己満note。音楽と笑いと広告。クリエイティブに生きたい。

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